イージス艦衝突事故で、防衛省が、「ヘリでけが人を運ぶ」といって、航海長を防衛省に呼び寄せていたことが判明。しかも、大臣室で、防衛相、防衛事務次官、統合幕僚長、海上幕僚のTOP4で事情聴取。ここで、「2分前に緑色灯を確認。1分後に回避行動をとったが、衝突してしまった」というシナリオをつくりあげた可能性も考えられる。
イージス艦事故:防衛相、航海長を当日聴取 説明で触れず(毎日新聞)
イージス艦事故:防衛相、航海長を当日聴取 説明で触れず
[毎日新聞 2008年2月27日 2時30分]千葉・野島崎沖で起きた海上自衛隊のイージス艦「あたご」とマグロはえ縄漁船「清徳丸」の衝突事故で、石破茂防衛相ら首脳4人が、第3管区海上保安本部(横浜)の事情聴取前に直接、大臣室であたごの航海長から事情を聴いていたことが分かった。航海長をヘリコプターで移送する際は「けが人を運ぶ」と海保から許可を受けていたが、航海長を一緒に連れていくことは伏せていた。航海長は事故前の当直士官で、事故前後の状況を詳細に知る人物。石破氏はこれまで、直接事情を聴いたことを説明しておらず、「密室」での首脳4人による捜査前の聴取は批判を招きそうだ。
関係者によると、海上幕僚監部(東京都新宿区)は事故直後、現場からの情報不足から、あたごの幹部を海幕に呼び出し詳しく事情を聴くことを計画。神奈川・横須賀基地からあたごに到着したヘリが、事故6時間後の19日午前10時ごろ、航海長を乗せ海幕に向かった。この際「けがをした乗組員を搬送する」と海保から許可を得ていた。
航海長は、海幕で約1時間にわたり事情を聴かれ、メモに従い「衝突2分前に緑の明かりを発見、1分前に漁船を見つけ全力後進で避けようとした」などと述べたとみられる。
さらに、これとは別に大臣室で、石破氏のほか増田耕平・防衛事務次官、斎藤隆・統合幕僚長、吉川栄治・海上幕僚長の防衛省と自衛隊の4人が事情聴取していた。海幕による聴取と同様の説明をしたとみられる。航海士は午後2時半ごろ、再びヘリであたごに戻ったという。
石破氏はこれまで、航海長からの聴取内容について、海幕から報告を受けたとだけ説明していた。また航海長の移送と聴取について、防衛省は「事前に海保の許可を得ていた」と説明していたが、3管は26日、「防衛省側から聴取の連絡を受けたのは聴取後だった」と発表した。
海保の捜査段階で、海自が当事者から聴取することは、禁止はされていないが捜査妨害の恐れがある。冬柴鉄三国土交通相は、ヘリでの航海長移送が判明した26日午前の閣議後会見で「海上自衛隊にも内部的な調査権はあるにしても、私の方(海保側)の了解を得てやるのが法の仕組み」と不快感を示した。
ところで、ほんとにけが人はいたのだろうか? もしけが人がいなかったのなら、これは立派な「情報操作」。また、航海長の事情聴取前に海保庁の了解を得ていたという説明もウソ。石破氏は、いったいこれにどう答える?