生活雑貨のロフトが、パート、契約社員、正社員の区分を廃止して、希望者全員を正社員にすると発表。
いままでロフトは、全従業員が約3330人いて、正社員は400人しかいなかった。あとは契約社員約280人と、半年契約のパート2650人。そして、正社員は店舗のマネジメントをおこなう人間だけ。売り場のリーダーは契約社員、レジ打ちなどはパートがやっていた。しかし、こんなやり方では人材は育ってゆかない。そういう反省が経済人の間にも広がってくる時代になったのだろうか。
生活雑貨のロフト、パートの希望者全員を正社員に(読売新聞)
ロフト、全パートを正社員化 短時間勤務でも(朝日新聞)
生活雑貨のロフト、パートの希望者全員を正社員に
[2008年3月2日19時57分 読売新聞]生活雑貨専門店を展開するロフト(本部・東京都新宿区)は、パートタイマー、契約社員、正社員の3区分を撤廃し、パートの希望者全員を16日から正社員にする。
小売業の人手不足感が強まる中、働き方次第で管理職などへ昇格できる道を開き、優秀な人材を確保する。パートから正社員への登用を積極的に進める企業は増えてきたが、パートを一括で正社員化するのは珍しい。
ロフトは現在、正社員約400人、契約社員約280人、半年契約のパート2650人が働いている。パートは店内レジや商品陳列などが主な仕事で、このうち2350人が正社員になることを希望している。
パートから正社員になれば、60歳定年制が適用される。これまで売り場責任者(リーダー)には契約社員、本部の幹部には正社員しかなれなかったが、能力や実績次第で登用される。勤務時間は現在と同じ週20?40時間の中から選べるが、リーダー以上は週32時間以上働く必要がある。
ロフトによると、職務制度の見直しで総人件費は約1割増えるという。
ロフト、全パートを正社員化 短時間勤務でも
[asahi.com 2008年03月02日10時37分]雑貨専門大手のロフト(本部・東京都新宿区)は16日から、パート、契約社員、正社員の区分をなくし、無期雇用を希望する契約社員やパート2350人を正社員にする。非正社員の正社員への登用制度は広まっているが、多くは正社員並みのフルタイムの勤務者が対象。ロフトは勤務時間に関係なく正社員になれる仕組みで、短時間勤務の人も含め大規模に正社員化するのは珍しい。
同社の従業員は約3330人で、正社員が400人。1年契約の社員が280人、半年契約のパートは2650人おり、そのうちの2350人が正社員化を望んでいる。
新制度では、現在の全従業員を(1)店舗のレジやラックを担当する「フロント」(現行制度ではパート)(2)各売り場の「リーダー」(同契約社員)(3)会社や店舗全体のマネジメントを行う「基幹社員」(同正社員)に区分する。無期雇用を望む人は正社員とし、フロントから本部の部課長などの幹部になることも可能。正社員の条件に転勤は含まないが、幹部への昇進には複数店舗を経験するのが望ましいとする。16日以降の入社者は6カ月の見習い期間を経て、正社員か、有期雇用のアルバイトかを選べる。
パートは職能資格が3段階だったが、フロントは8段階に細分化。職能給の差額を時給で100円から250円ほどに広げ、能力を向上させた人を評価する。総人件費は1割増加する見込みだ。
勤務時間は、フロントは週20?40時間から選択。現行の契約社員と正社員は週40時間と定められているが、リーダーと基幹社員は9月から、週32?40時間の間で決められる。介護や育児の際に、役職を変えずに短時間勤務をしやすくなる。
ただし、各種報道を読む限り、正社員になっても時給は変わらないらしい。これだけの規模で正社員化しても、人件費は約1割増にとどまるといっている。それでも、半年契約から無期雇用になり、昇進の可能性も開かれる。パート均等法を先取りしたものといえる。