米財務省の発表によれば、サブプライムローン問題での損失は、これまでに公表された分だけで2000億ドル(約20兆円)を超える見込み。
しかも、これで終わりという訳ではなさそう。
サブプライム、公表損失額20兆円超に(TBS News-i)
サブプライム損失「年末にかけ拡大も」・EU財務相理が採択へ(NIKKEI NET)
米経済の最大のリスクはサブプライムローンのデフォルトと多額の債務=NABE調査(ロイター)
年金積立管理運用 7924億円の赤字に転落(MSN産経ニュース)
サブプライム、公表損失額20兆円超に
[TBS News-i 最終更新:2008年3月4日(火) 17時10分]アメリカの財務省は、サブプライムローン問題に絡んで、世界の金融機関が公表した損失額が合わせて2000億ドル、日本円にして20兆円を超すとの集計結果を明らかにしました。
これはアメリカのロワリー財務次官補が、3日、ワシントンで行った講演で明らかにしたもので、サブプライムローン問題に絡んで世界の金融機関が公表した損失額を財務省が集計したところ、合わせて2000億ドル、日本円にして20兆円を超えるということです。
内訳をみると、全体の半分がアメリカの金融機関で、次いでヨーロッパが全体の4割に迫る750億ドル、残りはアジアやカナダなどの金融機関の損失となっています。
サブプライムローン問題を巡っては、株式市場や金融市場の混乱が依然として続いているため、金融機関の損失額が今後さらに拡大する恐れがあり、主要各国の金融当局は引き続き難しい対応を迫られることになりそうです。(04日13:34)
サブプライム損失「年末にかけ拡大も」・EU財務相理が採択へ
[NIKKEI NET 更新: 2008/03/04 21:55]欧州連合(EU)は4日に開く財務相理事会で、米国の信用力が低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)関連の損失が「今年末にかけてさらに拡大する恐れがある」とした金融報告書を採択する。「モノライン」と呼ばれる米金融保証会社の信用問題などによる連鎖的な損失拡大を警戒。EUの政策運営を「経済の安定性を確保する方向に切り替える」とし、実体経済への悪影響を最小限に抑える方針だ。
金融報告書の原案は「国際金融システムはなおぜい弱で、金融市場の機能はまだ正常に戻っていない」と分析。そのうえで市場で「連鎖的に損失が拡大する兆候が表れ始めた」としている。具体的にはサブプライムローンが裏付けの証券化商品の保証に絡んだモノラインの信用問題で「銀行などの損失拡大のリスクが懸念される」と指摘している。(ブリュッセル=下田敏)
米経済の最大のリスクはサブプライムローンのデフォルトと多額の債務=NABE調査
[Reuters 2008年 03月 3日 15:27 JST][ワシントン 3日 ロイター] 全米企業エコノミスト協会(NABE)が3日発表した半期に一度の経済・政治に関する調査によると、エコノミストは、米経済の健全性にとって最大のリスクは、引き続きサブプライムローン(信用力の低い借り手向け住宅ローン)のデフォルトと高水準の債務だと考えていることが明らかになった。
調査はNABEのメンバー259人を対象に、2月1―15日に行われた。
それによると、サブプライムローンのデフォルトと多額の債務が最大の懸念材料だとの回答が52%に上り、前回8月調査の32%から大幅に増加した。
最大の懸念要因としてインフレを挙げたのは10%で、前回の6%を上回ったものの、大きく差がついて3位にとどまった。
テロが最大の懸念要因だとの回答は9%で、前回の20%から大きく低下した。
金融政策については、「適切だ」との回答はわずか48%で、前回の72%、前々回の07年3月の81%を大幅に下回った。
今後6カ月以内に短期金利が低下するとの見通しを示したのは3分の2に達し、回答者の約半数が25―50bpの追加利下げを予想した。
NABEのクロムウィック理事長は「メンバーは、サブプライムローンや他の債務に関する短期的なリスクへの懸念を強めている一方、引き続きインフレを警戒している」と述べた。
年金積立管理運用 7924億円の赤字に転落
[MSN産経ニュース 2008.3.4 17:30]厚生年金と国民年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人は4日、平成19年度第3四半期(10?12月)の運用状況を発表した。それによると、総合収益額(運用損益)は1兆5348億円の赤字に陥り、利回りはマイナス1.67%と2四半期連続で水面下に沈んだ。7月から半年間の赤字は3兆円を超え、昨年4?12月までの運用損益累計は7924億円の赤字に転落した。
第3四半期の赤字は、米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)焦げ付き問題の影響で、国内外の株価が低迷したため。サブプライムローン関連の担保証券は一切投資対象にしていないが、「間接的に影響を受けた」(年金積立金管理運用独立行政法人)という。
昨年12月末時点の運用資産額は92兆8070億円(時価)。資産別の利回りは、国内債券と外国債券がそれぞれ1.32%、0.76%のプラスだった。一方、国内株式はマイナス8.96%、外国株式がマイナス4.80%と振るわなかった。
第4四半期(1?3月)についても、「市場環境が引き続き厳しく(前四半期と)大きな変化はないだろう」と見ている。運用成績が回復しなければ、やはり株安で過去最大の赤字を計上した14年度(損失2兆5877億円)以来5年ぶりのマイナス運用になる。