「新憲法制定議員同盟」(会長・中曽根康弘元首相)が、4日、昨年発足以来の総会を開催。
町村官房長官が現職閣僚として副会長に選んだほか、民主党からも鳩山由紀夫幹事長が顧問に、前原誠司副代表らが副会長に就任して、新体制をスタート。当面、憲法調査会の始動をめざすとともに、「九条の会」に対抗していくための地方の運動拠点づくりをすすめることを確認した。
改憲同盟 自・民で新体制 役員に両党幹事長ら(しんぶん赤旗)
新憲法同盟、自民党と民主党の幹事長を顧問に(読売新聞)
新憲法制定議員同盟:自・民同舟 鳩山由氏らが初の役員入り(毎日新聞)
憲法議連 与野党幹部が役員に(NHKニュース)
新憲法制定目指す超党派議連、新体制(TBS News-i)
中曽根氏は、「国会議員の中には根強い憲法改正への意欲が充満している」と述べたそうだが、その中曽根氏でも、“国民のなかに憲法改正への意欲がある”とは言えなかったところが、いま改憲勢力が追い込まれている状況を象徴している。もちろん、国会内で自民・民主が「改憲同盟」をつくって、改憲発議に動き出す危険性を軽視することはできないが、あくまで9条改憲反対の一致点で世論の多数を獲得することが重要だ。
改憲同盟 自・民で新体制 役員に両党幹事長ら/“政府を代表して” 官房長官が発言
[2008年3月5日 しんぶん赤旗]自民、民主、公明、国民新各党などの改憲派議員でつくる「新憲法制定議員同盟」(会長・中曽根康弘元首相)は四日、国会内で総会を開きました。民主党幹部を新たに役員に加え、改憲策動を推進する新体制を発足させました。
自民党からは安倍晋三前首相、伊吹文明幹事長、谷垣禎一政調会長らが新たに顧問に就任、民主党からも鳩山由紀夫幹事長が顧問、前原誠司副代表が副会長に就きました。2008年度予算案の衆院強行通過をめぐって「対立」姿勢をみせる自民、民主両党が、九条改憲という国のあり方の根本問題で基本的に同方向であることを示すものです。
あいさつで中曽根会長は「憲法問題がいま冷えている最中に、なお国会議員の中には根強い憲法改正への意欲が充満している」とし、「超党派で最大公約数を求めながら国家像を決めていく大事業だ」と強調しました。これまでなかった民主党幹部の参加で、改憲機運を盛り上げる狙いを示しました。
閣僚では町村信孝官房長官が参加し、「(中曽根氏から)内閣を代表して出てこいというご命令をいただき、これは天の声だとして私は喜んで参加した」などと発言。憲法改定を目標とする議員同盟の副会長に名を連ね、改憲の呼びかけの先頭に立つ立場を鮮明にし、憲法尊重擁護義務(憲法九九条)に公然と違反する行動に出ました。
また、鳩山邦夫法相、高村正彦外相、額賀福志郎財務相らが役員に名を連ねています。
総会では当面の活動方針として(1)衆参両院の憲法審査会始動へ働きかけをさらに強める(2)民主、公明両党の議員を中心に会員の増強を進める(3)「九条の会」に対抗していくため地方の拠点づくりを進める、ことを確認。5月1日には「新憲法制定推進大会」(仮称)を憲政記念館で開催することを決めました。
新憲法同盟、自民党と民主党の幹事長を顧問に
(2008年3月4日23時55分 読売新聞)超党派の国会議員らで作る「新憲法制定議員同盟」(会長・中曽根元首相)は4日、国会内で総会を開き、自民党の伊吹、民主党の鳩山両幹事長らを顧問とする新役員体制を決定した。
両党幹事長の参加を得て、衆参両院の憲法審査会を早期に始動させるよう、与野党への働きかけを強化する方針だ。
議員同盟には、自民、民主、公明、国民新の各党などから議員191人が参加している。
昨年11月に4人だった民主党議員は、鳩山氏や前原誠司副代表らの入会で14人に増え、前原氏と田名部匡省、渡辺秀央両参院議員は副会長に就任した。自民党からは、議員同盟の副会長である二階総務会長、古賀誠選挙対策委員長に加え、伊吹氏と谷垣政調会長も新たに顧問に迎えられ、党四役が全員、議員同盟の役員となった。
議員同盟は今後、憲法審査会の始動を求める国会議員の署名活動に引き続き取り組むほか、5月1日に大会を開催する予定だ。
中曽根氏はあいさつで、「憲法問題が冷えている最中に超党派の皆さんが参加したということは、国会議員の中に根強い憲法改正へのエネルギーが充満していることの証拠だ」と強調した。伊吹氏は「憲法審査会が動く状況を作りたい」と述べた。
鳩山氏は、この日の総会は「予算審議を巡って与野党が対立している今の状況では参加できない」として欠席したが、4日午後、記者団に対し、「今国会で憲法審査会が動き出す可能性もある」と語った。
新憲法制定議員同盟:自・民同舟 鳩山由氏らが初の役員入り
[毎日新聞 2008年3月4日 東京夕刊]超党派の保守系国会議員らでつくる「新憲法制定議員同盟」(会長・中曽根康弘元首相)は4日午前、国会内で総会を開き、昨年3月の発足以来となる役員改選を行った。これまで自民党議員が中心だったが、鳩山由紀夫幹事長ら民主党幹部が初めて役員に入り、両党幹部で役員を固める体制となった。衆参両院に設けられた憲法審査会は野党の反対で議論が停止しているが、議論を開始する機運が高まる可能性がある。
民主党の鳩山氏と羽田孜元首相が顧問に、前原誠司副代表が副会長に就任した。自民党では安倍晋三前首相や伊吹文明幹事長と谷垣禎一政調会長が顧問に就任した。【野口武則】
憲法議連 与野党幹部が役員に
[NHKニュース 3月4日 23時21分]超党派の国会議員らでつくる「新憲法制定議員同盟」は4日の総会で、自民・民主両党の幹事長らを役員に加えることを了承し、与野党の対立で見送られている衆参両院の憲法審査会の発足に向け、活動を活発化させたいとしています。
「新憲法制定議員同盟」は、憲法改正に向けた国民的な議論を深めようと去年3月に設立され、自民党や民主党など超党派の国会議員200人近くが参加しています。4日開かれた総会で、会長の中曽根元総理大臣は「憲法改正のような国家的な大問題には超党派で取り組むべきだ。各党の都道府県の組織に憲法改正に向けた委員会をつくるなど、全国的な運動にもしていきたい」と述べました。また、副会長を務める町村官房長官は「超党派で国会の議論を大いに盛り上げてほしい。私も議員の1人として、力いっぱい、わが国の正しい憲法を作る運動の一翼を担いたい」と述べました。このあと、総会では、自民党の安倍前総理大臣や伊吹幹事長、それに民主党の鳩山幹事長や国民新党の亀井静香代表代行らを役員に加えることが了承されました。
議員同盟では、与野党の幹部が新たに役員に就任したことをきっかけに、与野党の対立で見送られている衆参両院の憲法審査会の発足に向け、活動を活発化させたいとしています。
新憲法制定目指す超党派議連、新体制
[TBS News-i 最終更新:2008年3月4日(火) 15時4分]国民投票法の成立にともなって国会に設置された、憲法審査会がまだ開かれていない中、新憲法の制定を目指す超党派の議員連盟が、新たに与野党の幹部を役員に迎える新体制を発表しました。
超党派の議員が集まる「新憲法制定議員同盟」の総会では、自民党の伊吹幹事長、民主党の鳩山幹事長など、与野党の幹部を役員に就ける新たな体制を決め、新憲法をめぐる議論を進めるよう訴えました。
「護憲という呪文によって思考を停止をしてはならない。あるべき憲法の姿について議論し、変えるべきは変えるというこの責任を逃れてはならない」(安倍晋三前首相)
国民投票法の成立に伴い、憲法改正案の審査などを行う憲法審査会が設置されましたが、未だに開かれておらず、議連では与野党の幹部の役員就任が審査会開催の環境整備につながるという声も上がっています。(04日14:53)
安倍元首相が「護憲という呪文による思考停止」などと言っているようだが、これこそ、文字どおり“思考停止”発言。中曽根望都首相や、参院選惨敗、臨時国会冒頭での突然の政権投げ出しで、すでに過去の政治家になったはずの安倍元首相など、文字どおり“亡霊”しか登場しないところも、改憲勢力の追い込められた苦しい立場を示している。