横須賀のタクシー運転手刺殺事件で、車内に落ちていたカードの名義人である米兵が、米海軍犯罪捜査局によって、都内で身柄確保された。
カード名義人の米兵確保 在日米海軍が都内で発見(共同通信)
刺殺事件受け横須賀市教委 登下校時の注意指示(東京新聞)
今回の事件では、米兵名義のカードが落ちていたという情報そのものが、警察発表ではなく、どうも米海軍横須賀基地から最初明らかにされたようです。経過はよく分かりませんが、米兵の犯罪・事件が多発していて、米軍当局は、相当ピリピリしているようです。もちろん、脱走兵を追いかけるのは、当然なんでしょうが、基地外では米軍犯罪捜査局といえども捜査権はもってないはず。おそらくは携帯か何かで本人と連絡をとって、出頭を促した、ということでしょう。
それにしても、米軍側が、兵士を無理やりかばっているような印象をもたれないように相当神経を使っているのにたいして、日本政府の側の反応がさっぱり見えてきません。“アメリカ言いなり”に慣れすぎた、ということなんでしょうが、地元では、児童が集団下校するというような事態になっているのに、あまりにのんびりした話です。
カード名義人の米兵確保 在日米海軍が都内で発見
[2008/03/22 14:50 共同通信]神奈川県横須賀市の路上に止まったタクシー内で東京都品川区の運転手高橋正昭さん(61)が刺殺された事件で、在日米海軍は22日未明、車内に残されていたクレジットカードの名義人で、今月初めに横須賀基地から脱走していた男性兵士(22)を品川区の五反田駅付近で発見、身柄を確保した。
県警横須賀署捜査本部は米側と連絡を取りながら、兵士が高橋さん殺害について何らかの事情を知っている可能性があるとみて調べる。
米海軍関係者によると、兵士はナイジェリア系で、横須賀基地を拠点とする第7艦隊のイージス巡洋艦「カウペンス」乗組員の1等兵。今月1日から基地に戻らず、米海軍犯罪捜査局が脱走兵として行方を追っていた。
県警などによると、米海軍犯罪捜査局が直接、兵士と連絡を取り、22日未明、五反田駅付近で身柄を確保し、横須賀基地に移したという。
捜査本部は近く、兵士への任意聴取を米側に要請し、高橋さん殺害に関与した疑いが強まれば、殺人容疑などで逮捕状を取るとみられる。
刺殺事件受け横須賀市教委 登下校時の注意指示
[東京新聞 2008年3月22日]横須賀市内で起きたタクシー運転手殺害事件を受け、横須賀市教委は21日朝、市内の小中学校や幼稚園などに登下校時の児童、生徒の安全に注意するよう文書で指示した。また、行方をくらましている在日米海軍横須賀基地所属の米兵が事件に関与した疑いが浮上していることから、県は同日、在日米海軍司令部に県警の捜査への全面的な協力を要請した。(斎藤裕仁、西尾玄司)
同市教委による児童・生徒らへの注意喚起は、凶悪な事件で犯人が逮捕されていないための措置。現場から500メートルと近くにある汐入小(上村公校長、児童113人)では、町内会やPTAの代表らが登下校時に児童らに付き添い、交通事故などから守る「見守り隊」の活動を自主的に強化した。教諭らも加わって普段より多くのボランティアを動員して児童の通学に目を光らせた。
現場から約1.5キロの距離にある常葉中(三縄保校長、生徒436人)でも、部活動を終えた生徒が集団下校を行い、教諭が周辺をパトロールした。
一方、同市は横須賀署からの要請にこたえ、市内の繁華街にあるスーパー防犯灯の防犯ビデオに記録された映像データを同署へ提供した。
スーパー防犯灯は、2年前に市内で起きた米兵による女性殺害事件をきっかけに導入された。24時間体制で設置場所周辺の街頭を映像で記録、監視するとともに事件などの通報もできる装置。犯行現場に近い京急汐入駅など8カ所に設置されている。
映像による街頭監視は、警察が行っているが、プライバシー保護のため、映像データの管理は市が行っており、捜査資料として使用する場合は、協定に基づいて警察が市に協力を求めることになっている。同署は映像も活用して犯人の割り出しを急いでいる。
県は同日夜、関根正明・基地対策課長が米海軍横須賀基地を訪れ、同司令部のニーマイヤ政務補佐官に捜査協力を要請した。ニーマイヤ政務補佐官は「全面的に協力する」と答えたという。
また、松沢成文知事は報道陣に対し、「もし逃げている米兵が容疑者で、基地の中にいたり、米軍側が拘束した場合は、すぐに日本側に身柄を移送してほしい」と話した。