夕方から雨が降り出したので、雨宿り…というわけではありませんが、渋谷で中国映画「トゥヤーの結婚」を見てきました。(今年4本目)
舞台は砂漠化のすすむ内モンゴル。トゥヤーは、夫バータルが井戸掘りの作業中に足を負傷したあと、家族の生活と家畜の面倒を見てきた。しかし、働き者の彼女も腰を痛めてしまい、このままでは家族全員が路頭に迷うことになる…。そこで彼女が選んだ道は、バータルと離婚し、バータルの面倒を見てくれる男性と再婚する、というものだった。トゥヤーのもとには求婚者が次々と現われるが…。
まず主人公トゥヤー役を演じたユー・ナンが美しい。コン・リー、チャン・ツィイーに続く中国出身の国際派女優の呼び声が高いが、この映画では、いつもスカーフで髪を覆い、厚いコートを着込んで、もちろんスッピンで、しっかり日焼けしています。それでも、トゥヤーは美しい。それがとても印象に残る作品でした。
それから、トゥヤーに何かとかまってくる近所(といっても、内モンゴル基準でのお隣さんですが)の男センゲーが、これまた憎めないキャラ。そして、トゥヤーのことを思いやる夫バータル。この2人は、ホントにモンゴルの遊牧民で、どちらも偶然監督と出会って、この映画に出演することになったそうです。しかし、2人とも“いい味”出してます。(^_^;)
トゥヤーたちの子ども、とくに息子のザヤが、幼いなりに一生懸命に母親を助けようとするところが、健気というか、ほほえましかったです。
そして、砂漠化が進行しつつあるとはいえ、やっぱり内モンゴルの自然の美しさ。羊たちを、ラクダに乗って追っていく様子は、――実際にはとても厳しいものなんだろうけれど――、見ていてほっとする安心感がありました。
映画『トゥヤーの結婚』 公式サイト ?Tuya’s Marriage?
【作品情報】
監督:ワン・チュアンアン(王全安)/脚本:ルー・ウェイ/撮影:ルッツ・ライテマイヤー/出演:ユー・ナン(トゥヤー)、バータル(バータル)、センゲー(センゲー)/2006年 中国