雑誌『経済』5月号が出ました。ヽ(^o^)/
1冊丸ごと、「マルクスの経済学のすすめ」の大特集です。なんで「マルクス経済学のすすめ」でなく「マルクスの経済学のすすめ」なのかは分かりませんが… (^_^;)
さっそくパラパラと読んでみました。私のようなロートルには、石川康宏大先生と学生たちの座談会「大学生活と学び」が面白かったです。いまどきの学生さんたちが、どういうところからマルクスに関心をもつのか、あるいは、マルクスのどこに魅力を感じるのか、ということが分かって、とても新鮮でした。
もちろん、マルクス経済学の生命力という点では私たちの世代と共通していますが、やっぱり、関心の持ち方も、マルクスへの入り方も違っています。それが分かるので、とても参考になります。大事な問題なので、この座談会だけでなく、もっといろんな角度から探究していってほしいと思います。
巻頭の金子ハルオ先生の「『資本論』の魅力を語る」も読み応えがありました。企画の意図としては、初めてマルクス経済学に接する人に、その魅力をつたえたいというものだと思うのですが、正直、内容ぎっしりで、初学者にはちょっと難しいかも知れません。しかし、マルクスの経済学の骨太さが真正面から論じられていて、あらためてマルクス経済学の基本的な性格をとらえ直すことができました。さすが、金子先生!!
それから「現代の社会問題と経済学」の4論文。いずれも力作揃い。とくに、上瀧真生氏の「世界をつかむ―マルクス経済学を学ぶ」は、マルクスの経済学が狭い意味での経済学にとどまらず、文字通り「世界をつかむ」スケールの大きな理論だということをどど??んと取り上げています。また、相澤幸悦氏の「投機社会と経済学の課題」は、いま経済学の学習会でもよく質問の出される「投機」っていったい何? という問題に、マルクスのそもそも論的なところから説き起こして、なおかつ現代的な問題まで論じていて、非常に分かりやすい。「投機ってなに?」という人に、ぜひお薦めです。
「今、僕たちは『蟹工船』の中にいる――若者が読んだ小林多喜二」も、若者の実態が伝わってきて面白い企画でした。階級とか、階級闘争とかが、ひょっとすると、今の若者にはリアルにとらえられているのかも知れません。
表紙のイラストも目立ってます。個人的な好みをいえば、特集タイトル「マルクスの経済学のすすめ」の文字を赤くしてほしかったな、と思いますが。全部、墨では地味すぎます… (^_^;)
ということで、マルクス経済学をすでに勉強中の人にも、これから勉強してみたいと思っている人にも、お薦めな一冊です。
編集部のみなさん、ご苦労さまでした。m(_’_)m 大ヒットになることを期待しております。
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新日本出版社 月刊誌「経済」
【雑誌情報】
雑誌『経済』2008年5月号/発行:新日本出版社/雑誌コード03509-5/定価:980円(税込み)
gaku様
いつよりも(?)あたたかいご支援のお言葉に感謝いたします。今回の特集は、『経済』としては、かなり新しい試みを盛り込んでいると考えています。それが成功しているか、否かは、読者の方の反応を待つしかありませんが。
やはり、マルクスを知らない方にもとどく論じ方になっていなければ、理論の確かさは、半分しか成功していないことになるのではないか。
今後の号への重い課題でもあると思います。
ひきつづき、ご意見いただければ幸いです。
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