日本学生支援機構の調査で、学生の生活費が前回比で5万円減っていることが判明。
食費19万800円というのは、自宅生を含む平均額。そこで下宿・アパート暮らしの学生だけの数字を調べると、食費は年間で28万8100円。ということは1カ月で約2万4000円、1日800円という計算になります。1日3食で800円というのは、なかなかシビアな数字です。
大学生調査:生活費はピーク時より21万円減 06年度(毎日新聞)
日本学生支援機構の調査結果は↓こちら。
2006年度学生生活調査結果-JASSO
下宿・アパートと学生寮(いずれも国立大)の場合を比べると、実家からの仕送り額は、138万9700円vs76万1300円。半分とまではいかないものの、年間60万円(月5万円)以上、実家の負担が軽くなっています。その理由の大部分は、住居費。下宿・アパートの場合、年間52万9400円なのにたいして、学生寮は12万8200円で、ほぼ40万円も少なくてすんでいます。
やっぱり、実家が苦しいとき、大学進学にとって学生寮の存在は大きいようです。
ちなみに、オイラも大学6年間は学生寮暮らし。いまから30年前とはいえ、実家からの仕送りは月1万5000円。これに奨学金(2万3000円だったかな)+バイト(家庭教師で2?3万円)で、何とか暮らせたのは、学生寮のおかげです。大学院受験のために留年していた2年間は、実家からの仕送りなし、奨学金なし。塾と家庭教師かけもちで週5日バイトして、どうにかこうにか食いつなぎましたが、大学院に合格してからは入学金をかせぐために日中も某出版社でアルバイトして、ほんとテンテコ舞いでした。授業料はほとんど減免になっていても、こんな状態でしたから、いまの学生はもっと大変だろうと思います。
大学生調査:生活費はピーク時より21万円減 06年度
[毎日新聞 2008年4月14日 21時16分(最終更新 4月14日 21時48分)]独立行政法人・日本学生支援機構が行った「06年度学生生活調査」によると、大学生が飲食や娯楽などに使った1年間(05年12月?06年11月)の生活費は平均72万3800円で、ピーク時の00年度より21万3000円も減り、88年度と同水準になったことが分かった。一方で支出全体に占める学費の割合は61.8%と過去最高を記録。親の収入が伸びない中、懸命にやりくりする現代の学生の姿が浮かびあがった。
調査は68年度から2年に1回実施。今回は全国の国公私立大と大学院、短大に通う計3万3180人を対象にした。このうち大学生(昼間部)は9588人から回答があった。
大学生の生活費は6年連続で減少し、前回(04年度)比で約5万円の減だった。これに対し、学費と生活費を合わせた全支出は189万5100円で前回比2.4%の減だった。
生活費の内訳をみると、娯楽・し好費が13万3800円、食費は19万800円と、どちらもここ28年間で最も少なかった。一方、年間の学費は平均117万1300円(国立大65万4100円、私大132万3200円)で過去最高を更新した。【加藤隆寛】
詳しく資料を見ると、いろいろ分かってきます。
学費は、国立大50万5,700円、公立大51万800円、私立大90万400円。平均で81万800円ということですが、国立大の場合、学費はだいたい同じはずですが、学生寮の場合47万1,900円と、3万円ほど安くなっています。ということは、この平均値には、授業料減免の人も含まれているということ。いまは国立大でも学費60万円の時代です。
さらに、↓実家の年収階層別の学生数。いまや国立大でも、実家の平均年収は792万円。サラリーマンの平均給与は435万円(国税庁「民間給与実態統計調査」2006年)、国民全体での世帯平均所得は563.8万円(厚生労働省「国民生活基礎調査」2005年)なので、実際問題として、貧乏人は大学に行けなくなっている、ということです。