エクアドルは外国軍基地を拒絶する

少々古くなってしまいましたが、今月1日、エクアドルの憲法制定議会が、外国の軍事基地や外国軍の駐留を認めないとする条項を賛成多数で可決。憲法草案は、今年後半に国民投票にかけられて最終決定されます。

これをうけて、米軍は早くもエクアドル国内の基地を、隣国のコロンビアに移転させる可能性に言及しています。

エクアドル、米軍の駐留拒否へ 制憲議会が改憲案承認(朝日新聞)
エクアドルの米軍基地機能/コロンビアに移転も(しんぶん赤旗)

ちなみに、その条文は次のようなものだそうです(「平和新聞」4月15日付による)。

 エクアドルは平和の領土である。いかなる外国の軍事基地も、あるいは軍事を目的とした施設も設置されてはならない。国のいかなる軍事基地も外国の軍隊あるいは外国の治安部隊に供してはならない。

エクアドルの憲法制定議会は、コレア大統領の提案に、野党が多数を占めた議会の反対で混乱しましたが、昨年4月に国民投票を実施、80%以上が賛成して設置が決定。9月に選挙が行われ、11月にスタートしました。

エクアドル、米軍の駐留拒否へ 制憲議会が改憲案承認
[asahi.com 2008年04月04日12時16分]

 【サンパウロ=石田博士】エクアドルの制憲議会は1日、外国軍の基地設置や駐留を認めないとする改憲案を承認した。同国では米軍が99年から10年の契約で太平洋岸マンタ基地に駐留しており、09年に期限が切れる。左派のコレア大統領は以前から、米軍の使用権延長を認めない意向を示してきた。今年後半にも予定される国民投票で是非を問うが、大統領の支持率の高さなどからみて承認される可能性が高い。
 ロイター通信によると、制憲議会はこの日、国家の主権や領土に関する五つの条項について承認した。
 米軍はマンタ基地を隣国コロンビアの左翼ゲリラ、コロンビア革命軍(FARC)鎮圧作戦の拠点として使用してきた。大統領は、米軍の撤退を実現した後、物流の拠点となる国際空港として拡張、整備したいとしている。

エクアドルの米軍基地機能 コロンビアに移転も
[2008年4月13日 しんぶん赤旗]

 【メキシコ市=島田峰隆】ウィリアム・ブラウンフィールド駐コロンビア米国大使はこのほど、エクアドル西部マンタの米軍基地の機能を隣国コロンビアに移転する可能性を検討していることを明らかにしました。
 11日の英BBC放送によると、同大使は、さまざまな選択肢を検討しているとしながら、「(マンタの基地機能を)コロンビアの太平洋側のどこかの地点に置く可能性について同国政府と話し合っている」と述べました。
 マンタの基地の貸与協定は2009年秋に期限切れを迎えますが、エクアドルのコレア大統領は更新を拒否しています。同国の制憲議会は1日、外国軍基地を国内に置くことを禁止する新憲法条項を可決。今年の国民投票で承認されれば、貸与協定更新はほぼ不可能になります。

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