橋下大阪府知事が、全事業ゼロベースでの見直しとして、補助金の大幅カットを進めようとしているため、大阪センチュリー響が大ピンチに陥っています。小泉和裕音楽監督みずからが署名を呼びかけているほど。
都響も、石原バーバリアン知事の「全員解雇、期限付き契約楽団員に」という文化“破壊”行政のおかげで、すったもんだしました。その時はマスコミでも大きく取り上げられましたが、それに比べると、大阪の話は、東京ではあまり取り上げられていないようです。
お笑いとお好み焼きだけが大阪の文化ではありません。東京からも、応援を送りたいと思います。
↑などと書いたけれど、「応援」を送っているだけでいいのだろうか? 東京のクラシックファンも何かしないといけないんじゃないか…、などと思ってるのですが、何ができるんでしょう?
↑と、書きましたが、「大阪センチュリー交響楽団を応援する会」が署名を呼びかけています。インターネットでも署名用紙はダウンロードできますので、ぜひみなさん、署名にご協力を。
在阪楽団への運営補助金を大幅削減 橋下行革(MSN産経ニュース)
大阪センチュリー響が署名活動 補助金廃止で存亡の危機(朝日新聞)
ブーニン:「大阪センチュリー響」存続訴え橋下知事に文書
交響楽団存続へ、有栖川有栖さんら署名提出(MSN産経ニュース)
財政再建か文化振興か/楽団員、存続求め署名活動 大阪センチュリー(読売新聞)
在阪楽団への運営補助金を大幅削減 橋下行革
[MSN産経ニュース 2008.4.9 13:29]国内オーケストラの草分け大阪フィルハーモニー交響楽団(大阪市西成区)と、大阪センチュリー交響楽団(大阪府豊中市)に対する大阪府の今年度の補助金が、いずれも削減されていたことが9日、分かった。関西フィルハーモニー管弦楽団(大阪市港区)と、大阪シンフォニカー交響楽団(堺市堺区)への補助金も予算化が見送られ、復活は不透明。在阪4楽団をめぐっては一昨年、財界トップが「4つを1つにしては」と発言して物議を醸したが、補助金大幅カットの流れは決定的で楽団統合の議論が再燃しそうだ。
大阪府は今年度、橋下徹知事の指示で暫定予算を組み、7月までに全事業をゼロベースで見直して本予算を編成するが、削減の方針決定が明らかになった事業は今回が初めて。
府文化課によると、大フィルには長年、府と大阪市、財界が約1億1000万円ずつ運営費を補助してきた。府は単独で9年度から減額を続け、20年度は前年度比500万円(7.4%)減の約6300万円。ただし運営に支障がでないよう、削減した通年予算の全額を暫定予算に計上した。
センチュリーは府主導で平成元年に設立され、財団法人大阪府文化振興財団が運営。19年度は年間予算約7億5000万円のうち約4億2000万円が府の補助金が占め、府への依存度が最も高い。
財団への補助金はこの3年間で計約4500万円カットしてきたが、20年度は単年度で約3000万円(7.1%)減の約3億9000万円に。暫定予算では4?7月分の約1億3000万円を計上した。
大手企業がスポンサーになっている関フィルと、シンフォニカーには毎年100?150万円を補助してきた。20年度は「全事業費ゼロベース見直しの」の知事方針に従い、暫定予算には盛り込んでいない。
在阪4楽団をめぐっては18年4月、行政の財政難や経済の低迷を背景に、関経連の秋山喜久会長が統合を提案したが、「大阪の文化をないがしろにしている」などと批判が続出。4楽団の理事長は昨年7月に会談し、互いの個性を尊重し共存することで合意した。
それでもセンチュリーの場合、14年度から給与10%のカットと昇級をストップし、平均年収は44歳で約500万円。年10回の定期演奏会のほか、1回230万円の収入となる依頼公演などを年70回こなしながら協賛企業を募ることで、19年度は事業収入を前年比約40%増やし、運営費に占める補助金の割合を52%まで低下させた。
府文化振興財団は「財政難の下で補助金カットは仕方がない。楽員はヘトヘトだが、今後も府への依存度を下げる努力を続けていくしかない」としている。
大阪センチュリー響が署名活動 補助金廃止で存亡の危機
[asahi.com 2008年04月14日]大阪府の財政再建を進める橋下徹知事直轄の改革プロジェクトチーム(PT)から、補助金の全額廃止を提示された大阪センチュリー交響楽団は14日、ザ・シンフォニーホール(大阪市北区)であった定期演奏会で、ファンらから存続を求める署名を集めた。
終演後には指揮を終えたばかりの小泉和裕音楽監督がロビーで「創立から19年でようやく育ってきた芽を摘んでほしくはない。知事に持って行こうと思うので、署名をよろしくお願いします」と協力を呼び掛けた。この日は、ファンが持参した分も合わせて約2千人の署名が集まった。
同楽団は総事業費の5割を府からの補助金でまかなっており、改革PTは「府への依存度が高い」と指摘。運営する府文化振興財団への年間3億9千万円の補助金を09年度から廃止し、自立化を図ることが示されている。
ブーニン:「大阪センチュリー響」存続訴え橋下知事に文書
[毎日新聞 2008年4月17日]大阪府の改革プロジェクトチームの「財政再建プログラム試案」(PT案)で、補助金廃止により存続が困難になる大阪センチュリー交響楽団に対して、ピアニストのスタニスラフ・ブーニンさん(41)=ドイツ在住=が、楽団の存続を訴える文書を17日にも橋下徹知事に送る。
ブーニンさんは昨年10月、大阪市北区のザ・シンフォニーホールで、センチュリーと共演したことがあり、毎日新聞の報道でセンチュリーの問題を知った。文書はA4判1枚。妻栄子さんが日本語に訳し、「21世紀は心の豊かさが叫ばれて久しいですが、人々にゆとりと潤い、生きる喜びや力を与えてくれる音楽……一朝一夕に成就しないこの魔法の灯を、どうぞひと吹きで消してしまわないで」と訴えている。【出水奈美】
交響楽団存続へ、有栖川有栖さんら署名提出
[MSN産経ニュース 2008.4.18 23:41]大阪府の橋下徹知事直轄の改革プロジェクトチーム(PT)が財政再建プログラム試案で、補助金廃止の方針を示した「府文化振興財団」が運営する大阪センチュリー交響楽団について、作家の有栖川有栖さんら関西の文化人らでつくる「大阪センチュリー交響楽団を応援する会」が、補助金継続を求める約7万5000人分の署名を集め、18日、橋下知事に提出した。
この日、有栖川さんと講談師の旭堂南陵さんが府を訪問し、署名を提出した。
有栖川さんは「大阪は文化不毛の地といわれがち。文化関連の予算を削ることは、将来に負担を先送りすること。橋下知事が『厳しい財政状況だが、文化を守る』と言えば大阪の印象は変わり、府民も勇気づけられる」と話した。
また南陵さんは「センチュリーの補助金を打ち切るということは大阪の潤いをなくすこと。府が支援を切ると、府民は不信感を抱く」と憤った。
同楽団は、平成元年に府主導で設立。補助金への依存度は高く、年々減少しているが、19年度も8億円の予算のうち約4億2000万円と半分以上を占めた。
試案では、同財団に対し、今年度から補助金を廃止し、自立化することを提案している。補助金が廃止されれば、楽団運営が事実上不可能になることから、有栖川さんらが発起人となり「応援する会」を設立し、署名活動を行っていた。
財政再建か文化振興か/楽団員、存続求め署名活動 大阪センチュリー
[2008年4月20日 読売新聞]財政再建を改革の旗印に掲げる橋下徹知事に、府の文化政策の担い手が反発を強めている。知事直轄のプロジェクトチーム(PT)が、補助金の廃止案を示した大阪センチュリー交響楽団(豊中市)の楽団員は19日のコンサート終了後、廃止撤回を求める署名活動を展開。児童文学に関する施設にも存続を求める署名が集まっており、財政再建か文化振興かの論争はさらに活発化しそうだ。
19日夕、大阪市北区のザ・シンフォニーホール。演奏を終え、大きな拍手を浴びた同楽団の楽団員は聴衆に先回りして、ホール玄関に集まった。「署名をお願いします」。呼びかけに応じ、約700人がペンをとった。
同楽団は府が1989年に創設。楽団員51人。平均年齢45歳で、月額給与は交通費も含めて27万円だ。廃止方針が打ち出された補助金約4億円は楽団収入の半分を占め、実行されれば事実上、解散を迫られる。
コントラバス奏者の内藤謙一さん(46)は「採算ベースに乗らない音楽活動で、府民の文化向上に貢献してきたのに……」と戸惑いを隠せない。
府内の小中学生に楽団の楽器を弾いてもらう「タッチ・ジ・オーケストラ」。2003年度から始まり、延べ59小中学校、5200人余りが参加した。
〈楽器にさわれてドキドキワクワクでした〉〈CDを聴くより、すごかった〉
楽団員の元には感想文が毎年届く。「感動と興奮が伝わり、心を動かされる」と内藤さんは言う。
「目に見えない価値を大事にしてほしい」
推理作家の有栖川有栖さん(48)らは18日、府庁で緊急記者会見を開き、1週間余りで集めた楽団存続を求める約7万5900人分の署名を知事に提出した。同席した楽団の音楽監督、小泉和裕さん(58)は「知事の暴挙を許しては困る」と危機感をあらわにした。
PT案は、国際児童文学館(吹田市)を中央図書館(東大阪市)に統合する方針も示している。
梅花女子大の畠山兆子教授(59)は「移転案だと、蔵書を大幅に廃棄せざるを得なくなる。文化環境の悪化は子どもの心の荒廃を招く」と指摘。畠山教授らが3月下旬から募った移転反対署名は、3週間余りで3万8000人を超えている。