毎日新聞、共同通信の世論調査で、福田内閣の支持率がそろって20%を割り込んでしまいました。
毎日新聞世論調査:内閣支持18%まで下落 後期高齢者医療など「評価しない」7割(毎日新聞)
福田内閣支持急落19% 暫定税率再可決「不適切」72% 全国世論調査(西日本新聞)
毎日新聞世論調査:内閣支持18%まで下落 後期高齢者医療など「評価しない」7割
[毎日新聞 2008年5月3日 東京朝刊]◇後期高齢者医療、ガソリン税「評価しない」7割
毎日新聞は1、2両日、電話による全国世論調査を実施した。福田内閣の支持率は4月の前回調査比6ポイントダウンの18%で、昨年9月の政権発足以来の最低を更新した。4月からスタートした後期高齢者医療制度、ガソリン税などの暫定税率を復活させた改正租税特別措置法の再可決に対して「評価しない」との回答がそれぞれ77%、74%。二つの問題が政権を直撃している状況が浮かび上がった。(3面にクローズアップ、5面に関連記事と質問と回答)
◇政党支持は民主28%、自民20%
福田内閣の支持率は政権発足直後は57%だったが、昨年12月に33%まで下落した。その後は横ばいが続いたものの、前回調査で6ポイントダウンの24%となり、今回も下落傾向に歯止めがかからなかった。
一方、発足時には25%だった不支持率は毎回増加しており、今回も前回比4ポイント増の61%となった。「関心がない」との回答はほぼ横ばいの19%だった。
政党支持率は、自民党が前回比4ポイント減の20%。これに対し、民主党は6ポイント増の28%だった。民主が自民を上回ったのは昨年12月以来だが、この時は民主27%、自民26%と拮抗(きっこう)していた。8ポイント差は、参院選で民主党が大勝した直後の昨年8月の16ポイント差に次ぐもので、自民党にとって厳しい数字となった。
ただ、ガソリン税や日銀総裁人事をめぐって政府・与党と対決姿勢をとってきた民主党の対応は「評価しない」が51%にのぼり「評価する」の41%を上回った。世論は民主党に対しても厳しい目を向けており政府・与党に比べての消極的支持であることがうかがえた。
後期高齢者医療制度については「評価する」「評価しない」の二者択一で質問。「評価する」は17%にとどまっており、説明不足などから混乱が起きていることへの不信を示した。
改正租特法の再可決も同様に質問したところ「評価する」と答えた人は19%。暫定税率復活への賛否を尋ねた前回調査では「賛成」32%、「反対」64%だったことと比較すると、政府・与党の国会運営が批判を強めたことがうかがえる。【坂口裕彦】◇厳粛に受け止める――福田首相
福田康夫首相は2日夕、内閣支持率が2割を切ったことについて「まあ、厳粛に受け止めるということですね」とだけ述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。【塙和也】
福田内閣支持急落19% 暫定税率再可決「不適切」72% 全国世論調査
[2008/05/03付 西日本新聞朝刊 2008年5月3日 00:07]共同通信社が1、2の両日に実施した緊急電話世論調査で、福田内閣の支持率は19.8%と、4月の前回調査から6.8ポイント急落し発足以来最低を更新した。不支持率は66.6%で7.0ポイント増。支持率が20%を割り込んだのは2001年参院選を前に退陣した森内閣以来で、危機的水準となった。
ガソリンにかかる揮発油税の暫定税率復活や後期高齢者医療制度(長寿医療制度)に対する不満が影響したとみられ、政党別支持率も自民党の24.3%に対し民主党が30.3%と、昨年12月調査以来約5カ月ぶりに逆転。「民主党中心の政権」に代わる方がいいとの回答が過去最高の50.0%に上り、「自民党中心の政権」の26.7%の2倍近くに達した。
与党が衆院再可決で暫定税率を復活させたことに関しては「適切ではない」が72.0%で、「適切である」の21.4%を大きく上回った。
福田内閣を支持しない理由は「経済政策に期待が持てない」が26.6%で最多。「首相に指導力がない」25.7%、「税制改革に期待が持てない」11.6%が続いた。
民主党が検討する首相問責決議案提出に「賛成」は54.7%、「反対」は31.9%。可決した場合の首相の対応については「衆院解散、総選挙」が68.1%で、「辞めなくてよい」18.5%、「内閣総辞職すべきだ」8.4%を引き離した。
望ましい衆院解散、総選挙の時期は「7月のサミット後、今年後半」が41.7%、「今年前半」が17.2%で、60%近くが年内実施を求めた。
道路特定財源の09年度からの全額一般財源化を「評価する」は37.7%にとどまり、「評価しない」が53.6%だった。後期高齢者医療制度を「廃止すべきだ」は46.5%、「運用改善すればよい」は44.0%で、評価が割れた。
自民、民主両党以外の政党別支持率は、公明党3.6%、共産党3.7%、社民党1.6%、国民新党0.7%、新党日本は支持回答がなかった。「支持政党なし」は34.4%だった。
これだけ福田内閣の支持率が下がっているにもかかわらず、民主党は問責決議案の提出を先送り。なぜ? って思ってしまいますが、話は簡単。問責決議で解散へ追い込むという民主党の戦略に、道理も展望もないから。参院で問責決議を可決してしまえば、あとは、衆院で“寝ころぶ”しか民主党には残されていません。しかし、それが国民から批判されるのが、彼らには恐ろしいのです。「論戦で内閣を追い詰める」という立場のない民主党の悲しさです。
そのせいか、毎日新聞の調査では、福田首相と小沢代表とどちらが首相にふさわしいか?の質問に、63%が「どちらもふさわしくない」と回答しています。
早期の首相問責案提出、民主が見送りの公算(NIKKEI NET)
世論調査:首相にふさわしい福田氏14%、小沢氏18%(毎日新聞)
早期の首相問責案提出、民主が見送りの公算
[NIKKEI NET 2008/05/04 07:02]民主党内で福田康夫首相への問責決議案を巡り、参院への早期提出を見送る公算が大きくなった。与党が13日に道路特定財源を10年間維持する道路整備費財源特例法改正案を衆院で再可決した直後の提出を検討してきたが、「国会論戦を通じて政府・与党を追い込む方が得策だ」との意見が強まっている。民主党は連休明けにも後期高齢者医療制度の廃止法案を参院に再提出する方針だ。
山岡賢次国会対策委員長は3日、那覇市内で記者団に「内閣支持率を見ても既に事実上国民から問責を出されている。あえていま我々が出さなくてもいいんじゃないかという考え方もある」と述べ、問責決議の提出に改めて慎重姿勢を示した。
世論調査:首相にふさわしい福田氏14%、小沢氏18%
[毎日新聞 2008年5月3日 18時05分(最終更新 5月3日 18時15分)]1、2両日に実施した毎日新聞の全国世論調査(電話)で、福田康夫首相と民主党の小沢一郎代表のどちらが首相にふさわしいかを尋ねたところ、福田首相との回答は14%にとどまり、小沢氏の18%を4ポイント下回った。首相が20%、小沢氏が12%だった4月の前回調査と逆転した。「どちらもふさわしくない」との回答は63%で、引き続き高水準だった。
年代別に見ると、20代は首相23%、小沢氏15%、70代以上は首相24%、小沢氏19%で、首相が勝ったものの、他の年代はいずれも小沢氏が上回った。特に50代は小沢氏16%、首相8%、60代は小沢氏23%、首相15%と差が開いた。前回はいずれの年代も首相が小沢氏を抑えていた。
一方、次期衆院選で自民党と民主党のどちらに勝ってほしいかを問うたのに対し、自民党は前回比12ポイント減の24%、民主党は11ポイント増の51%となり、倍以上の差がついた。
昨年8月に開始したこの質問は今回で9回目。いずれも民主党が上回ってきたが、今回は自民党が過去最低、民主党が過去最高の数字となった。【高山祐】