オバマ氏の発言録

オバマ氏が民主党の大統領候補になる可能性が濃厚になってきたので、あらためてオバマ氏がどんな発言をしているのか、調べてみた。

イラクからの撤退論が注目されているが、オバマ氏のそれは、どうやら"アフガニスタン、パキスタンこそが問題だ、朝鮮半島有事に備える必要がある、だからイラクに大量の兵士を貼り付けておくのは間違いだ"というもののようです。

オバマ氏、朝鮮半島有事に言及(NIKKEI NET)
覇権漂流:第1部・きしむテロ戦線/5 「世代超えた戦い」あえぐ米(毎日新聞)

オバマ氏、朝鮮半島有事に言及
[2008/04/28 12:23]

 【ワシントン=丸谷浩史】米大統領選で民主党のトップを走るオバマ上院議員は27日のFOXテレビ番組で、イラク駐留米軍の撤退を求める理由の1つとして、米軍全体に人員的な余裕がなくなっており「現在、戦略的な予備部隊がないと懸念せざるを得ない」と表明した。その例として「朝鮮半島や世界のどこかで緊急事態が起きたら対応できる部隊がない」と朝鮮半島で緊急事態が発生する可能性に言及した。
 オバマ氏はイラク駐留米軍のペトレアス司令官が中央軍司令官に昇格したことについて「あなたが大統領になり、司令官がイラクからの即時撤退は間違いだと進言したら、司令官を交代させるか」との質問への回答で朝鮮半島有事の可能性に触れた。
 オバマ氏は「司令官の意見は尊重する」としながらも、最終的には「米軍最高司令官、大統領の仕事だ」と指摘。「アフガニスタンやパキスタンでの問題を考えれば、戦略的に決断しなければならない」と強調した。

覇権漂流:第1部・きしむテロ戦線/5 「世代超えた戦い」あえぐ米
[毎日新聞 2008年3月29日 東京朝刊]

◇次期政権も「戦略」見えず

 広大な草原が広がる米カンザス州中部の米陸軍フォートライリー駐屯地。アフガニスタンの村を再現した訓練施設で、米兵士がアフガン治安部隊の隊員31人とともに汗を流す。
 家宅捜索の方法や、路上爆弾の発見法、現地語習得など60日間、集中的な訓練が続く。演習を指揮するイングラム大佐は「最前線に派遣される兵士が、生き延びる方法を学ぶ」と話す。06年の開始以来、約8000人が、ここで訓練を積んだ。
 学ぶのは戦闘技術だけではない。アフガン人と寝食をともにし、直接、現地の状況や悲惨な体験談を聞くことで、「テロへの憎しみを共有、戦いの意義を認識する」(駐屯地幹部)場でもある。
 アフガン治安部隊のシャリフ曹長は「携行式ロケット弾に撃たれ片腕を失った父親の姿を忘れられない」と、アフガンの現状を米兵に語り、グラフマン中尉も「(国際テロ組織アルカイダ指導者)ウサマ・ビンラディン容疑者が生きている間は戦いが続く」と話し続けた。
 01年9月の米同時多発テロを機に始まった米国主導による対テロ戦争は、開戦から6年半が過ぎた。戦地に2回以上派遣された陸軍兵士は74%に達し、出口の見えない戦争にいら立ちが募る。

   ■   ■

 「破壊的なリーダーシップしか示していない」。カーター政権で大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を務めたブレジンスキー氏は、近著でこうブッシュ政権を批判した。
 「自由と民主主義の拡大」を掲げるイスラム過激派との戦いは、アラブ諸国の警戒感を誘発した。同時多発テロ直後は「怒れる米国」のもとに結集した国際社会も、イラクへの戦線拡大で亀裂が走った。「友好国を分断し、敵を結束させている」というのがブレジンスキー氏の分析だ。

   ■   ■

 米陸軍のゲリラ戦専門家ジョン・ナグル中佐は「対テロ戦争は40?50年続く、世代を超えた戦いになるだろう」と分析する。
 だが、ブッシュ政権は、確たる戦略や、ゲリラ戦の準備もなく、米同時多発テロの「報復」目的だけで戦争にひた走った。ブッシュ政権は09年1月に退任するが、その後を狙う大統領選の有力候補からは、「対症療法」を超す戦略は見えない。
 共和党のマケイン上院議員は基本的に現政権の路線を継承、「イラクの成功」をテコに米国の威信回復を目指す。
 一方、民主党指名争いを続けるバラク・オバマ、ヒラリー・クリントン両上院議員は、イラク戦争を「誤った戦争」と位置付け、早期撤退を打ち出すが、アフガンでの対テロ戦争は重視する。オバマ氏は「本当の主戦場はアフガン、パキスタンでの戦いだ」と強調、クリントン氏も同様の主張を展開する。
 ブッシュ政権が「長い戦争」と位置付ける対テロ戦争。その混迷は、冷戦後の世界戦略を定めきれず、世界のリーダーとしての役目を果たせない超大国・米国の漂流を浮き彫りにしている。【フォートライリー(米カンザス州中部)及川正也】=第1部おわり

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