死者4万人、倒壊家屋536万戸、被災民約1235万人

中国・四川大地震、発生から1週間をむかえたが、死者は4万人を超え、負傷者は24万人、倒壊家屋536万戸、損壊家屋2143万戸、被災民は1235万人にのぼっている。

阪神・淡路大震災のときは、死亡者は6437人。負傷者は4万4000人、倒壊家屋は全半壊25万棟、一部損壊39万棟、焼失家屋7500棟、避難した人は約30万人だった。四川大地震の被害が桁違いに大きいことがよく分かる。

死者4万人超え、倒壊家屋は536万戸に(読売新聞)
倒壊家屋536万戸、核施設の被災も 四川大地震(朝日新聞)

日本のメディアでは、いろいろと救援の遅れが指摘されているが、まず被害の大きさを考えてみる必要がある。

そんななか、今日の「日経」夕刊には、日本の物流会社「日陸」(東京・千代田)が現地法人のタンクローリー車を成都に派遣して、水不足となっている地域を回って給水活動をしているというニュースが載っていた。同社は、阪神大震災のときにも、被災地に6台の給水車を派遣したそうだ。一般家庭への給水だけでなく、大量の水を必要とする病院などに集中的に給水することも大切だ。こういう活動なら、まだまだやれるし、やるべきところがいっぱいあるはず。日本政府も、国際救助隊60名や医療チーム20名の派遣だけでなく、もっともっと“痒いところに手が届く”ような援助をすすめてほしい。

死者4万人超え、倒壊家屋は536万戸に
[2008年5月20日21時46分 読売新聞]

 【北京=佐伯聡士】中国の四川大地震から9日目の20日、中国政府は、地震の死者が四川省や甘粛省などすべての被災地で前日の発表より約6000人増えて4万75人に、負傷者が24万7645人に達したと発表した。
 地震で倒壊した家屋は約536万戸に上るという。被災地での余震は20日午後までに計6500回を超えた。今後も、余震と降雨が予想される中、救援活動に当たる政府・軍は「二次災害」への警戒を強めている。
 華僑向け通信社「中国新聞社」(電子版)は20日、マグニチュード(M)5・0の余震が同日未明に起きた四川省平武県で、山崩れにより家屋が損壊するなど大きな被害が出たと伝えた。19日に復旧したばかりの道路10キロもすべて寸断され、住民らは再び閉じこめられた状態にある。具体的な死傷者の状況は不明という。
 被災地では依然として物資の不足が深刻で、四川省当局者は20日の記者会見で、さらに300万張り以上のテントが必要なことを明らかにした。民政省当局者も同日、「500万人余りが帰る家がない」と語った。
 中央テレビによると、温家宝首相は20日午後、地震対策本部の会議を開き、5月30日から、被災地に毎日テント3万張りを運び込み、1か月で90万張りを増やすなど救援活動強化を決めた。
 また、中国共産党機関紙・人民日報(電子版)によると、衛生省は、感染症防止のため、25日までに、防疫担当者計2500人と衛生監督チーム1000人を被災地に増派するという。
 一方、李克強・筆頭副首相は20日、震源のブン川県に入り、救援状況を視察した。(ブン川県のブンはサンズイに「文」)

倒壊家屋536万戸、核施設の被災も 四川大地震
[asahi.com 2008年05月20日21時10分]

 【北京=西村大輔】新華社通信によると、中国の周生賢・環境保護相は20日、四川大地震で核施設が被災していたことを初めて明らかにした。「安全な状態」としているが、場所や放射性物質の種類は伝えられていない。民政省は大地震による倒壊家屋が約536万戸、損壊家屋は約2143万戸に上ると発表。これまでに確認された死者は4万人を超えた。
 周・環境保護相によると、民生用の放射性物質計32個が損壊した建物のがれきに埋もれていた。30個は専門家によってがれきから回収され、未回収の2個も場所を特定、「安全防護距離を定め、警戒線を設けた」という。
 四川省内の核関連施設をめぐって放射能漏れの懸念が広がっているが、震災から9日目で核施設の被災が判明したことで、政府の情報管理のあり方に批判が集まりそうだ。
 民政省によると、家屋の倒壊などで避難した被災民は約1235万人。政府は身寄りがなくなった子どもや老人、障害者に対し、3カ月間、毎月600元の補助を出すことを決めた。
 衛生省は全国から医療スタッフ計8450人と救急車577台を被災地に出動させ、中国赤十字はメンタルケアの専門家を派遣。各国の医療支援チームが派遣され、被災地では救助作業から生存者の医療支援に軸足が移り始めた。
 中国地震局によると、20日もマグニチュード(M)4?5の余震が3回発生。本震発生後、余震が約6500回を超え、M5以上は26回も起きている。22日にかけて被災地で暴風雨や雷雨があると予報しており、ダム決壊や土石流の発生が懸念されている。

↓こういう記事を読むと、対応が遅れているのは中国政府だけではないように思える。

中国・四川大地震:発生1週間 現地と連携、巡回診療――医療支援のAMDA/岡山(毎日新聞)

中国・四川大地震:発生1週間 現地と連携、巡回診療――医療支援のAMDA/岡山
[毎日新聞 2008年5月20日 地方版]

◇「私たちは見捨てていない」 被災地の要望を最重視――菅波代表が語る

 中国・四川大地震の発生から1週間を迎えた19日、被災地で緊急医療支援を実施しているAMDAグループ(岡山市)の菅波茂代表が毎日新聞の取材に応じ、「素早く現地に入れたことが良かった。これまで培ってきた人脈が生きたと思う」などと現地での活動を語った。【石戸諭】
 菅波代表によると、AMDAは雲南省大地震(96年)や四川省の雪害(同)での連携を生かし、現地の医師、看護師ら4人が被災地入りし、体育館などで診療にあたっている。AMDA台湾支部には中国で病院を経営する医師もおり、上海などの医師と連携し15人前後のチームで巡回診療を行っている。
 さらにカナダ在住の中国系医師や香港の小児科医、上海の医療スタッフも待機し、要望に応じて現地入りを検討しているという。また、本部職員も台湾チームと合流している。
 「現地ではダムが決壊するという情報が流れ、(被災地から)退去するように言われたり、既に医療スタッフがいる村に行ったりと、正確な情報が入っていない」という。菅波代表は「災害時に大切なのは現地の要望。皆が現地入りすればいいというものではない。現地の判断が一番大事だ」と話し、「救援活動で重要なのは、真っ先に『私たちは見捨てていない』とメッセージを送ること。これは岡山にいてもできる。留学生に声をかけたり、姉妹都市提携を結んでいたら、市長や議員が率先して『必要なことがあれば声をかけてくれ』と声を上げてほしい」と訴えた。

◇ミャンマー支援も

 また、この日はカード利用金額の一部をAMDAに寄付する「AMDAカード」を発行している全日信販が、84万6515円を寄付した。菅波代表は「ベストのタイミングでいただいた。ミャンマーや四川の緊急支援に役立てたい」と語った。

◇被災者の支援訴え 中国人留学生、岡山大で募金活動

 一方、岡山市津島中1の岡山大に通う中国人留学生ら約10人が19日、同大の食堂前で被災地に贈る募金活動を行った。留学生団体「岡山県中国人留学生学友会」が県内の各大学に呼びかけた。
 岡山大には現在396人の中国人留学生が在籍し、全留学生の約65%を占める。正午から約1時間、募金箱を抱えながら「募金をお願いします」と留学生が呼びかけると、昼食で集まった学生らが次々と募金に応じた。
 また、大地震で2000人以上の死者が確認されている四川省広元市出身で教育学部研究生の張莉(チャンリー)さん(24)は「家族や友人は無事だったけど、自分が通った青川県の中学校は崩壊した。時間が許す限り募金活動を続けたい」と力を込めた。
 法学部4年生の板東孝法さんは「テレビで被災者の姿を見て大変だなと感じていた。募金なら岡山からでも役立てる」と話した。
 募金は中国総領事館(大阪市)を通じて「中国教育発展基金会」に全額贈られ、大地震で被害が深刻な小中学校の校舎再建などに充てられるという。
 募金活動は23日まで岡山大、岡山理科大、山陽女子短大などで行われる。【松井豊】

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