小泉和裕氏のレジデント・コンダクター就任披露公演ということで、月曜日、上野の東京文化会館で都響の定期演奏会を聴いてきました(今年19回目のコンサート)。
- リスト:ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調 S.124
- ブルックナー:交響曲第3番 ニ短調 “ワーグナー” 1888/89ノヴァーク版第3稿
ソリストは、ドイツ生まれのアリス=紗良・オットさん。
1曲目のソリスト、アリス=紗良・オットさんは、1988年生まれ。ということは、まだ20歳。う〜ん、若い。それに、なかなかの美形。(^_^;) しかし、実力はなかなか。リストが「オレはこんなに上手いんだぞ〜」と自慢するためにつくった超絶技巧曲を、ばっしん、ばっしん、見事に演奏されておりました。しかし、演奏が終わったあとは、拍手大喝采で何度も舞台に呼び戻され、いささか面食らったかのようにぎこちなくお辞儀をしていたのが、ういういしくもありました。
休憩をはさんで、後半は、ブル3“ワーグナー”。ワーグナーに献呈した作品でありながら、第1稿はウィーン・フィルに「演奏不可能」といって断られ、改稿してようやくこぎ着けた初演は惨憺たる結果に終わり、3度目の改稿で、ようやく日の目を見たという、曰く付きの作品です。
小泉氏の演奏は、速めのテンポのように思いました。第1楽章が約19分? といったところでしたが、ノヴァーク版といいつつ、譜面をいじったりすれば時間もかわってきてしまうので、演奏時間だけからはテンポを云々できません。でも、僕がもっている朝比奈隆氏のCD(大フィル、1993年演奏、ポニーキャニオン)より早かったのは確かです。←当たり前だけど (^_^;)
そして、割合と音楽の全体がよく見渡せる感じの、しっかりした演奏でした。楽器編成は弦が16-14-12-10-8、管はホルン4とトランペット3のところがそれぞれ+1になっていました。先週のショスタコ・チェロ協1番では、少々よれっていたホルンも、今日は大健闘でした。
演奏会終了後は、しっかりと“記念品”をいただいて帰ってきました。(モノは、インバルのときと同じ。紙筒製のボールペンと小泉氏のメッセージの印刷されたフォトカード)