「和民」、アルバイト217人に未払い賃金1200万円を支払う

居酒屋「和民」は、アルバイトの労働時間30分未満を切り捨てていたことにたいして労働基準監督署の是正勧告を受け、217人に未払い賃金1200万円を支払った。

外食産業では、労働時間は30分ごとに記録するということが“慣習”としてやられていたこともありますが、こんな“慣習”は法律違反です。すでに2005年にマクドナルドが労基署から是正勧告を受けていました。

それ以上に許されないのは、バイトの青年がそのことを労基署に訴えたら、「労基署に行くような人は企業にとってリスク」として退職を強要したこと。違法なことがあったときに労基署に訴えるのは、労働者に認められた権利。労基法でも、それを理由にして労働者に不利益を及ぼしてはならない、と定められています。

「和民」で賃金未払い 217人に1200万円支払う(朝日新聞)

「和民」で賃金未払い 217人に1200万円支払う
[asahi.com 2008年06月01日03時03分]

 「ワタミ」(東京)のグループ会社で、居酒屋「和民」などを全国展開する外食大手「ワタミフードサービス」(同)がアルバイト店員の勤務時間を一部切り捨てていたとして北大阪労働基準監督署の是正勧告を受け、217人に計約1200万円の未払い賃金を支払った。一方で元店員の20代の男性が「内部告発への報復で解雇された」として、同社に慰謝料など約450万円の損害賠償を求める訴訟を2日にも大阪地裁に起こす考えだ。
 ワタミによると、ワタミフードサービスは大阪府北部2店でアルバイト店員の勤務時間を1分単位で記録せずに30分単位などで端数を切り捨て、賃金の一部が未払いだとして06年秋に勧告を受けた。同労基署管内のほかの4店でも同様の事態が判明。同社は60人に計約400万円を支給した。
 同社は昨年2月、全国400店余りのアルバイト店員約1万2千人を対象に内部調査。北海道・東北2店▽関東15店▽東海2店▽近畿20店▽中国2店の計41店で切り捨てが判明し、157人に計約800万円を支払った。ワタミの広報担当者は「労働時間の切り捨てはあってはならず、徹底できていない店があった。全国の店舗ですでに改めた」としている。
 提訴を予定している男性によると、労基署への通報は06年7月で、同9月に解雇された。ワタミフードサービスの社員から「労基署に行くような人は企業にとってリスク」と退職を迫られたと主張。これに対してワタミ側は「元店員の解雇理由は個人情報のため明らかにできないが、提訴されれば、訴状を見て対応を検討する」と話している。

労働基準法には、次のように定められています。

 第104条 事業場に、この法律又はこの法律に基いて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。
 2 使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない。

第104条に違反した場合は、「6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金」に処せられます。(同第119条

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください