四川大地震の救援に行っていた日本の国際緊急援助医療チームが帰国。
2週間の活動、本当にご苦労さまでした。しかし、まだまだ医療援助を必要とする人たちもいるのではないでしょうか? もちろん、緊急援助チームだけでいつまでも援助を続けるというのは不可能でしょうが、たとえばドイツチームは、3カ月にわたってノウハウを伝授し、施設も引き継ぐそうです。
日本も、別の形で医療支援チームをつくり、息の長い支援をすることなども考えてよいのではないでしょうか。
四川大地震:医療チームが帰国…成田空港で解団式(毎日新聞)
独テント病院 被災地に開院 四川大地震 120人収容可ICUも完備 運営伝授後、引き渡し(東京新聞)
四川大地震:医療チームが帰国…成田空港で解団式
毎日新聞 2008年6月2日 22時52分(最終更新 6月2日 23時06分)中国・四川大地震で政府が派遣した国際緊急援助隊医療チーム(田尻和宏団長)23人が2日、四川省成都市から北京を経由し、成田国際空港に帰国した。
田尻団長のほか、医師4人、看護師7人、薬剤師1人、医療調整員5人、業務調整員5人。チームは5月20日、医療用機材5トンと共にチャーター機で成田空港を出発し、成都市へ直行。22日から同市内の四川大学華西病院で活動した。
病院敷地内にテントを設営し、緊急外来や人工透析などの患者を受け入れ。がれきなどで長時間、身体が圧迫されることで起こる「クラッシュ症候群」など中国側には未知の症例にも対応した。6月1日までの活動期間に治療や看護を行った被災者は延べ約1000人という。
空港ロビーでは在日中国人約20人が出迎え、「ありがとう」の言葉と共に、チームに花束を渡した。空港内であった解団式に参加した中国の崔天凱駐日大使は「皆さんの活動は中日友好の大きな記憶となるでしょう」と感謝した。活動報告で田尻団長は「患者さんの家族からの感謝の言葉が喜びや励みになった。中国側との情報交換を通じて日中の災害時の協力体制を作ることができたと思う」と感想を述べた。【黒川将光】
独テント病院 被災地に開院 四川大地震 120人収容可ICUも完備 運営伝授後、引き渡し
[東京新聞 2008年5月30日 夕刊]【都江堰(中国四川省)=池田実】中国・四川大地震の被災地、都江堰(とこうえん)市に、テント病院がオープンした。ドイツと中国が共同で運営しているもので、日本とは違った医療支援を展開している。
被災者らが路上で自家製テントを作り生活している地域に、「中独赤十字会野戦病院」という赤い横断幕が掲げられている。入り口では診察を待つ市民らが列をつくっていた。
20張りほどの白いテントが並び、それぞれ内科、産婦人科、外科などの看板が掲げられている。集中治療室(ICU)や分娩(ぶんべん)室、エックス線室、手術専用のテントも。80人が入院できる“病棟”もあり、「総合病院と同等の機能がある」と中国人スタッフは胸を張る。施設は拡張を続けており、最終的には120人の入院が可能になるという。
設備はすべてドイツの医療チームが持ち込んだもので、今月23日に現地に到着後、三日間で開設した。ドイツ人11人のほか、病院が倒壊し、職場を失った中国人の医師や看護師約150人が治療にあたっている。
市民からは「病院が倒壊したので、本当にありがたい」と感謝の声が上がる。ドイツ人は運営ノウハウを3カ月かけて伝授し、その後施設は中国側に引き渡すという。
医療チームはドイツ、日本のほか、ロシア、イタリア、キューバなど10カ国272人が被災地に入り、活動している。
他方、兵庫県のテントは、ようやく中国・四川に出発。被災の大きさに比べれば、400張りは微々たるものです。また現地は、すでに仮設住宅の建設など、より長期の態勢に移りつつあります。それでも、このテントが本当に困っている被災者の役に立ちますように。
日本の支援物資、四川向け出発 テント400張り成都へ(NIKKEI NET)
日本の支援物資、四川向け出発 テント400張り成都へ
[NIKKEI NET 2008/06/02 23:01]政府は2日夜、中国で起きた四川大地震で住居を失った被災者を支援するため、400張りのテントを民間チャーター機で関西国際空港から中国に送った。被災地に近い四川省の成都に同日中に到着する。テントは愛知県と兵庫県が200張りずつ無償で提供した。すでに提供を表明している内閣府と防衛省・自衛隊所有の700張りも準備が整い次第、中国に運ぶ。
先週末に発表した最大5億円相当の緊急物資支援の第1弾。政府はこのほか、内閣府の国際平和協力本部事務局が所有する700張りと防衛省・自衛隊の百張りの空輸を用意している。
総務省によると、自治体では愛知・兵庫両県が今回提供した分のほかに、約700張りのテントを備蓄している。同省は各自治体や関連省庁と協議し、中国に追加で送る数量を決めたい考えだ。
日本の土木学会など5学会は、すでに長期的な視野で、中国の復興への支援・協力を始めています。事態は、毛布だテントだ人命救出だという緊急支援の段階から、より長期的な支援、さらに復興に移りつつあります。それにたいして、日本はどんな援助・協力をしてゆくのか。それを考える時期にきているのかも知れません。
中国・四川に「耐震技術センター」開設へ(TBS News-i)
中国・四川に「耐震技術センター」開設へ
[TBS News-i 2008年5月31日 23:28 最終更新:2008年6月1日 6時42分]中国・四川省の大地震を受けて、地元の大学が日本の協力のもと、建物の耐震性を専門に研究する「耐震技術センター」を開設することになりました。
この「耐震技術センター」は、成都市内にある西南交通大学に設置されます。費用は中国側の負担ですが、耐震技術については、今回被災地を視察した日本の土木学会など5つの学術団体の専門家が全面的に支援します。この件を含めた日中の技術交流について、31日、日本の専門家チームと大学側が覚書を交わしました。
「日本の専門家と共に、中国の、そして世界の耐震技術を向上させたい」(西南交通大学 陳春陽 学長)
四川省大地震では、建物の耐震性の低さから被害が拡大し、中国では、数多くの震災を経験した日本の技術に学ぶべきだという声が高まっていました。