今日の「読売新聞」夕刊に、ふたたび『蟹工船』登場!! 「本・よみうり堂」の「ベストセラー怪読」というコーナーで、千野帽子さんが、「アジテーションだけじゃない」と題して、『蟹工船』を取り上げています。
その最後に、「104刷138万部」と書かれていました。つまり、新潮文庫『蟹工船・党生活者』は104刷、延べ発行部数が138万部になったということです。オイラが買ったときは、2008年5月15日付で第97刷でしたから、1カ月ほどで7回も増刷されたことになります。すご?い (*_*;
この記事の中では、プロレタリア文学について、こんなことも書かれていました。
プロレタリア文学というとなんだか重く貧乏臭い先入観を持ってしまいますが、本書や葉山嘉樹……を読むと、それが偏見であることが分かります。
さらに、小林多喜二については、こんなふうな紹介も登場します。
作者〔小林多喜二〕は映画やモダニズム文学にも通じたモダンボーイだったと言われますし、小樽高商の後輩・伊藤整が『若い詩人の肖像』で回想しているように、若き日には早熟でブリリアントな文学少年でした。そのせいか文体の切れ味がよく、場面処理も洗練されていて、小説としての技術点が高い。政治的立場がまるで違う吉田健一すら、後年この小説を高く評価しています。
実際、『蟹工船』を読んでみると、たんに描かれている対象が今日の「ワーキングプア」「日雇い派遣」の実情と愛通じるものがあるというだけでなくて、船室を「糞壷」なんて呼んでしまう多喜二の文章の圧倒的な迫力も、若者をひきつける魅力になっているのではないでしょうか。
ちなみに、↓こちらのブログ(共産党長崎市議の中西あつのぶさんのブログ)によれば、6月10日付で100刷だったそうです。1週間で増刷4刷…。ほんとにすごいテンポです。
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