複雑怪奇 副都心線のダイヤ乱れ

14日の開業以来17日まで4日連続でダイヤ乱れを起こした東京メトロ副都心線ですが、21日にもまたダイヤ乱れが発生。

どうしてそうなるのか、いろいろ新聞でも取り上げられていましたが、一番分かりやすかったのは読売新聞のこの記事↓。

乗り入れ、まるで迷路…混乱続く副都心線・小竹向原駅(読売新聞)
副都心線 1週間 ミスミス発進 客足ブレーキ(中日新聞)

もともと、西武池袋線と東武東上線が小竹向原駅から地下鉄有楽町線に乗り入れていましたが、新たに副都心線にも乗り入れることになったため、2方向から来た電車が2方向に発進する、ということになり、それを1本のホーム2つの番線でやりくりするのだから、めちゃくちゃややこしい状態に。詳しくは、Wikipediaの「小竹向原駅」の項を参照してください。

ということで、開業当日はともかく、その後は乗客が減っているらしい。

乗り入れ、まるで迷路…混乱続く副都心線・小竹向原駅
[2008年6月20日14時12分 読売新聞]

 14日の開業以来、ミスやトラブルが続いている東京メトロ副都心線(和光市―渋谷)。
 朝のラッシュ時に慢性的な遅れが生じている大きな要因が、乗換駅の小竹向原(こたけむかいはら)駅(東京・練馬区)の複雑な乗り入れ構造や紛らわしい案内表示だ。さらに運転士の習熟不足もある。ホームは、アナウンスを頼りに右往左往する乗客であふれている。

小竹向原駅上り線への乗り入れ(読売新聞)
小竹向原駅上り線への乗り入れ

 小竹向原駅の上り線ホーム。ここでは原則、1番線に東武線方面から、2番線には西武線の電車が入線し、出発した後にポイントで交差するなどして副都心線と有楽町線に分かれるが、遅れが生じるとさらに複雑になり、その運行パターンは6種類にもなる。

朝のラッシュ時の上り線ホーム。この行き先表示は紛らわしいため、19日に改修された(18日、小竹向原駅で)
朝のラッシュ時の上り線ホーム。この行き先表示は紛らわしいため、19日に改修された(18日、小竹向原駅で)

 朝のラッシュ時、上り線ホームの行き先表示板から、各電車の出発予定時刻が消える。ダイヤの乱れを織り込んだ東京メトロの運用だが、ホームではかえって乗客の混乱を招いている。利用者はまず、1、2番線のどちらの電車が先発かと戸惑う。問い合わせを受けた駅員が構内アナウンスすると、乗客がホームを移動し始める。
 副都心線の新型車両は、有楽町線に使われることもある。会社員の男性(35)は「ブラウンが基調の新型車両を見て、てっきり副都心線だと思って乗ったら有楽町線だった」という経験もした。行き先表示板は、副都心線の「渋谷」と有楽町線の「新木場」は区別できても、ローマ字の「Shibuya」と「Shin-kiba」になると、紛らわしくて間違えそうになるという。
 埼玉方面から渋谷への直行が最大の「売り」だった新線。埼玉県朝霞市の会社員男性(48)は、「便利になると思ってJRから副都心線に変えた。このままだと、JRに戻らざるをえない。もっと丁寧な表示や誘導をしてほしい」と注文を付けた。
 東京メトロによると、開業前、小竹向原駅では有楽町線が運行していたため、副都心線と連携した運行調整ができなかったという。また、ミスやトラブルは、運転士の習熟不足や、各駅停車を急行と勘違いするなど運転指令の混乱も原因とみられ、同社は「準備不足と指摘されても仕方がない。問題を洗い出して早急に対応したい」としている。19日には小竹向原駅の案内表示を改修、ホームの係員も増強している。

副都心線 1週間 ミスミス発進 客足ブレーキ
[中日新聞 2008年6月22日 07時47分]

 埼玉県和光市と東京・渋谷をつなぐ東京メトロ副都心線の開業から21日で1週間が経過した。首都圏の新たな大動脈として期待されながら、初日からトラブル続きで利用者の敬遠が危ぐされる事態となっている。 (社会部・稲熊均)

開業以来の副都心線の乗降客数
開業以来の副都心線の乗降客数

 副都心線池袋?渋谷間の1日当たり乗降客数(概算)は、開業初日の14日が26万6000人だったのに対し、16日には12万2000人に減少した。
 この日は西武線との乗り入れをめぐるトラブルなどで朝からダイヤが乱れ、振り替え輸送を終日実施したため、利用者の多くが他社線に流れた。ただ、17日をみると、午前中、停電で一部混乱したものの、午後は正常運行に戻ったにもかかわらず利用者はさらに減少。丸一日正常だった18日も前日比でほとんど増えていない。
 東京メトロは「正確な数字が出ないと分析できない」とするが、他の鉄道関係者は「初日から4日連続の混乱で、当面は副都心線を避けようとの心理が利用者に働いたのではないか」とみている。
 一連のトラブルについて東京メトロは、他社線との複雑な乗り入れ運行に不慣れだったことが主要因と説明。加えて、相互乗り入れ駅での案内表示の紛らわしさも利用者の混乱を拡大させた。
 象徴的だったのが最も大きなトラブルの起きた小竹向原駅ホームの行き先表示板。同駅では上りの1、2番線双方から有楽町線、副都心線が出発するが、表示は副都心線は1番線、有楽町線は2番線と固定化されている印象を与えた。
 どちらの電車に乗ればいいか迷う利用者でホームはごった返し、16日の大幅な遅延につながった。このため、東京メトロは19日から新しい表示板に切り替えた。
 同社の瀬ノ上清二運転課長は「基本的なミスが重なり、混乱に拍車をかけてしまった。問題を1つ1つ再点検、修正し、正常な運行を心掛けていきたい」と話している。(東京新聞)

このほか、従来は、東武東上線・飯能から有楽町線・新木場まで直通運転していたものが、飯能からは渋谷直通となり、新木場行きは西武池袋線・小手指?有楽町線・新木場に切り替わったほか、有楽町線直通が減ったため不便になったという声も聴かれます。

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