少子化は子育ての経済的負担が原因らしい

少々古い記事になってしまいましたが、「日経新聞」の6月9日付夕刊と10日付夕刊に「もう1人が生めない 出生率1.34」という特集記事が載っていました。

おもしろかったのは、そこで紹介されていたデータ。

1番おもしろいのは、この↓データ。まず、理想の子どもの人数ですが、90%以上の母親が2人以上と答えているのに、現実には約50%が子ども1人だけ。平均でいえば、理想は2.38人にたいし、現実は1.63人。その差は0.65人。

日経新聞2008年6月9日付その1

では、なぜ「もう1人が生めない」のか?

その理由をダイレクトに示しているのが、上の2つめのグラフ。専業主婦でも仕事をしている母親でも、いちばんの理由は「経済的に余裕がない」です。専業主婦の場合は52.9%、仕事をしている母親でも36.4%が経済的理由をあげています。「仕事に不利」という理由が仕事をしている母親では13.1%を占めていますが、それでもやっぱり圧倒的な理由は「経済的な負担」です。

日経新聞2008年6月10日付

そのことは、次の↑のグラフからもうかがえます。これは専業主婦の場合ですが、「少子化対策として望むもの」として65%以上が「児童手当の拡充」を選択。第2位も「出産・育児一時金の充実」と、経済的援助を望む声が多数を占めています(たぶん複数回答だと思われる)。

日経新聞2008年6月9日付その2

こちらのグラフ↑は、「何人子どもがいると昇進・昇格で不利になると思うか」の質問にたいする回答。51.1%は「何人でもマイナスにはならない」と答えています。1人でも「昇進・昇格で不利になる」と答えている母親が28.0%もあることは問題ですが、それでも、多くの人が子どもが何人いるかは昇進・昇格には関係ないと答えていることは注目してよいのではないでしょうか。

いずれにしても、子どもを産むこと、育てることの経済的負担の大きさが、「もう1人が生めない」いちばんの理由だということは明らかです。出産・育児、さらには教育にかかる親の負担を軽減することが、少子化を防ぎ、出生率を回復させるいちばんの手立てだといえます。

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