人材派遣大手グッドウィルが、違法な「二重派遣」で略式起訴。有罪が確定すれば派遣事業の免許も取り消されるということで、グッドウィルは7月で廃業すると発表。
しかし、いろいろ違法行為をやっておいて、移動時間分の賃金未払い1つとっても、何も解決していない。現在でも、グッドウィルの派遣で働いている労働者は7000人いるそうだ。こうした人たちが、仕事を失って路頭に迷うなどということはあってはならない。廃業してお終い、などということは絶対に許されない。
グッドウィル廃業へ 二重派遣で略式命令(朝日新聞)
グッドウィル、4千人解雇へ 廃業を正式発表(朝日新聞)
「グッドウィル」廃業方針、日雇い派遣から完全撤退(読売新聞)
グッドウィル、7月末メドに廃業(TBS News-i)
グッドウィル:派遣労働者ら怒りあらわ「責任取れ」(毎日新聞)
グッドウィル廃業へ 二重派遣で略式命令
[asahi.com 2008年6月25日3時0分]人材派遣業などを展開するグッドウィル・グループ(GWG)は24日、7月末にも子会社の日雇い派遣大手グッドウィル(東京都港区)を廃業する方針を固めた。東京地検公安部が同日、労働者の二重派遣事件で、グッドウィルなど4社と幹部ら計8人を職業安定法(労働者供給事業の禁止)違反幇助(ほうじょ)などの罪で略式起訴、グッドウィルは同日、罰金100万円を納付した。厚生労働省は有罪が確定すれば派遣事業の許可を取り消す方針で、GWGは事業の継続が難しくなったと判断した。
厚労省は「容疑は派遣許可の欠格事由に該当する」としており、許可が取り消されれば、大手では初めて。
略式起訴されたのは、グッドウィルでは法人と上村泰輔・事業戦略課長(37)ら3人、港湾関連会社「東和リース」(東京都港区)と中山美行・同社長(61)ら2人、二重派遣先の港湾荷役会社「笹田組」(横浜市中区)と「太洋マリーン」(港区)両社とその幹部3人。グッドウィルの3人も罰金50万?100万円を納付したという。
グッドウィルは同日、東京簡裁から罰金の略式命令を受け、納付した。14日以内なら命令を不服として正式裁判を請求できるが、請求しなければ有罪が確定する。
東京地検の発表によると、グッドウィルは06年5月から07年6月の間、東和リースが笹田組と太洋マリーンに労働者を二重派遣することを知りながら、グッドウィルEV(イベント)新宿支店の労働者を計51回にわたって派遣し、働かせていた。また、07年5?6月、労働者を計23回にわたり東和リースに派遣する際、労働者派遣法に違反し、契約書類に記載が義務付けられた労働者の氏名をイニシャルだけで済ませたなどとされる。
地検の調べでは、グッドウィル本社は売り上げを増やすよう支店に圧力をかけていたが、違法行為を指示したり、黙認したりするなどの行為は認められなかったという。
グッドウィル、4千人解雇へ 廃業を正式発表
[asahi.com 2008年6月25日21時22分]人材派遣大手グッドウィル・グループ(GWG)は25日、違法派遣を繰り返してきた子会社の日雇い派遣大手グッドウィルを7月末で廃業すると発表した。職業安定法違反幇助(ほうじょ)などの有罪がほぼ確定したことで、厚生労働省が派遣事業の許可を取り消す見通しになり、事業継続を断念。従業員約4千人は7月末までに全員解雇する。
解雇されるのは正社員1490人、契約社員550人、アルバイト2121人(6月1日現在)。退職者のグループ内での受け入れは業績低迷により困難だとして、同業他社や業界団体などに協力を要請し、再就職先をあっせんしたいとしている。
派遣社員も現在、1日約7千人に上り、そのうち約4千人が1カ月以上の雇用契約を結んでいる。派遣社員の雇用確保のため、派遣先企業にも直接雇用を働きかける。
こうした責任をとり、6月末日付で中元一彰社長を除く全取締役3人と全執行役員6人が退任。中元社長も廃業に伴う作業終了後に退任する。
ただし、廃業後も法人は清算準備会社として存続。派遣労働者から違法に天引きしてきた過去2年分の「データ装備費」の返還を進め、派遣労働者がデータ装備費の全額返還を求めた訴訟などにも対応する。
親会社のGWGは今後、東京・六本木ヒルズにある本社の移転や社名変更でイメージを刷新し、技術者派遣や製造派遣に注力して経営再建を図る。廃業が業績に与える影響は未確定だが、割り増し退職金の支払いに約20億円、派遣先との契約解除に伴う費用に2億円前後を見込んでいる。
折口雅博元会長は3月、一連の不祥事の責任をとって退任したが、GWGの大株主の地位を保ち、米国子会社のアドバイザーを務めている。
「グッドウィル」廃業方針、日雇い派遣から完全撤退
[2008年6月25日14時21分 読売新聞]グッドウィル・グループは25日、子会社で日雇い派遣最大手の「グッドウィル」(東京都港区)を廃業する方針を固めた。
近く手続きに入り、日雇い派遣事業から完全に撤退する。禁止されている二重派遣を手助けしたなどとして幹部らが逮捕された職業安定法違反事件で、同社は24日に東京簡裁から罰金の略式命令を受けた。有罪が確定すれば、厚生労働省は労働者派遣事業の許可を取り消す方針で、同グループは事業の継続が難しいと判断。午後にも発表する見通しだ。
グッドウィルによる職業安定法違反事件を巡っては、東京地検が24日、同社と同社事業戦略課長(37)ら3人を職業安定法違反(労働者供給事業の禁止)ほう助と労働者派遣法違反の罪で東京簡裁に略式起訴し、同社と3人は罰金100万?50万円の略式命令を受け、それぞれ納付した。命令に不服がある場合、2週間以内であれば正式裁判を請求できるが、請求がなければ有罪が確定する。
労働者派遣法では、業者が労働法令に違反するなどして有罪が確定した場合、派遣事業者としての免許取り消しの対象になると定めている。グッドウィルは1日に約3万人を派遣した実績もあるが、違法派遣を繰り返していたとして事業停止処分を受けた影響で、現在は1日7000人程度に激減している。同社は、派遣の登録者の引受先をこれから探すと見られる。
グッドウィル・グループには、今回廃業する主力のグッドウィルのほか、技術者を製造業に派遣する事業を行っている「シーテック」などの子会社がある。技術者の派遣は収益性が高いことから、グッドウィル・グループは5月に発表した新たな経営方針の中で、日雇い事業は縮小する一方、技術者の派遣事業は強化する方針を打ち出していた。舛添厚労相は今月13日、労働者派遣法を改正し、日雇い派遣を原則禁止する方針を表明しており、業界の大幅な縮小は避けられない見通しだ。
起訴状などによると、グッドウィルによる職安法違反事件は、同社の事業戦略課長らが2006年5月?07年6月、グッドウィルから港湾関連会社「東和リース」(港区)に派遣した労働者が港湾運送会社2社に二重派遣されることを知りながら、延べ51人を派遣したもの。05年5?6月には、東和リースに派遣した延べ54人に対し、業務内容や就業条件を明示しなかった。
グッドウィル、7月末メドに廃業
[TBS News-i 最終更新:2008年6月25日(水) 21時39分]グッドウィル・グループは、日雇い派遣の子会社のグッドウィルを廃業させると正式に発表しました。これを受け厚生労働省は、解雇される従業員らの再就職の支援に乗り出すことを決めました。
「売り上げ至上主義と言いますか、業績偏重評価ですとか、(それが)私自身は最大の原因かと思う」(株式会社グッドウィル 中元一彰 社長)
グッドウィルは、職業安定法違反などの罪で東京簡易裁判所から受けた罰金の命令の支払いに応じたことから、厚労省は労働者派遣事業の許可を取り消す方針です。
このためグループでは事業の継続は困難と判断、来月31日をメドにグッドウィルを廃業させることを決めました。
これを受け厚労省は、解雇される4000人の従業員や1日7000人が登録している派遣スタッフに対し、ハローワークに特別相談窓口を設置するなどして再就職の支援に乗り出すことを決めました。(25日20:44)
グッドウィル:派遣労働者ら怒りあらわ「責任取れ」
[毎日新聞 2008年6月25日 22時22分(最終更新 6月25日 22時39分)]「予想はしていたが、こんなに早いとは……」。グッドウィル(GW)が派遣事業の廃業を表明した25日、同社で働く派遣労働者に不安の声が広がった。最近は同社から紹介される日雇い派遣の仕事が減っていたと言い、労働者は「計画的だったんだ。責任を取れ」と怒りをあらわにした。
同社で日雇い派遣をしている労働者を中心に組織するグッドウィルユニオン(梶屋大輔委員長)を傘下に持つ派遣ユニオンは、東京都新宿区の組合事務所で会見した。関根秀一郎書記長は「長年グッドウィルの違法行為を放置してきた国の責任は重い。認可取り消しで職を失う派遣労働者たちの生活を保障し、劣悪な雇用環境をもたらした労働者派遣法を抜本的に改正すべきだ」と訴えた。
一方、グッドウィルユニオンの梶屋委員長によると、GWが事業停止処分を受けた今年1月以降、日雇い派遣の仕事は徐々に少なくなり、グッドウィルだけに登録していては、生活するのが厳しい状況になっていたという。梶屋委員長は「許せない。(廃業に向け)計画的にやっていたのだろう」と怒った。【東海林智、夫彰子】◇GWの合意退職に労組反発
労働組合「UIゼンセン同盟」と傘下でGW正社員を中心にした「JSGU(人材サービスゼネラルユニオン)」が25日会見し高石修・ゼンセン同盟副書記長が「労働組合を無視した経営側のやり方」と怒りをあらわにした。
同日午後の申し入れ文書には一連の経緯のほか、「合意退職を申し入れたい」と書かれていたという。高石副書記長は「こうしたことは団体交渉を通じてまとめるのがルールなのに、『6月30日以降、出社に及ばず、7月末日で退職していただく』と、時間的余裕もない申し入れがあった。怒りを禁じえない。この一方的な申し入れは受け入れない」と語った。【樋岡徹也】
たとえば、こんなニュース↓が流れている。いったい段ボールに何を詰めているのか。違法派遣を裏づける資料を、廃業のどさくさにどこかに処分してしまおう、などということは絶対に許されないぞ!!
グッドウィル、福岡でも社員ら荷造りなどに追われる(読売新聞)
グッドウィル、福岡でも社員ら荷造りなどに追われる
[2008年6月25日 読売新聞]福岡市・天神の雑居ビル5階に入っているグッドウィル福岡天神支店は25日午前、宅配便の送付伝票が付けられた段ボールが目立ち、社員らは荷造りなどに追われている様子だった。
来訪者に今後について問われた男性社員は、「廃業すると思うが、まだはっきりしたことは言えない」と口ごもっていた。
福岡、大分、山口県の各労働局によると、労働者派遣事業が許可されたグッドウィルの事業所は現在、福岡県内に福岡、北九州など7市に計17事業所、大分県内に大分など3市に3事業所、山口県内に山口など3市に3事業所ある。
福岡県内には昨年まで二十数か所あったが、今年1月の事業停止命令を境に統廃合などが進められた。大分、山口県内でも同時期に減ったという。
【追加】
グッドウィルは賃金の保障を
[NHKニュース 6月26日 6時1分]グッドウィルの日雇い派遣労働者で作る労働組合は「廃業のしわ寄せが労働者にくるのは納得がいかない」として、グッドウィルに対し、次の仕事が見つかるまでの間の賃金の保障などを求めていくことにしています。
グッドウィルが廃業を決めたことを受けて、グッドウィルの日雇い派遣労働者およそ150人で作る労働組合「グッドウィルユニオン」は、25日夜、東京・新宿区で会見を開きました。この中で、関根秀一郎書記長は「廃業の責任は本来経営者にあるのに、何の説明や謝罪もなく、しわ寄せが労働者にくるのは納得できない。失業する労働者の生活を守るのが最優先だ」と訴えました。そして、グッドウィルに対して▽次の仕事が見つかるまでの間の賃金の保障や、▽すでに未払いとなっている賃金の支払いを求めていく方針を示しました。また、低賃金や不安定な雇用につながる日雇いなど短期の登録型の派遣を禁止するよう、法律の改正を求めて、今後、国に申し入れていくことにしています。
会見に同席した39歳の日雇い労働者の男性は「今月から仕事を申し込んでもまるっきりない状態でまずいと思っていた。ほかの派遣会社に行くにしても、次の仕事が見つかるまで無収入の状態になるので、心配です」と話していました。
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