NHKで、こんなニュースが流れていました。
沖縄戦や各地の空襲の歴史、広島・長崎の原爆被害について教えるようにするというのは、ともかく、よいことであることは間違いありません。しかし、戦争全体について、どう教えようとしているでしょうか? 日本が受けた被害とともに、日本が与えた被害についても、私たちは学んでゆく必要があります。
沖縄戦 指導要領解説書に明記
[NHKニュース 6月29日 19時16分]沖縄戦の集団自決をめぐる教科書の記述が去年問題になったことを受けて、文部科学省は、小学校の学習指導要領の解説書に初めて「沖縄戦」ということばを明記し、多くの人が犠牲になった沖縄戦の学習を充実させることにしました。
去年行われた高校日本史の教科書検定で沖縄戦の集団自決に関する記述から日本軍の直接的な関与が削除されたことに対して沖縄県民の反発が強まり、文部科学省は、教科書会社からの訂正申請を承認する形で軍の関与を示す記述を復活させました。この過程で、沖縄県民からは「沖縄戦での悲惨な体験が理解されていない」などとして、多くの人が犠牲になった歴史の記憶の風化を懸念する声があがっていました。これを受けて、文部科学省は、沖縄戦をはじめとする戦争の歴史を子どもたちにしっかり教えていく必要があるとして、教科書の作成や教師の指導の指針となる小学校の新しい学習指導要領の解説書に「沖縄戦」について教えるよう明記することにしました。
文部科学省は、あわせて「各地への空襲」や「広島・長崎への原子爆弾の投下」についても解説書に記して、日本の国民が受けた被害について学習を充実させることにしています。
小学校の学習指導要領の解説書に「沖縄戦」や「原爆投下」ということばを明記して指導を求めるのは初めてで、文部科学省は、30日に都道府県の担当者を集めてこの方針を説明することにしています。
それにしても、文部科学省は、学習指導要領で授業内容を縛るだけでなく、その「解説書」なるもので、さらに詳細に、授業で教えるべき授業内容を拘束しているんですね。「学習指導要領」についても、それが拘束的なものかどうかをめぐって議論がありますが、その「解説書」なんていうのは、何の法律にも基づかない勝手な文書にすぎません。そんなもので、教育内容を縛ろうというのは、とんでもないことです。
【追記】
要するに、これは、教育基本法の改悪をうけて改定された新教育指導要領の徹底というなかの話でした。「沖縄戦を教える」というところだけ押しだして、新教育指導要領への批判を避けようという魂胆見え見えです。
“ゆとり教育”転換 説明会
[NHKニュース 6月30日 12時38分]3年後から実施される小学校の新しい学習指導要領について都道府県の担当者に説明する会議が開かれ、30年ぶりに授業時間や指導内容を増やしていわゆる「ゆとり教育」からの転換をはかる方針が示されました。
30日、東京・新宿区で開かれた会議には全国の都道府県の担当者が出席しました。はじめに、文部科学省の銭谷眞美事務次官が「新しい学習指導要領を確実に定着させることで公教育への信頼を確固たるものにしたい」とあいさつし、指導要領の趣旨を学校現場に周知するよう求めました。
ことし3月、告示された小学校の新しい学習指導要領では、▽理科や算数を中心に教える内容を増やして実験や観察などを多く行なうようにするほか、▽国語をはじめとしたすべての教科でことばを使いこなす力の育成をめざします。これに伴って、30年ぶりに授業時間が増やされ、いわゆる「ゆとり教育」からの転換がはかられることになりました。新しい学習指導要領は理科や算数など一部については来年4月から前倒しで実施され、3年後から全面的に実施されます。
午後は、教科ごとの会議が開かれ社会では「沖縄戦」や「空襲」、「広島・長崎への原爆の投下」について具体的に指導し、さきの戦争についての学習を充実させる方針が示されることになっています。
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