国交省が、タクシーの新規参入の規制強化を実施。
規制緩和しさえすれば全部うまくいくのではなかったの? 規制緩和路線の破綻を認めるなら、批判に耳を傾けず、規制緩和を推し進めてきた責任をはっきりさせてもらいたいものです。
タクシー規制:東京・大阪など、全国109地域に拡大――国交省(毎日新聞)
タクシー参入規制強化、全国8割が監視地域に 国交省(朝日新聞)
タクシー規制:東京・大阪など、全国109地域に拡大――国交省
[毎日新聞 2008年7月11日 東京夕刊]◇タクシー参入規制拡大
国土交通省は11日、タクシーの新規参入や増車の事前チェックを強めた「特定特別監視地域」を、同日付で現在の6カ所から109カ所に拡大すると発表した。同省は道路運送法の改正によるタクシー規制の再強化を予定しているが、これをにらんだ駆け込み増車を防ぐことが目的としている。しかし、規制対象地域が広がりすぎ、これまでの規制緩和の効果が失われるとの批判が出る可能性もある。
特定特別監視地域は、札幌、旭川、仙台、長野、富山、広島が昨年11月から指定されていた。今回はこれを大幅に拡大し、東京、大阪をはじめ都道府県庁所在地の大半を指定対象にする。指定期間は3年間だが、供給過剰が改善された地域は途中で指定を解除する。
また、増車後の法令違反がないか監査を厳しくする「特別監視地域」は、特定特別監視地域を含む537カ所。現在の67カ所から8倍に増やす。全国644カ所の営業地域のうち8割で何らかの上積み規制がされることになる。
新規参入と増車を禁止する「緊急調整地域」も、8月末までの仙台市への指定を11年1月まで延長する。仙台市の指定は今年1月からだったが、状況の改善になお時間が必要と判断した。
国交省は、タクシーの過剰が深刻な地域で新規参入や増車の事前チェックを厳しくしたり、悪質事業者の退出を促すことを柱とする規制強化案を今月初めに公表。来年の通常国会に道路運送法改正案を提出する予定だ。しかし、法改正による抜本対策が始まるまでには時間がかかるため、その間に駆け込み増車が起きる可能性が高いと同省は見ている。
冬柴鉄三国交相は11日の閣議後会見で、特定特別監視地域の拡大について「供給過剰のさらなる悪化を防ぐ措置」だと強調した。
タクシー業界では、02年の大幅な規制緩和などで新規参入や増車がしやすくなった。利用者の利便性が増す一方で、台数の増えすぎによる運転手の賃金低下などの問題点が指摘されている。【位川一郎】■ことば◇特定特別監視地域
タクシーの供給過剰によって運転手の労働条件悪化が懸念される地域を、国土交通省が通達で指定する。新規参入や増車をする事業者に対し、労働条件に関する計画の提出を求めたり、増車が大幅すぎる場合に見合わせるよう勧告を出すなどの事前チェックをする。今回の指定では、地域の事業者団体に運転手の労働条件の改善など構造改善計画を作るよう求める項目も加えた。
タクシー参入規制強化、全国8割が監視地域に 国交省
[asahi.com 2008年7月11日3時1分]国土交通省は、タクシーの参入や増車を厳しくする「特定特別監視地域」の指定を6地区から、東京や大阪など主要都市の大半を含む100地区程度へ大幅に拡大する。11日に指定する。来年の通常国会で予定する道路運送法改正前の駆け込み増車を防ぐ狙いだが、サービス低下につながる恐れがある。
タクシーの増車や参入は02年に原則自由化された。だが、国交省は昨年11月、競争過熱を理由に増車や参入を事前に厳しく審査する「特定特別監視地域」制度を「例外」として設け、札幌や広島など6地区を指定した。運転手の労働条件などに問題がないかを事前に厳しく審査して、問題があれば許可しない。
今回、指定地域をほとんどの都道府県庁所在地に拡大するとともに指定期間も1年から3年に延ばす。増車や参入を一切禁じる「緊急調整地域」に今年1月に指定された仙台市は、指定期間を8月末から11年1月まで延長する。
さらに増車時に事前の届け出を求め、事後監査も厳しくする「特別監視地域」も現在の67地区から500地区程度に拡大する。全国645の営業地域のほぼ8割に当たる。
監視地域の拡大は、指定要件を緩和するためだ。これまで前年度と比べ1台当たりの売り上げが急激に減ったことなどが要件だったが、規制緩和前の01年度と比べ少しでも減っていれば指定できるようにする。値上げ後に1台当たりの売り上げが伸びない地域も指定できるようにする。
国交省は来年に予定する道路運送法の改正で参入・増車の事前規制の復活を目指す。今回の見直しは、その法改正の内容を先取りするものだが、国交省自動車交通局長通達の変更という運用に基づいたもので批判も出そうだ。
国交省幹部は「増車などの自由を完全に防ぐことにはならない」としている。ただ、現在の特定特別監視地域6地区では昨年11月末の指定前の4カ月間は計92台増えたが、指定後の4カ月間では逆に137台減っている。(大平要)◇
〈特定特別監視地域〉
タクシーを増車する際に事前届け出が必要な特別監視地域のうち、主要都市を含む地区。国土交通省が指定する。07年11月に国交省の局長通達で新設された。参入や増車をする場合、特別監視地域よりも強い規制がある。
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