公的資本の注入から銀行間債務への政府保証まで

英、独政府が相次いで銀行への公的資本注入を発表。さらに、ユーロ圏(15カ国)の緊急首脳会議で、銀行間の債務に政府保証をつけることを合意。

銀行間の債務に政府保障というのは、日本の金融危機のときもやったことがないこと。確かに、金融逼塞の理由はデフォルトへの巨富だけれど、しかしだからといってそれを全部政府が保証するなんて…。

資本注入など「共同行動計画」合意 ユーロ圏首脳会議(朝日新聞)
英政府が主要3行に資本注入へ、バークレイズは独自増資の方針 | Reuters
独仏、金融機関に資本注入へ 包括救済策、相次ぎ発表 (朝日新聞)

資本注入など「共同行動計画」合意 ユーロ圏首脳会議

[asahi.com 2008年10月13日7時31分]

 【パリ=飯竹恒一】金融危機に対処するためのユーロ圏(15カ国)の緊急首脳会議が12日パリであり、金融機関への資本注入などを柱とする包括的な「共同行動計画」で合意した。行動の大枠を定めたもので、13日にはさっそく独仏伊がそれぞれ資本注入の上限額などを含め具体策を発表する見通しだ。
 声明によると、計画は(1)銀行間の資金融通の滞りを解消するため、銀行の債務に対して、政府が一時的に保証をつける(2)政府は、銀行が発行する優先株などを買い取ることを通じ、銀行の体力を強化する(3)金融機関の破綻(はたん)を防ぐため、政府は大幅な資本注入を含めて適切な措置を実施する。資本注入の際には、株主や経営陣の責任を追及する――などが柱。
 記者会見した欧州連合(EU)議長国フランスのサルコジ大統領は「危機のすべての面について対処するものだ」と語った。
 計画ではこのほか、危機管理についての欧州の国家間の連携を改善するため、新たな枠組みの必要性を指摘した。

英政府が主要3行に資本注入へ、バークレイズは独自増資の方針

[ロイター 2008年 10月 13日 23:03 JST]

 [ロンドン 13日 ロイター] 英財務省は13日、公的資金による金融機関への資本注入計画に基づき、主要3行が合計370億ポンド(640億ドル)の注入を受ける可能性があると明らかにした。
 ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は声明で、200億ポンドの増資を実施する計画を明らかにした。計画では、英政府が50億ポンド相当の優先株を購入するほか、RBSが発行する150億ポンド相当の普通株を引き受ける予定という。
 財務省の声明によると、HBOSとロイズTSBも合併が終了次第、政府の公的資本の注入を受ける予定。
 一方、バークレイズは声明で、65億ポンド以上の資本を調達する計画を発表したが、政府の支援を受けずに行うとしている。

独仏、金融機関に資本注入へ 包括救済策、相次ぎ発表

[asahi.com 2008年10月13日22時31分]

 【ロンドン=稲田清英】ドイツ政府は13日、金融危機の影響で資金繰りに苦しむ銀行など国内金融機関への包括的な救済策を発表した。公的資金最大800億ユーロ(約11兆円)を使って資本注入し、銀行の債務への政府保証に4000億ユーロ(約54兆円)を当てる。AFP通信によると、フランス政府も資本注入に400億ユーロ、債務保証に3200億ユーロを当てる。
 ユーロ圏(15カ国)が12日の緊急首脳会議で、金融機関への資本注入などを柱とする包括的な「共同行動計画」で合意。これを受け、主要国が相次いで具体的な救済策を打ち出し始めた。
 資本注入で銀行の体力を直接強化する一方、債務保証を通じ、目詰まりを起こしている銀行同士の資金融通を改善する狙いがある。
 独仏両政府の対応は、英政府が発表した国内大手3金融機関に対する総額370億ポンド(約6兆4千億円)の資本注入に続く動き。

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