自分のことは棚に上げて…

緊急に開かれることになった金融首脳会議。今日のNHKのニュースによると、今日午前中、ブッシュ大統領から麻生首相に「ぜひ参加してほしい」という電話があったそうです。

しかし、19日の時事通信では、「ブッシュ大統領は共同会見で、サミット開催について、G8議長国である日本の麻生太郎首相と話し合ったと述べた」ということだったのですが…。はて、いったいどうしたんでしょう?

“首脳会議成功へ緊密連携”(NHKニュース)
首相 米政治空白で役割果たす(NHKニュース)

考えられるのは、次の2つ。どちらにしても、日本が軽く扱われていることだけは確かなようです。

  1. ブッシュ大統領は、じつは、事前に麻生首相と相談はしていなかった。
  2. ブッシュ大統領と麻生首相は事前に話し合ったが、そのときは麻生首相は開催を渋った。それでも、開催することになったので、あらためてブッシュ大統領が「参加してほしい」と電話をしてきた。

“首脳会議成功へ緊密連携”

[NHKニュース 10月21日 12時17分]

 麻生総理大臣はアメリカのブッシュ大統領と電話で会談し、アメリカで開かれる見通しの金融危機への対応策を話し合う首脳会議に出席したいという意向を伝えたうえで、首脳会議を成功させるため、緊密に連携していくことで一致しました。
 電話会談は午前9時すぎから10分間ほど行われ、ブッシュ大統領は「世界経済についての緊急首脳会議を開きたい。世界経済に重要な役割を果たしている日本の麻生総理大臣の出席を強く希望している」と述べました。これに対し、麻生総理大臣は「会議に出席したい。ブッシュ大統領が世界経済や金融市場の安定化のため、主導権を発揮していることを歓迎している。日本はブッシュ大統領の努力を支持し、G8のことしの議長国として、必要なリーダーシップをとる用意がある」と述べ、首脳会議を成功させるため緊密に連携していくことで一致しました。
 これに関連して、河村官房長官は閣議後の記者会見で、首脳会議の具体的な時期や場所、参加国について「アメリカが中心となって調整が行われる。来月上旬のアメリカ大統領選挙後、まもなく開かれると思う」と述べました。また、河村官房長官は、首脳会議にアメリカの次期大統領が出席するかどうかについて「アメリカ国内の問題だが、大事な選択肢ではないか」と述べました。

ところで、麻生首相は、アメリカが大統領選で来年の就任式までは「政治的空白になる」と発言。日本の政治的ゴタゴタはまるでなかったかのような発言ですが、かりにアメリカがホントに「政治的空白」になるとしても(そんなことはありえないのですが)、世界的な金融不安の時期に、「アメリカは政治的空白だから」などという発言はあまりに軽率ではないでしょうか?

ちなみに、サルコジ仏大統領やイタリアのベルルスコーニ首相からは、「日本は選挙で頼りにならない」と言われていたんですが…。

首相 米政治空白で役割果たす

[NHKニュース 10月21日 4時28分]

 麻生総理大臣は、20日夜開かれた会合で、アメリカ大統領選挙の投票日から新大統領が就任する来年1月まで、アメリカに政治的な空白が生じるとして、その間、世界的な金融危機に対し、日本として積極的な役割を果たしていきたいという考えを示しました。
 麻生総理大臣は、さきの自民党総裁選挙でみずからを支持した議員グループとの会合に出席し、この中で、衆議院の解散・総選挙について「いろいろと言われているが、わたしはまだ何も決めていない」と述べました。そのうえで、麻生総理大臣は「アメリカは、大統領選挙の投票日の来月4日から新大統領が就任する来年1月まで、政治的な空白期間になる。その間、厳しい経済状態の中で、日本の果たすべき役割は非常に大きなものがある」と述べました。
 また、麻生総理大臣は、金融危機への対応策を話し合うための首脳会議が開かれる見通しとなったことに関連して「わたしたちは、どん底の不況を経験したから、金融危機に対してどう対処するか、かなりのノウハウを持っている」と述べ、日本の経験を今回の危機への対応に生かしていく考えを示しました。

サルコジ仏大統領やベルルスコーニ伊首相の発言は↓これ。

日本の首相交代で「サミット開けず」 伊首相が批判(NIKKEI NET)

日本の首相交代で「サミット開けず」 伊首相が批判

[NIKKEI NET 2008/10/06 00:35]

 「米国や日本が選挙をする間、欧州は責任を果たしている」。サルコジ仏大統領は4日の欧州4カ国首脳による緊急会合後の記者会見で、自身が提案する金融危機を巡る緊急サミット開催構想に反応が薄いままの日本や米国をやんわり皮肉った。
 ベルルスコーニ伊首相も「日本の首相交代があってサミットが開けない」と発言。批判の矛先を日本に向け、現在のサミット議長国の日本がもっと動くよう促した。今週末のワシントンでの主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議でも、欧州勢は緊急サミット開催を主張する見通しだ。(パリ=野見山祐史)

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