昨日、麻生首相が追加の経済対策を発表したが、その中で「3年後に消費税引き上げをお願いしたい」と、3年後の消費税増税を明言した。これまで、“○年後をメドに消費税の税率についても検討する”と発言した首相はいるが、「3年後に消費税を引き上げる」と明言したのは麻生首相が初めてだ。
首相は、いまの金融危機を「100年に1度の暴風雨」といっている。確かに「100年に1度」の金融危機ではあるが、しかし、暴風湯のような自然災害ではない。国内経済をないがしろにして、外需・輸出頼みの経済にしたうえ、「株価引き上げ策」として、外資を呼び込む政策を進めてきた結果が、この景気悪化だ。それを「暴風雨」などといってすませるのは、政治の無責任だ。
麻生首相:3年後に消費税引き上げ 衆院選は先送り(毎日新聞)
麻生首相、消費税10%案を検討=2段階引き上げも(時事通信)
麻生首相:3年後に消費税引き上げ 衆院選は先送り
[毎日新聞 2008年10月30日 20時47分(最終更新 10月30日 23時00分)]
麻生太郎首相は30日、首相官邸で記者会見し、世界的な金融危機や景気悪化に対応するため、全世帯を対象とした総額2兆円規模の給付金支給などを柱とした追加経済対策を発表した。首相は経済状況を踏まえたうえで、3年後の消費税率の引き上げを明言。「11月30日投票」が有力視されてきた衆院選については、年内見送りを事実上認めた。
追加経済対策は30日午後、首相官邸で開かれた政府・与党と経済閣僚の合同会議で正式決定した。首相はこの後、早期解散を強く求めてきた公明党の太田昭宏代表と会談し、経済対策推進への協力を要請、太田氏も了承した。太田氏は会談終了後、記者団に当面の解散先送りを了承したことを明らかにした。
首相は記者会見の冒頭、経済情勢について「100年に1度の暴風雨が荒れている」とし、(1)生活者の暮らしの不安を取り除く(2)金融安定化のための国際協調――を進める考えを表明。そのうえで、「景気回復期間中は減税を時限的に実施する」と強調する一方、「経済状況が好転した後に、消費税を含む税制抜本改革を速やかに開始する」と明言。「大胆な行政改革を行い、経済状況を見た上で3年後に消費税引き上げをお願いしたい」と述べた。
追加経済対策の裏づけとなる第2次補正予算案の提出時期については、「今後の国会運営の中で考えていく。臨時国会中に出すか、出さないかを今の段階で決めているわけではない」と述べるにとどめた。解散についても「補正予算が通るか通らないか、国会の対応を見たうえでのこと。解散の時期はそれに関連してくる」と語り、第2次補正予算案への民主党の対応を見極める考えを示した。
一方、民主党の鳩山由紀夫幹事長は「できるだけ早く国民の信を問うことが肝要」と解散見送りを批判。30日の社民、国民新両党との国対委員長会談では、首相を予算委員会の徹底審議で追い込む方針で一致した。首相は第2次補正の成立を目指し来年1月までの大幅な会期延長も視野に入れ、今後の国会対策にあたるとみられる。【高塚保】
麻生首相、消費税10%案を検討=2段階引き上げも
[時事通信 2008/10/30-22:33]
麻生太郎首相が景気回復を前提に表明した3年後の消費税引き上げについて、首相周辺は30日夜、首相が上げ幅を5%とし、最終的に10%とする案を検討していることを明らかにした。同時に「一度に上げるか、(最初は)2、3%にして2段階で上げるかは検討課題だ」と述べた。
消費増税に関し首相は今年2月、月刊誌に論文を寄稿し、消費税を10%とし、基礎年金の財源とすることを提唱している。