「ジョブカード」空振り

フリーター雇用対策の「切り札」と言われて、今年4月から始まった「ジョブカード」制度だが、半年たってみて、発行件数は目標の2割。正社員への橋渡しとされた「有期実習型訓練」は、年度目標1万人に対して、実施したのはたった50人。正社員に採用されたのはわずか6人しかいないそうだ。

「雇用促進策「ジョブカード」発行件数、目標の2割(東京新聞)

雇用促進策「ジョブカード」発行件数、目標の2割

[東京新聞 2008年11月1日 10時11分]

 フリーターの雇用対策の目玉として、政府が本年度始めた就職支援の「ジョブカード制度」で、カード発行件数が発足後半年たっても目標の2割にとどまっていることが1日、分かった。景気後退で雇用不安が広がる中、鳴り物入りで導入した対策だけに、このまま超低空飛行が続けば、批判が強まることになりそうだ。
 ジョブカードは、政府の「成長力底上げ戦略」の柱となり、福田政権がまとめた2010年までにフリーターを11万人減らすとした「新雇用戦略」でも、中心施策と位置付けられた。
 制度は職業訓練を組み合わせたもので、求職者は訓練歴やアルバイトを含む就職経験を記したカードを作成。企業はカードを基に選考することで、ニーズに合った人材を探しやすくする仕組みだ。「就職氷河期」にぶつかった中高年フリーターや主婦らを対象に、主に3つのコースがあり、3カ月から2年間、訓練や実習を受ける。
 しかし、9月末のカード発行件数は約2万件どまりで、08年度目標の10万件とは大きな開きがある。中でも、正社員への橋渡し機能を期待された「有期実習型訓練」は、年度目標1万人に対し実施できたのが約15社で約50人。賃金をもらって実習と座学を受ける仕組みだが、終了後に正社員に採用された人は6人程度にすぎないとみられる。
 普及しない要因に、即戦力を育てる訓練が困難な上、カードに職歴を記入するため在職証明を求められるなど「お役所仕事」特有の煩雑な手続きが求職者の負担となるためとの見方が強い。
 厚生労働省は「体制整備の遅れやPR不足が響いた」と反省。09年度予算概算要求で、中小企業が支払う賃金や経費への助成金の割合を2分の1から4分の3に引き上げる見直し策を盛り込んだ。

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