懲戒調査にも応じなければ円満退職?

懲戒調査に応じなかったということで、空幕長を解任された田母神氏は、自衛隊を円満定年退職。退職金6000万円も満額支給されることに。

しかし、処分するかどうかの事前調査を拒否すれば、普通、懲戒処分でしょ。外部に論文を執筆する場合は事前に文書で届け出るという内規があるのに届け出をしてなかったのだから、内規に反したことは明らか。調査に応じなかったから定年退職とは、まったくもって処分するつもりがないとしか思えない。

論文問題更迭 前空幕長は定年退職 辞職拒否 懲戒調査も応じず(東京新聞)
田母神前空幕長定年、退職金は6000万円(日刊スポーツ)
前空幕長が論文受賞を事前承諾、主催者「本人から確認」(読売新聞)
前空幕長の論文発表「口頭連絡」だけ、官房長も内容確認せず(読売新聞)

論文問題更迭 前空幕長は定年退職 辞職拒否 懲戒調査も応じず

[東京新聞 2008年11月4日 朝刊]

 防衛省は3日、過去の侵略戦争などを正当化する論文を発表し、航空幕僚長を更迭されたばかりの田母神(たもがみ)俊雄空将(60)=10月31日付で航空幕僚監部付=を3日付で定年退職とする異例の人事を発表した。本人が辞職や、懲戒処分への調査手続きを拒んだためとしている。
 防衛省の聴取に、田母神氏は自ら辞職する考えのないことを強調。論文発表が懲戒処分の対象に当たるかを調査する手続きにも応じない意向を示したため、問題の長期化を懸念した同省は「空将の地位にとどめるのは妥当ではない」として異例の定年退職に踏み切った。退職金は約6000万円という。
 防衛省によると、空幕長の定年は62歳だが、空将の定年は60歳。田母神氏は10月31日の空幕長更迭時点で、空将の定年を過ぎていた。同省は、論文発表が懲戒対象に当たるか確認するため、自衛隊法に基づき定年を1カ月間延長したが、田母神氏が調査に応じないため、定年延長を打ち切ったとしている。

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 田母神氏は同日夜、都内で会見し、「国家国民のためという信念に従って書いた。その結果、解任という事態になったことは断腸の思い」と述べた。国会の参考人招致については「政治に利用されるのは本意ではない」としながらも「積極的に応じたい」とした。
 論文発表の理由を「日本が国家として発展するには自虐史観から解放されないと政策に影響が出る」と説明した。

田母神前空幕長定年、退職金は6000万円

[2008年11月4日2時34分]

 防衛省は3日、過去の侵略戦争などを正当化する論文を発表し、航空幕僚長を更迭されたばかりの田母神俊雄空将(60=10月31日付で航空幕僚監部付)を3日付で定年退職とする異例の人事を発表した。本人が辞職や、懲戒処分への調査手続きを拒んだためとしている。
 政府は国会審議や外交への影響を避けるため、早期幕引きを図ろうとしたが、田母神氏は3日夜、東京都内で記者会見し「日本は侵略国家ではない」などと持論をまたも展開。政府見解を全面否定する発言を重ねたことで、中国、韓国が反発を強めるのは必至だ。
 野党側は、政府の任命責任やシビリアンコントロール(文民統制)の在り方を追及する考え。本人の参考人招致要求など攻勢を強める構えで国会審議にも影響しそうだ。
 防衛省の聴取に、田母神氏は自ら辞職する考えのないことを強調。論文発表が懲戒処分の対象に当たるかを調査する手続きにも応じない意向を示したため、問題の長期化を懸念した同省は「空将の地位にとどめるのは妥当ではない」として異例の定年退職に踏み切った。退職金は約6000万円という。
 防衛省によると、空幕長の定年は62歳だが、空将の定年は60歳。田母神氏は10月31日の空幕長更迭時点で、空将の定年を過ぎていた。同省は、論文発表が懲戒対象に当たるか確認するため、自衛隊法に基づき定年を1カ月間延長したが、田母神氏が調査に応じないため、定年延長を打ち切ったとしている。
 田母神氏は記者会見で「21世紀に発展するには自虐史観から解放されないと政策に影響が出る」と述べたが、謝罪や反省の言葉はなかった。
 「侵略」を認め「痛切な反省と心からのおわび」を表明した1995年の「村山談話」と、これを踏襲した政府見解について「国民が納得できるものか検証する必要がある」と述べた。その上で「現役(の空自トップ)として軽率だったかもしれないが、このぐらいのことが言えないようでは自由と民主主義の国ではない。北朝鮮と一緒だ」と主張した。
 田母神氏は「日本は侵略国家であったのか」と題した論文を発表。過去の中国侵略や朝鮮半島の植民地支配を正当化して「わが国が侵略国家だったなどというのはまさにぬれぎぬ」などと主張。浜田靖一防衛相は10月31日付で田母神氏を空幕長から更迭した。(共同)

前空幕長が論文受賞を事前承諾、主催者「本人から確認」

[2008年11月2日03時06分 読売新聞]

 田母神(たもがみ)俊雄・前航空幕僚長(60)(10月31日付で航空幕僚監部付)が、昭和戦争などに関して投稿した論文の内容を巡って更迭された問題で、田母神氏の論文を最優秀賞に選ぶ際、審査委員から「この論文を選出して、空幕長の立場は大丈夫なのか」との懸念が示され、主催者側が本人に確認を取っていたことが1日、わかった。
 審査委員長の渡部昇一・上智大名誉教授によると、主催者側からはその後、「(本人から)大丈夫との確認を得た」との説明を受け、田母神氏の作品を最優秀賞に選んだという。
 懸賞論文は、ホテル・マンション経営のアパグループ(東京都港区)が「真の近現代史観」をテーマに5月に募集。約230の応募論文の中から、田母神氏の論文「日本は侵略国家であったのか」など20点余りに絞り込まれ、上位4点については、最終段階で経歴が明らかにされたという。
 防衛省によると、田母神氏は現時点で、最優秀賞の賞金300万円とホテル招待券を受け取っていない。
 一方、田母神氏以外に、複数の現役自衛官が同じ懸賞論文に応募していたことが関係者の話でわかった。論文を外部に発表する際に内規で定められている届け出があったかどうかについて、同省では「現時点で把握していない」としている。

前空幕長の論文発表「口頭連絡」だけ、官房長も内容確認せず

[2008年11月1日14時40分 読売新聞]

 昭和戦争などに関して政府見解と反する論文を発表して更迭された航空自衛隊トップの田母神俊雄・前航空幕僚長(60)(10月31日付で航空幕僚監部付)が論文投稿前に、防衛省の中江公人官房長に「職務に関係ない個人的な論文を出す」と口頭で伝えていたことがわかった。
 自衛隊員は論文を外部に発表する際、文書で届け出るよう内規で義務付けているが、口頭で済ませた空幕長と、内容を確認しなかった官房長の双方とも内規をないがしろにした形で、同省による自衛隊へのチェック機能の不全ぶりが浮き彫りになった。
 防衛省は内規で、職員・自衛隊員が職務に関する意見を論文や講演で発表する際、文書で上司に届け出るよう定めている。
 空幕長の場合は、官房長に対して文書を提出しなければならなかったが、同省幹部によると、田母神前空幕長は「我が国が侵略国家だったなどというのは濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)だ」といった論文について、中江官房長にこの文書を提出しておらず、省外で会った際、論文提出の事実に会話の中で触れただけだった。
 関係者によると、田母神前空幕長は今回の問題が表面化した31日午後、空自の部下に対して「あれは職務に関するものではなく、個人的な論文だった」と説明していたという。
 中江官房長は、読売新聞の取材に、「(田母神前空幕長と)雑談をしている中で論文のことを聞いたが、報告とは受け止めていなかった。いつ聞いたのかすらも定かではなく、自分も『文書を出して』ということは思いも至らなかった。結果論からすれば文書を出してほしかった」などと釈明している。

口頭報告を受けたのに、そのままにした官房長も処分もんです。

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