厚生労働省が「就業形態の多様化の実態を把握すること」を目的とした調査結果を発表。派遣を選んだ理由の約4割が「正社員の仕事がない」から。
派遣労働者:「わたしは正社員になりたい」が5割――厚労省調査(毎日新聞)
パートや派遣の割合、4年で3.2ポイント増…正社員は減少(読売新聞)
厚生労働省の発表資料は、これ↓。
厚生労働省:2007年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況
派遣労働者:「わたしは正社員になりたい」が5割――厚労省調査
[毎日新聞 2008年11月8日 東京朝刊]
厚生労働省が7日公表した「働き方の多様化に関する調査結果」で、派遣労働者の半数近くが正社員で働くことを望んでいることが分かった。不況下で、派遣労働者が職を失う「派遣切り」が広まる中、安定した雇用を求める派遣労働者の意識が浮き彫りになった。【東海林智】
調査は99年に始まり3度目。昨年10月1日の状況を1万791事業所と労働者2万8783人から聞いた。
就業形態については派遣労働者の51.6%が「他の就業形態に変わりたい」と答え、希望の形態では「正社員」が91.9%。47.4%が正社員になることを望んでいることが分かった。理由は「正社員の雇用の方が安定している」(85%)がトップだった。
正社員の割合は62.2%(03年比3.2ポイント減)、非正社員は37.8%(同3.2ポイント増)。非正社員を選んだ理由(複数回答)は、パート労働者は「自分の都合の良い時間に働ける」(55.9%)、派遣労働者は「正社員の仕事がない」(37.3%)がそれぞれ最多。賃金は、派遣労働者は10万?20万円の42.2%(03年比2ポイント減)が最多、パートは10万円未満の60.3%(同9.5ポイント増)が最多で低下傾向が目立った。
パートや派遣の割合、4年で3.2ポイント増…正社員は減少
[2008年11月8日01時18分 読売新聞]
パートや派遣労働者など非正社員の割合が2007年10月1日現在で37.8%に上っていることが7日、厚生労働省の調査で分かった。
前回調査の03年から3.2ポイント増加した。正社員の割合は62.2%で、3.2ポイント減少している。
従業員5人以上の1万791事業所と、そこで働く2万8783人の回答をまとめた。非正社員がいる事業所は77.2%で、03年比1.9ポイント増。非正社員を活用する理由を複数回答で尋ねたところ、「賃金の節約のため」が40.8%と最も多く、「仕事の繁閑に対応するため」(31.8%)、「能力のある人材を確保するため」(25.9%)が続いた。
一方、07年9月に20万円以上の賃金を得た正社員は86.8%だったが、非正社員は21.5%のみ。10万円未満しか得ていない非正社員は40.5%に上った。