厚生労働省の調査で、派遣労働者や期間従業員の「雇い止め」が全国で3万人にのぼることが明らかに。
調査がおこなわれたのは全国で477事業所。雇い止め3万67人のうち2万8245人が製造業ということで、いかにこの間、製造派遣が広がっていたかということを示している。
一方、内定の取り消しは331人。取り消しがあったのは87事業所、そのうち8事業所が倒産、10事業所が民事再生というが、残り69企業は、そうした事情がないにもかかわらず内定取り消しをやったということだ。しかし、きちんと調べれば、もっと数が増えるのではないだろうか。
非正規雇用:「雇い止め」3万人 内定取り消し300人――厚労省調査(毎日新聞)
内定取り消し、来春卒業生331人…目立つ南関東(読売新聞)
厚生労働省発表資料はこちら↓。しかし、さしあたり新卒者の内定取り消しにかんするものしか見つからない。
非正規雇用:「雇い止め」3万人 内定取り消し300人――厚労省調査
[毎日新聞 2008年11月28日 東京夕刊]
厚生労働省は28日、非正規雇用労働者の期間満了・途中での雇い止めが3万人を超えるとする初の調査結果をまとめた。また来春の新卒者の内定取り消しは331人、高卒者求人数は前年同期比の3.8%減で6年ぶりに減少した。金融危機による世界的不況の中、雇用を巡る厳しい情勢が浮かんだ。
調査結果によると、派遣労働者や期間作業員など非正規雇用労働者の雇い止めを10月?09年3月に実施・実施予定の事業所は、全国で延べ477事業所、3万67人に上った。うち派遣労働者が1万9775人と65.8%を占めた。
契約期間中に雇い止めにされるケースは1万8573人(不明を含む)で6割超に及んだ。業種別では、製造業が2万8245人と大部分を占めた。都道府県別では、愛知県が4104人で最多。岐阜(1986人)▽栃木(1680人)▽長野(1616人)――と続く。自動車など大規模製造工場がある地域が目立つ。
調査は全事業者が対象ではなく、厚労省はさらに多くの雇い止めが行われているとみている。
厚労省は28日、期間満了での雇い止めは事業主に雇用維持の努力を求めること、中途解除では仕事の紹介など雇用安定の措置を取ることを事業者に指導するよう、都道府県労働局に通達を出した。
一方、09年3月卒業予定の新卒者の内定取り消しは25日現在、87事業所で331人に上った。内訳は大学生・短大などが302人、高校生が29人。87事業所のうち8事業所が倒産、10事業所は民事再生法が適用された。
調査は93年から実施、過去最多は証券会社が破綻(はたん)するなどした98年の1077人。これまではハローワークへの届け出件数をまとめたが、今回は大学への聞き取りも実施した。調査手法は違うが、今回は4番目の規模となった。
来春高校卒業予定者の就職内定率(9月末現在)は、51%(08年同期比1.3ポイント増)で98年以来の高い数字となった。男子が57.7%(同2ポイント増)、女子42.6%(同0.5ポイント増)。だが、求人数は前年同期比で3.8%減の29万3000人。6年ぶりの減少となった。【東海林智】
内定取り消し、来春卒業生331人…目立つ南関東
[2008年11月28日13時01分 読売新聞]
厚労省は28日、来春卒業予定の大学生や高校生らのうち、今月25日現在で87社の331人が採用内定を取り消されたと発表した。
内訳は、大学・短大・専修学校などが302人、高校生が29人。業種別で多いのは不動産業が12社84人、サービス業が23社66人、製造業が17社59人など。
地域別では南関東(埼玉、千葉、東京、神奈川)の41社140人、九州の9社60人、北陸の5社37人など。
原因別では、景気悪化の影響が66社212人、倒産が8社64人、民事再生法の適用申請が10社52人だった。
調査法が違うため単純比較できないが、近年では1998年3月卒の1077人が最多で、以後100?300人台となり、最近4年は2けた台。同省はハローワークなどに学生向け相談窓口を置き、企業に内定を取り消さないよう指導強化する。