アメリカ発の金融危機と日本の景気後退で、自動車メーカーの非正規雇用打ち切り発表が続いているが、今度は三菱自動車が非正規1100人、富士重工が800人の削減を発表。
その結果、「毎日新聞」によれば、自動車主要12社だけで1万4000人もの削減になる。これを放置すれば、次は正社員解雇の動きが始まるのは確実だ。
三菱自動車と富士重工、派遣従業員ら計1900人削減(朝日新聞)
自動車主要12社:189万台減産 1万4000人削減??08年度(毎日新聞)
三菱自動車と富士重工、派遣従業員ら計1900人削減
[朝日新聞 2008年11月27日20時38分]
三菱自動車と富士重工業は27日、国内工場の追加減産と従業員の削減計画を発表した。三菱は年内に1100人、富士重工が800人を削減する。金融危機による世界的な自動車の販売不振が国内雇用を直撃している。
三菱は名古屋製作所(愛知県岡崎市)、水島製作所(岡山県倉敷市)と子会社のパジェロ製造(岐阜県坂祝町)で、来年3月末までに計3万台以上を追加で減産する。4月発表の当初計画に比べ、減産台数は計11万台以上になる。追加減産を受け、京都府と滋賀県のエンジン工場を加えた国内5工場の派遣従業員と期間従業員の3300人のうち、年内に契約が満了する1100人の従業員を削減する。
富士重工は群馬製作所(群馬県太田市)で09年1?3月に計4万台を追加で減産する。4月の当初計画に比べると、減産規模は米国と国内で計6万台になる。富士重工も、12月末に契約満了する期間従業員750人と派遣従業員50人を削減する。
自動車主要12社:189万台減産 1万4000人削減??08年度
[毎日新聞 2008年11月28日 東京朝刊]
世界景気の悪化で新車の需要が急速に落ち込んでいることから、国内自動車メーカー主要12社が08年度中に国内外で計189万台を減産し、国内の非正規従業員(期間従業員と派遣社員)を計1万4000人規模で削減する見通しとなった。多くの雇用を確保してきた自動車産業の低迷は、国内景気に暗い影を落としつつある。【宮島寛、森有正】
三菱自動車は27日、国内外で今年度3万台の追加減産を行うと発表。約3300人いる非正規従業員のうち、約1100人を年末までに削減する方針も示した。富士重工業も同日、国内で4万台の追加減産を発表し、約1800人いる非正規従業員のうち約800人を年内に削減する。
トヨタ自動車は、今年度の世界生産計画を当初計画比95万3000台減の792万台に下方修正し、6月末から直営工場で働く期間従業員の新規採用や契約更新を停止している。4月に約9000人いた期間従業員は、来年3月末時点で約3000人に減る見通し。日産自動車も国内外で27万2000台以上を減産する方針で、国内直営工場の派遣社員約2000人について、12月末までに約1500人削減し、約500人にする。
自動車各社は国内では主に燃費効率の良い小型車を生産しており、小型車人気で好調な輸出に支えられ、高い稼働率を維持していた。しかし9月に金融危機が深刻化。世界各地の市場で自動車ローンの審査が厳しくなるなどして小型車の売れ行きまで落ちた。
乗用車主要8社が27日発表した10月の生産・販売・輸出実績でも、国内生産はトヨタが前年同月比17%減に落ち込むなど3社が前年割れとなった。プラスを維持したホンダなども「11月以降は国内工場で減産を始めるため、前年割れしそう」。各社はさらなる人員削減の可能性についても、「今後の販売動向を見る」(日産)などとし、人員削減幅が広がる可能性もある。
国内主要自動車会社の減産と従業員削減数 国内外の減産台数 国内の人員削減数 トヨタ 95万3000台 期間従業員6000人 日産 27万2000台以上 派遣社員1500人 ホンダ 14万1000台 期間従業員270人 スズキ 24万6000台 派遣社員600人 マツダ 4万8000台 派遣社員1300人 三菱自 11万台以上 派遣社員と期間従業員計で1100人以上 ダイハツ 3万台 非公表 富士重 6万台 派遣社員と期間従業員計で800人 いすゞ 2万8000台 派遣社員と期間従業員計で1400人 日野自 6400台 期間従業員約500人 日産デ 非公表 派遣社員200人 三菱ふそう 非公表 派遣社員と期間従業員計で500人