日経世論調査:内閣支持率 31%に急落

日経新聞が11月末に実施した世論調査の結果を発表。

麻生内閣の支持率が10月末の48%から31%に急落した。定額給付金は言うまでもなく、衆議院の解散・総選挙を先送りしたこと、第2次補正予算の提出を年明けに延ばしたことがことごとく不評。

しかし、民主党の支持率は伸びない。また、首相にふさわしいのは? の質問にも、「麻生・小沢両氏のどちらでもない」が最多の60%を占める。無党派層では、小沢氏がふさわしいとする回答は5%しかなかったそうだ。

内閣支持率急落31% 2次補正先送り「支持せず」56%(NIKKEI NET)

内閣支持率急落31% 2次補正先送り「支持せず」56%

[日本経済新聞 2008年12月1日付]

 日本経済新聞社とテレビ東京が11月28?30日に共同で実施した世論調査で、麻生内閣の支持率は31%となり、10月末の前回調査に比べて17ポイント低下した。不支持率は19ポイント上昇し62%となり、初めて支持と不支持が逆転した。追加経済対策の裏付けとなる2008年度第2次補正予算案の提出先送りについては「支持しない」が56%で「支持する」の28%を引き離した。

政党支持率 自・民ほぼ横ばい

 政党支持率は自民党が前回から2ポイント低下し39%、民主が1ポイント低下し30%となり両党ともほぼ横ばいだった。自民支持率は6月以来、民主を上回っている。
 内閣支持率は福田康夫前首相が退陣する直前の8月末の水準(29%)に近づいた。麻生内閣の支持率は発足から約2カ月で、政権維持に「黄信号」がともるとされる30%割れ目前となった。
 追加経済対策に盛り込んだ定額給付金は「評価しない」が66%で「評価する」の26%を大きく上回った。解散先送りの判断についても「支持しない」が52%で「支持する」は33%。政策判断の迷走や、首相の相次ぐ失言などが支持率の急落につながったようだ。
 内閣を支持しない理由を複数回答で聞くと「安定感がない」が前回から18ポイント上昇し44%で最も多かった。続いて「指導力がない」が42%、「政策が悪い」が39%だった。
 支持理由では「自民党の内閣だから」が44%でトップ、次いで「人柄が信頼できる」が22%、「国際感覚がある」が16%と続いた。
 2次補正の提出先送りについては自民支持層では「支持する」が45%で「支持しない」が39%に達した。公明支持層では支持が41%、不支持が50%となり、与党支持層でも評価が分かれた。民主支持層は支持が13%で、不支持が79%に達した。
 調査は日経リサーチが全国の成人男女を対象に乱数番号(RDD)方式により電話で実施した。有権者のいる1559世帯から938件の回答を得た。回答率は60.2%。

政権迷走に視線厳しく

[日本経済新聞 2008年12月1日付]

 日本経済新聞社の世論調査で、景気優先の看板を掲げながら、景気対策の裏付けとなる第二次補正予算案の提出を先送りするなど、迷走が目立つ麻生太郎首相への厳しい視線が浮き彫りになった。発言の撤回や失言が相次いだことで「安定感」 「指導力」などに疑問符が付いている。一方で民主党の支持も伸び悩んでいる。(1面参照)

解散「年明けまでに」51% 定額給付金「評価せず」66%

衆院解散・総選挙をいつ実施すべきか
10月 11月
できるだけ早く 30% 36%
年明けの通常国会冒頭 10% 15%
来春の予算成立後 14% 18%
急ぐ必要はない 36% 18%
その他、いえない・わからない 10% 13%

 調査結果をみると、首相の政局や政策の判断がことごとく裏目に出ていることがわかる。
 衆院解散・総選挙の時期については「できるだけ早く」(36%)と「年明けの通常国会冒頭」(15%)を合わせ、51%が年明けまでの解散を望んだ。続いて「来年春の予算成立後」が18%。「解散を急ぐ必要はない」も18%だったが、前回の36%から急低下した。
 自民党支持層では「年明けまで」が34%で「予算成立後」が26%。「急ぐ必要はない」は29%だった。民主支持層は「年明けまで」が74%で「来年春の予算成立後」は13%、「急ぐべきでない」は5%にとどまった。無党派層の5割近くも年明けまでの解散を求めている。
 解散先送りの判断については「支持」が33%で「不支持」は52%。自民支持層では支持が不支持を上回ったが、公明党支持層では支持が49%、不支持が48%と伯仲した。無党派層でも支持が29%で不支持が51%だった。
 総額2兆円の定額給付金を「評価する」は26%で「評価しない」が66%に達した。10月調査では、与党内で検討していた定額減税を「評価する」が54%で「評価しない」が32%だった。給付金方式への変更や、所得制限を巡る政府・与党内の混乱などで、評価が逆転した。
 定額給付金は自民支持層でも「評価する」が37%で「評価しない」が55%に上った。民主支持層では「評価する」が14%で「評価しない」は83%。公明支持層では61%が「評価する」で「評価しない」は32%にとどまった。無党派層は19%が評価し、71%が評価しなかった。
 麻生内閣の仕事ぶりについては「評価しない」が63%で前回から24ポイントの大幅な上昇。「評価する」は15ポイント低下して19%にとどまった。

選挙後の首相 ふさわしいのは「麻生・小沢氏でない」60%

[日本経済新聞 2008年12月1日付]

 政党支持率は自民が2ポイント低下の39%、民主が1ポイント低下の30%だった。麻生内閣の支持率は急低下したが、民主の支持率は横ばいを続けており、不満の受け皿になりきれていない。
 「衆院選後の首相にふさわしい人」を尋ねたところ、麻生首相は17%で前回の36%から急落したが、民主党の小沢一郎代表は前回からわずか1ポイント上昇の17%にとどまった。最も多いのは「麻生首相と小沢氏のどちらでもない」の60%だった。麻生首相から小沢氏への「乗り換え」はほとんどなかった。
 民主支持層でも「どちらでもない」が51%で、小沢氏は44%にとどまった。無党派層では85%が「どちらでもない」で、小沢氏は5%にすぎなかった。
 自民支持層では麻生氏支持hが前回の69%から34ポイント低下した35%。自民党内でも「麻生離れ」が急速に広がっており、「どちらでもない」が53%に達した。

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