キヤノン、東芝が非正規1600人を首切り

キヤノン、東芝があわせて約1600人の派遣、期間従業員を来年3月までに解雇することに。

地方の製造関係でも、非正規従業員の解雇が広がっている。

キヤノン・東芝、大分で派遣ら1557人削減へ(読売新聞)
東芝北九州工場、全派遣社員打ち切りへ(読売新聞)
関自工従業員300人削減 大半が岩手工場(河北新報)
埼玉県内、車関連で派遣社員の削減深刻 曙ブレーキは全員(NIKKEI NET)

キヤノン・東芝、大分で派遣ら1557人削減へ

[2008年12月4日 読売新聞]

 キヤノンと東芝が大分県内の事業所で、派遣・請負会社や期間従業員との契約を来年3月までに解除し、大幅な人員削減に踏み切る方針であることが4日わかった。厚生労働省関係者によると、削減は1557人にのぼる。
 削減の内訳はキヤノンのカメラ生産子会社・大分キヤノン(大分県国東市)が1097人、プリンター用トナーカートリッジを生産する大分キヤノンマテリアル(同県杵築市)が80人。東芝は、半導体チップを生産する大分工場(大分市)で、期間契約従業員ら計380人の雇用を打ち切る見通し。キヤノンの御手洗冨士夫会長は日本経団連会長を務めており、雇用確保が叫ばれる中、大幅な人員削減は議論を呼びそうだ。
 成長を続けてきたデジタルカメラ市場は、世界的な景気減速の影響を受け、急速に縮小しており、キヤノンは生産計画を下方修正している。東芝もパソコンなどに搭載する半導体の需要が落ち込んでいる。キヤノンは、トナーカートリッジなどを生産する日田キヤノンマテリアル(同県日田市)の新工場の着工延期を決めたばかりだった。
 大分キヤノンは1982年の設立で国東市と大分市に工場があり、従業員は9月末で約4600人、同マテリアルは98年に創業し、従業員は1642人(4月現在)。東芝大分工場は70年設立で、3月末時点の従業員は4506人。
 大分県では、ダイハツ九州(同県中津市)の進出やキヤノンの工場増設などにより、2006年6月から昨年末までほぼ毎月、有効求人倍率が九州で唯一、1倍を上回っていたが、今年10月時点では0.76倍と雇用環境が急速に悪化している。

東芝北九州工場、全派遣社員打ち切りへ

[2008年12月4日 読売新聞]

 東芝が北九州工場(北九州市)の全派遣社員約200人の受け入れを今月末までに打ち切る方針であることが3日、明らかになった。同工場は主に自動車向けの半導体を製造しており、自動車メーカーの相次ぐ減産の影響が周辺産業にも及んできたことを示した形だ。
 北九州工場は、自動車や家電製品の電気信号処理を行うアナログ半導体と、自動車の計器盤に使われる発光ダイオード(LED)などの光半導体を製造。2003年に開発拠点を併設するなど半導体部門の主要工場と位置づけられている。
 工場には、正社員と派遣社員を合わせ約1300人(3月末時点)の従業員がいる。派遣の打ち切りは、契約の中途解除や更新の見送りなどで行い、すでに一部は実施している。
 東芝は7月までに四日市工場(三重県四日市市)、10月には子会社の岩手東芝エレクトロニクス(岩手県北上市)でも派遣社員を削減している。

関自工従業員300人削減 大半が岩手工場

[河北新報 2008年12月03日水曜日]

 トヨタ自動車系車体メーカーの関東自動車工業(神奈川県横須賀市)が来年3月までに、契約社員など約300人の期間従業員の削減を計画していることが2日、分かった。削減対象の大半が岩手工場(岩手県金ケ崎町)の従業員で、製造する小型車の米国での販売不振による影響が大きい。同県内では東芝子会社の岩手東芝エレクトロニクス(北上市)が約180人の期間従業員削減を進めており、地域の雇用不安がより深刻化しそうだ。
 関自工によると、対象は契約と派遣の社員。来年3月までに契約期間を終える従業員と再契約を結ばない形で進める。
 東富士工場(静岡県裾野市)も対象になっているものの、約300人のほとんどが岩手工場という。岩手工場の期間従業員は約1200人で、4分の1の雇用が打ち切られることになる。
 トヨタは世界的な金融危機などによる販売不振を受け、国内外で約95万台を減産する方針。
 関自工岩手工場は昨年、35万台を生産したものの、今年9月中間期は約15万5000台で、年産30万台ペースに減少。燃費の良い小型車を生産しているため、原油高の影響は少なかったものの、輸出先の米国の販売不振が続いてさらなる減産と人員削減が避けられない状況となっている。
 同社総務・渉外部は「(削減の)300人は現段階の目安。生産回復など今後の状況によっては少なくすることもあり得る」と説明している。
 岩手県労政能力開発課は「関自工が人員を削減すれば、地域の雇用はさらに悪化する。県内企業に非正規雇用の契約打ち切りを自粛するように求めていくしかない」と話している。

埼玉県内、車関連で派遣社員の削減深刻 曙ブレーキは全員

[NIKKEI NET 更新:12月4日]

 埼玉県に本社を置く自動車関連企業や工場で非正規従業員の削減が進んでいる。取引先の減産に伴う措置。埼玉労働局の調査でも9社で合計1050人の削減計画が明らかになっている。世界的な需要急減の影響は県内雇用にじわりと及び、今後も拡大する可能性がある。
 埼玉県羽生市の曙ブレーキ工業は3日までに、国内で495人(10月末時点)いた派遣社員をゼロにすると決めた。2009年3月末までに期日を迎える契約更新をすべて見送る方針。ドラムブレーキなどを製造する主力工場、曙ブレーキ岩槻製造(さいたま市)でも190人いた派遣社員がゼロになる。
 曙ブレーキ工業は「情勢を見極めにくく生産計画が固まらない。取引先が減産している以上人員減は必要」と説明している。

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