銀行の貸出残高が16年ぶりに3.6%と大きく伸びたというニュース。
銀行の「貸し渋り・貸しはがし」で、多くの中小業者が「年が越せるか…」と言っているときに、これはいいニュースと思ったら、とんでもない。貸し出しが増えているのは大企業向け。現下の金融不安でCPなどの発行が思うに任せないため、銀行融資に回帰したということだ。ただでも厳しくなっている銀行融資を大企業が奪ってゆくようなことになれば、中小業者は踏んだり蹴ったり(踏まれたり蹴られたり?)だ。
全国銀行、11月の貸出残高3.6%増 企業の借り入れ依存映す(NIKKEI NET)
大手6行、融資17年ぶり伸び 11月末4.7%増(NIKKEI NET)
全国銀行、11月の貸出残高3.6%増 企業の借り入れ依存映す
[NIKKEI NET 12/8 15:08]
日銀が8日発表した11月の「貸出・資金吸収動向」によると、全国銀行の貸出残高(月中平均)は400兆1200億円で前年同月比3.6%増えた。増加幅は16年7カ月ぶりの大きさ。金融市場の混乱を背景に、コマーシャルペーパー(CP)などによる市場での資金調達が難しくなっており、企業が銀行借り入れへの依存を強めていることを反映した。
貸出残高は9月の米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻以降の金融危機を受け、10月に約16年ぶりの増加幅(2.3%)を記録。11月はさらに増加幅を広げた。日銀は「市場機能の低下に伴い、CPからの振り替えや年末に向けて手元資金を厚めにしようという企業が増えた」(金融機構局)とみている。
11月のCPの引き受け残高は13兆6500億円と9.9%減少。1年9カ月ぶりの減少幅となった。格付けの高い一部の優良企業はCPでの調達を再開し始めたものの、全体としては低調。「CPからのシフトなどの要因を除けば、資金需要の実態は弱含んでいる」(同)という。
大手6行、融資17年ぶり伸び 11月末4.7%増
[NIKKEI NET 2008年12月05日 21:38]
大手銀行の企業向け貸し出しが増えている。全国銀行協会が5日発表した11月末の都市銀行(大手銀行)の貸出残高は191兆6900億円で、前年同月比4.7%増え、17年3カ月ぶりの高い伸び率となった。世界的な金融危機に伴い、コマーシャルペーパー(CP)や社債などで資金調達していた大企業が銀行借り入れに回帰。中小企業向け融資が伸びないなかで、金融市場のゆがみを反映した形になった。
大手銀行は三菱東京UFJ、みずほ、みずほコーポレート、三井住友、りそな、埼玉りそなの6行。
貸出残高の伸び率は今年半ば以降、1%前後だった。米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻をきっかけに、世界の金融市場の混乱が深刻化した10月に3.7%まで急上昇した。