株も社債もみんな買い取り―これで資本主義といえるのか?!

株は公的資金を使って20兆円規模で買い取り、企業の発行する社債(CP)も政策投資銀行や日銀が直接買い付けることに。

ここまで至れり尽くせりとは…。「官から民へ」と言っていたはずなんですが。

しかし、株やCPを発行した企業が倒産すれば、結局、税金で穴埋めすることになります。これで資本主義って言えるんでしょうか?

銀行保有株、買い取り枠20兆円規模 与党チーム方針(朝日新聞)
年内にCP購入を実施する方針=政策投資銀行 | Reuters
日銀:0.1%に利下げ CP買い取りなど、資金供給を拡大??決定会合(毎日新聞)

株でなけなしの退職金が半分以下になってしまったという人も、ぜひ株を買い取ってもらいたいに違いありません。金策に困っている中小零細企業の社長さんも、ぜひ社債を発行して資金を確保したいと思っているでしょう。

銀行保有株、買い取り枠20兆円規模 与党チーム方針

[asahi.com 2008年12月18日20時3分]

 与党の金融危機対応プロジェクトチームは18日、政府による銀行保有株の買い取り再開に絡み、買い入れ枠を過去の2兆円から20兆円規模に拡大する方針を固めた。「株式市場を安定化させるメッセージ」(与党幹部)と位置づけ、週明けの22日にも議員立法の関連法案について、党内で正式決定したい考えだ。
 政府は02年の株価急落時に金融機関の経営不安を取り除くため、「銀行等保有株式取得機構」を設立。2兆円の保証枠を設けて同年2月から06年9月まで、銀行などが保有する約1.5兆円分の株式を買い取った。
 今回は3年程度の時限立法。過去の買い取りは銀行の保有株が中心で、企業からの買い取りは銀行が先に売却した場合に限定していたが、新たに一般企業の先行売却分も認めて使い勝手をよくする。

年内にCP購入を実施する方針=政策投資銀行

[ロイター 2008年 12月 18日 18:32 JST]

 [東京 18日 ロイター] 日本政策投資銀行は18日、金融危機に対応した危機対応業務の発動にもとづいて、年内に市場からCPを購入する方針を明らかにした。CP市場の機能低下により円滑な資金調達に支障をきたしている企業金融の再活性化をはかる観点から、同行の審査機能を活用しつつ購入していく。
 危機対応業務は、内外の金融秩序の混乱、大規模災害などの危機発生時において日本政策金融公庫からの信用供与などを受け、政府が指定する金融機関が必要な資金を供給する業務。今月12日に「生活防衛のための緊急対策」策定について政府から発表があり、その中で企業の資金繰り確保を最重要課題として、CP市場の機能低下に対する手当てについて、危機対応業務の発動・拡充が示された。

日銀:0.1%に利下げ CP買い取りなど、資金供給を拡大??決定会合

[毎日新聞 2008年12月19日 東京夕刊]

 日銀は19日の政策委員会・金融政策決定会合で、政策金利である短期金利(無担保コール翌日物)の誘導目標を現行の年0・3%から0・2%引き下げ、年0・1%とすることを決めた。10月末に続く利下げには慎重論も根強かったが、急速な円高や景気後退の深刻化を懸念し、追加利下げに踏み切った。【斉藤望】
 また、資金供給の拡充策として、企業が資金調達のため発行するコマーシャルペーパー(CP)を新たに買い取ることや、金融機関が保有する長期国債の買い取り増額(現在は月1兆2000億円)を決めた。金融危機による企業の資金繰り悪化を改善する狙い。
 日銀は同時に景気判断を下方修正し、従来の「停滞」から「悪化」と、より厳しい認識に変更した。日銀が景気判断を「悪化」と表現するのは、IT(情報技術)バブル崩壊後の02年以来6年ぶり。
 日銀の白川方明総裁は19日午後に会見し、利下げの理由などを説明する。
 日銀は10月31日に政策金利を年0.5%から0.3%に引き下げ、今月2日には企業の資金繰り支援のため金融機関への低利での資金供給を発表した。だが、日銀の12月企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感が急速に冷え込んでいることを示した。
 さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)が事実上のゼロ金利政策を導入し、日米の政策金利が逆転した。外国為替市場の円相場は一時、13年ぶりの1ドル=87円台に急騰し、円高が日本経済にさらに打撃を与える恐れが強まっている。
 一方、金融危機による市場の混乱でCPや社債の発行額が減少しており、企業の資金調達環境は厳しくなっている。日銀は金融機関への資金供給の担保としてCPを一時的に保有する取引はしてきたが、買い取りは認めていなかった。

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【解説】米ゼロ金利で方針転換

 日銀が追加利下げに踏み切ったのは、急速な円高の進行を食い止め、日本経済の悪化を防ぐ狙いがあるとみられる。日銀は追加利下げに慎重な構えを示してきたが、米連邦準備制度理事会(FRB)が事実上のゼロ金利政策に踏み切ったことを受けて、方針転換を迫られることになった。
 日本の基幹産業である自動車や電機は輸出依存度が高く、主力市場の米国の景気低迷で業績が大幅に悪化している。輸出に不利な円高がさらに進めば、ダメージは計りしれない。市場では「日銀が利下げを見送ると、円がさらに上昇する」との見方が広がっていた。
 日銀は10月末に約7年7カ月ぶりに利下げした。ただ、その後は、「今後の景気悪化に備え、利下げ余地を温存しておきたい」との思惑が日銀には強かった。だが、急速な円高が進んだことで、市場に追い立てられる格好で、追加利下げに転じた。10月の利下げも、当初は消極的だったが、金融危機の拡大で市場が混乱、円相場が急騰したことを受け、利下げを決めている。
 危機収束のめどは立たず、景気後退は長期化も予想される。日銀は今後、ゼロ金利や量的緩和政策の復活も迫られかねない状況にある。【坂井隆之】

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