失業手当の問題その2。
日本の場合、いざ失業したときにもらえる失業手当は最長で330日(11カ月)。しかし、これは、45?60歳で、雇用保険に20年以上加入していて、なおかつ「会社都合」で失業した場合。加入期間5年未満の場合は、「会社都合」で退職させられたときも90日しかもらえない。
「自己都合」で失業した場合は最長でも150日(5カ月)しかもらえない。加入期間10年未満の場合(若者の多くは、これに該当するだろう)は90日(3カ月)だけ。しかも、給付を3カ月も待たされる。これでは、いざというときにほとんど頼りにならないのではないだろうか。
日本の失業手当をもらえる日数は、以下のとおり。
加入期間 | 10年未満 | 10年以上 20年未満 |
20年以上 |
給付日数 (年齢制限なし) |
90日 | 120日 | 150日 |
1年未満 | 1年以上 5年未満 |
5年以上 10年未満 |
10年以上 20年未満 |
20年以上 | |
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | — |
30歳以上 35歳未満 |
90日 | 90日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35歳以上 45歳未満 |
90日 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45歳以上 60歳未満 |
90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60歳以上 65歳未満 |
90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
たとえばドイツの場合は、55歳以上の場合は、加入期間が5年間で48カ月以上で最長18カ月の支給が受けられる。若者の場合でも、12カ月加入で給付期間は6カ月だ。
↑出所:定例報告2005?2006年の海外情勢(厚生労働省)、139ページ
さらに、失業給付が終わっても、「働くことはできるが仕事がなく(十分な収入のない低賃金労働者も含む)生活に困窮している者(大半は失業給付の受給期間が終了した者)」を対象に、「最低生活水準を維持できる程度の額(単身者の基準給付月額は345ユーロ(2007年1月現在)」を支給するという「失業給付II」という制度がある。
また、失業状態にあった人が「創業によって失業状態を脱した場合」には、「当面の生活費を助成するため」に失業給付と同額の「橋渡手当」が最大6カ月もらえる。つまり、失業手当と同額の手当をもらいながら、自分で商売を始めてみることもできるという訳だ。
詳しくは、厚生労働省の「定例報告2005?2006年の海外情勢」の中の「各国にみる労働施策の概要と最近の動向(ドイツ)」(PDFファイル、470KB)を参照してください。