土曜日、先週のサンデーコンサートに続いて、アレクサンドル・ラザレフの日フィル首席指揮者就任披露演奏会ということで、サントリーホールで日フィルの定期演奏会を聴いてきました。プログラムは、以下のとおり。ラザレフは、3年かけて、プロコフィエフの交響曲の全曲演奏を予定しています。
- プロコフィエフ:交響曲第1番 ニ長調 《古典》
- モーツァルト:協奏交響曲 変ホ長調
- プロコフィエフ:交響曲第7番 嬰ハ短調 《青春》
ソリストは、ヴァイオリンが漆原朝子さん、ヴィオラが僕の大好きな今井信子さんでした。
先日のチャイコフスキーに比べると、この日の日フィルはちょっと音が硬く、細部にいたるまできれいに音が揃うという訳にはゆきませんでした。そから、トランペット、先日のチャイコのように目一杯吹くときはいいのですが、弱音になると、いささか音程が不安定。まあしかし、これは、プロコフィエフの交響曲がそれだけ難しいということだと思います。
モーツァルトの協奏交響曲では、2人のソリスト、とくに今井信子さんのヴィオラが伸びやかな音を響かせていました。ただ、オケのほうは、モーツァルトらしい軽やかさにはもう一歩。どうしても足下がねばってくる感じで、ここらあたりがラザレフがプロコフィエフをやることで克服しようとしているところかも知れません。
なんにしても、日フィルが、かつてとは違う、“新しい音”を響かせ始めたことは確かです。ラザレフの目指している方向を、まだ100%達成はできていなくても、そこに向かって一生懸命やっていることは伝わってきました。これからの日フィルに大いに期待したいと思います。
ちなみに、この日のプロコフィエフ交響曲第7番は、プログラムに「まず最初にオリジナル版で演奏し、その後、初演の際使用された改定版による最終楽章の演奏を改めて行います」とありました。“じゃあ、いったいいつ拍手したらいいんだろう?”などと心配しながら聴いていましたが、オリジナル版の第4楽章が終わったところで、拍手大喝采。いったん袖にひきあげ、ふたたび登場して、オケをたたせ…と、いつものようにやったあと、ラザレフがマイクを持って登場。そして、流暢な? 日本語で、「いま演奏したのはプロコフィエフが最初に書いたもの。これから、プロコフィエフが書かされた第4楽章を演奏します」と説明。ラザレフは、客席やオケに「書かされた?」と問いかけ確かめるようにして、改定版第4楽章を演奏していました。
【演奏会情報】 日本フィルハーモニー交響楽団第607回東京定期演奏会
指揮:アレクサンドル・ラザレフ/ヴァイオリン:漆原朝子/ヴィオラ:今井信子/コンサートマスター:木野雅之/会場:サントリーホール/開演:2009年1月17日 午後2時?
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