テレビ東京「カンブリア宮殿」に、日本共産党の志位和夫委員長が出演。村上龍氏、小池栄子さんと対談しました。
なるほどと思ったのは冒頭、村上龍氏が番組の意図を説明したくだり。村上氏は、「今日は僕のアイデアで、志位さんに来てもらった」と断った上で、こんなふうに問題関心がどのあたりにあるかを明らかにしました。
昨年から続いている「派遣切り」とか「雇い止め」とかで、いま日本のなかの不公平感が社会の許容量を超えて広がりつつある。それは社会の安定にとって非常によくないと思う。そんななかで、一部の若者たちが共産党を支持したり、新しく党員になったりしている。そこで、共産党が本当に受け皿になれるのか、そのあたりを率直にうかがいたい。
番組は、途中解雇され、アパートを追い出された派遣労働者などの取材などを紹介する一方で、「日本経済新聞」編集委員やマンパワー・ジャパンのグリーン社長兼会長を登場させて、「派遣を禁止したら、企業が海外へ逃げるだけだ」という主張も紹介していました。とくに、グリーン社長は、「派遣切りと言われることについてどう思うか」と問われて、次のように発言していました。
もっと日本の経営者に感謝しろという感じです。もっと利益主義になろうとすれば、どんどんできるんですよ。それを控えめにしているのが、みんなわからないのか、と。
まあ、こりゃすごい開き直りですねぇ…。しかし、これは、まさに番組のなかで志位さんが紹介していた『資本論』のくだりそのもの。志位さんが紹介していたのは、この部分です。
“大洪水よ、わが亡きあとに来たれ!” これがすべての資本家およびすべての資本家民のスローガンである。だから、資本は、社会によって強制されなければ、労働者の健康と寿命のことはなにも考えない。(『資本論』第1部第8章「労働日」第5節から。新日本新書版第2分冊、464ページ)
社会が規制しなかったら、資本家は、労働者の健康や寿命について何も配慮しない、こき使うだけこき使うぞ、というのです。しかし、そうなったら、村上氏がいうように社会の許容範囲を超えてしまうし、社会の基盤が崩れてしまい、結局、資本主義としても存続できなくなるぞ、というのが、志位さんの指摘でした。
ところで小池栄子さんは、最初に村上氏に「共産党ってどんなイメージ?」と聞かれて、「考えたことがなくて、どういったものと聞かれても答えられないし、分からない」と答えていました。ここらあたりが、多くの人の率直な感じでしょうね。それでも、志位さんが、先ほど紹介した『資本論』のくだりを読むと、ちょっと興奮したように「マルクスといま、初めてふれあいました、私」とも。ほんと、マルクスっていいこと言ってるんですよ。(^^;)
ということで、番組をご覧になれなかった方は、こちら↓からどうぞ。
テレビ東京「カンブリア宮殿」 日本共産党委員長・志位和夫(2009年1月19日放送)
ただし、正味で45分ほどあるので、動画はかなり圧縮してあります。それでも、wmvファイルで110MBにもなりました。右クリックして、ダウンロードして保存した上でご覧ください。