各種世論調査で、麻生内閣の支持率がついに10%台前半になった。不支持率70%以上というのは、もはや見捨てられているということでしかないだろう。
相変わらず面白いのは「毎日新聞」の「首相にふさわしいのは?」の結果。麻生8%はともかく、小沢一郎氏も25%で前回調査と変わらず。圧倒的多数は「どちらもダメ」61%。
麻生内閣:支持11%…政権運営さらに窮地 本社世論調査(毎日新聞)
「首相は早く辞めて」71% 朝日新聞緊急世論調査(朝日新聞)
政策停滞、政権に不信感 日経世論調査、景気対策「評価せず」40%(NIKKEI NET)
内閣支持13%、下落加速 共同通信世論調査(中国新聞)
麻生内閣:支持11%…政権運営さらに窮地 本社世論調査
[毎日新聞 2009年2月22日 22時51分(最終更新 2月23日 10時07分)]
毎日新聞は21、22両日、電話による全国世論調査を実施した。麻生内閣の支持率は1月の前回調査比8ポイント下落の11%で、現在と同じ質問形式にした1949年以降、89年3月の竹下登内閣、01年2月の森喜朗内閣の各9%に次ぐワースト3位の低水準となった。麻生太郎首相がいつまで政権を担当すべきかを尋ねた質問でも「今すぐ辞めるべきだ」との回答が39%に達し、首相の政権運営は一層窮地に陥った。
不支持率は前回比8ポイント増の73%で、前回記録した01年2月の森内閣の75%に次ぐワースト2位を更新した。支持率は昨年9月の内閣発足直後には45%。その後は同10月に不支持率に逆転を許すなど調査のたびに下落し、当初の4分の1にまで落ち込んだ。
不支持理由は「首相の指導力に期待できないから」が最多で前回比11ポイント増の44%。支持理由の「首相の指導力に期待できるから」も3ポイント減の9%で、首相の指導力を疑問視する世論がうかがえた。
支持率下落に歯止めがかからないのは、中川昭一前財務・金融担当相の「もうろう会見」による引責辞任も要因とみられ、中川氏を閣僚に任命した首相の責任については「責任がある」が58%で、「責任はない」の37%を大きく上回った。
「麻生首相と民主党の小沢一郎代表のどちらが首相にふさわしいか」との質問への回答は、麻生首相が前回比8ポイント減の8%。小沢代表は横ばいの25%で、差は17ポイントに広がった。
政党支持率は自民党が前回と同じ20%、民主党が3ポイント増の29%。4回連続で民主党が自民党を上回った。「次の衆院選で自民党と民主党のどちらに勝ってほしいか」という質問への回答も自民党が5ポイント減の22%、民主党は1ポイント増の51%だった。
政府・与党が政権浮揚の材料として期待する定額給付金に対しては、「評価する」が2ポイント減の20%、「評価しない」が1ポイント減の73%で、理解は広がっていないことを示した。
首相の政権担当時期に関する回答は、「今すぐ辞めるべきだ」のほか、「来年度予算の成立まで続けるべきだ」39%、「夏ごろまで続けるべきだ」7%、「できるだけ長く続けるべきだ」8%だった。【坂口裕彦】
「首相は早く辞めて」71% 朝日新聞緊急世論調査
[asahi.com 2009年2月20日23時40分]
中川財務相の辞任を受けて、朝日新聞社が19日夕から20日夜にかけて実施した緊急の全国世論調査(電話)によると、「麻生首相は早く辞めてほしい」との答えが71%に達した。内閣支持率は13%で、今月7、8日の前回調査の14%に続いて低迷。不支持は75%(前回73%)だった。
衆院の解散・総選挙を「早く実施すべきだ」は64%と前回60%から増え、国民の審判による局面打開を求める声がさらに広がりを見せている。
内閣支持率は、自民支持層でも40%で、不支持の44%より少ない。無党派層ではわずか3%になった。全体の支持率が48%だった昨年9月の内閣発足直後の調査では、無党派層の支持率も31%あったが、5カ月間ですっかり底をついてしまった格好だ。
辞任に追い込まれた中川氏を財務相に任命した麻生首相の責任は「大きい」とする人が50%だったが、「それほどでもない」も43%と一定程度いた。中川財務相辞任をめぐる首相の対応が「適切だった」は37%にとどまり、「適切ではなかった」が52%だった。
中川財務相の辞任問題以上に首相に否定的な評価が多かったのは、麻生首相が、小泉内閣の総務相時代に郵政民営化に賛成ではなかったと発言したことについてだった。この発言に「納得できない」が79%に達し、「納得できる」は14%しかいなかった。
こうした一連の「麻生離れ」もあって、首相にふさわしいのは麻生首相か民主党の小沢代表かの問いでは、麻生氏19%、小沢氏45%と、前回(20%対39%)より、さらに小沢氏優位となった。
政策停滞、政権に不信感 日経世論調査、景気対策「評価せず」40%
[NIKKEI NET 更新:02月23日 08:17]
日本経済新聞社の世論調査で、内閣支持率が歴史的な低水準に落ち込んだ背景には、深刻な景気低迷に直面しながら、閣僚の不祥事や自らの不用意な発言などに忙殺され、有効な対策を実行に移せない麻生太郎首相への不信感がある。さかのぼると、景気悪化と内閣支持率の低迷は「負のスパイラル」を描くことが多い。首相はいよいよ厳しい局面に立たされたといえそうだ。
麻生内閣の仕事ぶりを「評価する」は10%で、1月の前回調査から4ポイント低下し「評価しない」は81%で7ポイント上昇した。評価しない理由では「景気対策への取り組み」が4ポイント上昇し、40%に達した。「年金や医療問題への取り組み」が17%、「金融危機対策への取り組み」が16%で続き、喫緊の課題に対応できない政権へのいらだちが浮き彫りになった。
内閣支持13%、下落加速 共同通信世論調査
[中国新聞 2009/2/19]
共同通信社が17、18両日に実施した全国緊急電話世論調査で、麻生内閣の支持率は13.4%と今月7、8両日の前回調査から4.7ポイント低下し、2001年に退陣した森内閣(最低6.5%)に次ぐ低水準となった。不支持率は76.6%で前回からわずか10日で5.7ポイント急増。支持率下落は加速しており、政権末期の様相だ。
望ましい衆院解散・総選挙の時期は「今すぐに」32.0%、「09年度予算成立後の4月ごろ」38.8%。4月までの解散を望む声は計70.8%に達し、前回62.3%から増加した。
ろれつが回らない状態で記者会見し、辞任した中川昭一前財務相兼金融担当相に対する麻生太郎首相の任命責任について「大いに責任がある」としたのは33.7%、「ある程度責任がある」は47.1%で計80.8%に及んだ。辞任自体に関しては「当然だ」が84.1%、「辞任しなくてよい」は12.8%だった。
定額給付金の財源を確保する08年度第2次補正予算関連法案を衆院再可決で成立させる与党の方針については反対が61.3%で、賛成の29.9%の2倍に達した。
支持層別の内閣支持率をみると、自民支持層では不支持54.3%、支持34.7%。公明支持層が不支持55.8%、支持12.9%で、いずれも麻生内閣としては初めて不支持が上回り、与党支持層の「麻生離れ」が鮮明になった。
望ましい政権の枠組みは「民主党中心」が53.4%と「自民党中心」の28.1%を上回った。次期衆院選比例代表の投票先は民主40.2%、自民23.9%。政党支持率も民主33.6%、自民27.2%となった。
麻生首相と小沢一郎民主党代表の「どちらが首相にふさわしいか」は小沢氏が46.4%で、麻生氏の20.4%を大きく引き離し、麻生政権で最も差が開いた。
内閣不支持理由は「首相に指導力がない」28.4%、「首相が信頼できない」23.6%など。自民、民主以外の政党支持率は公明3.5%、共産2.8%、社民3.0%、国民新1.0%、改革クラブ0.1%、支持政党なし25.7%。新党日本は支持回答がなかった。
ところで、今日の「毎日新聞」夕刊で、専門編集委員の牧太郎氏が「いつのころからか、『国会議員の生活』を守るタメに選挙をしている」と面白い指摘をしている。