燃え上がらぬ恋の思い

新日本フィルハーモニー交響楽団 第442回定期演奏会(2009年3月6日)

日フィルの定期演奏会とかぶってしまいましたが、そちらは知人に譲って、オイラはすみだトリフォニーへ。今回は、ダニエル・ハーディングの指揮で、フランスもの特集です。

 ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
 ラヴェル:ラ・ヴァルス
 ベルリオーズ:幻想交響曲 op.14

1曲目「牧神の午後への前奏曲」は、少し前に、NHKの「名曲探偵アマデウス」でも、とらえどころのない曲としてとりあげられていましたが、なるほど確かに、そのとおり。しかし、そのとらえどころのない曲のとらえどころのなさを的確に演奏していくあたり、なかなかの名演だったかも知れない。

2曲目は、今月の都響定期でも演奏される曲。こちらは、やや硬い感じで、いま一つ。

で、休憩のあと、本日のメインディッシュ、ベルリオーズの幻想交響曲だったのですが、第1楽章が始まったとたん、「おっ、遅い…!!」。もう、ほとんど足を引きずるような遅さで、恋に燃えた青年芸術家の”狂気”が全然伝わってきません。

第2楽章で大活躍するハープ4台を、わざわざ指揮者の近くに侍らしたものの、これもあまり効果が感じられませんでした。むしろ、左右目一杯に離して配置した方が、音が踊って、よかったんじゃないのかなぁ?、などと思って聴いていました。で、そんなふうにハープを真ん中に並べたものだから、第2楽章のあと、係員が舞台に登場して、ごそごそハープを片付ける破目に。あっという間に片付けられたとはいえ、ますます興ざめ。

ハーディングの指揮は明確で、新日フィルも的確にそれに答えていました。弦の響かせ方などで、ところどころ、「ああ、ハーディングはこういうふうにしたいんだ」と思わせるところもありましたが、しかし結局、第5楽章まで燃え上がらぬまま終わってしまいました。

【演奏会情報】 新日本フィルハーモニー交響楽団第442回定期演奏会
指揮:ダニエル・ハーディング/コンサートマスター:豊嶋泰嗣/会場:すみだトリフォニーホール/開演:2009年3月6日 午後7時15分?

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