井村喜代子氏は、投機について「投機は価格変動それ自体から価格差益(投機利益)を獲得しようとする取引である」(『日本経済――混沌のただ中で』勁草書房、2005年、24ページ)と指摘されている。
だから、社会のさまざまなところから余剰資金を社会的に集めて、資本を必要とするところにそれを貸し付けるという本来の金融と、投機とのこの区別が重要。
マルクスは、第25章「信用と架空資本」に続けて、第27章で次のように書いている。(ちなみに、第26章はマルクスが『資本論』とは別のことのために書き抜きをしていたものをエンゲルスが組み込んでしまったもの ((不破哲三『「資本論」全三部を読む』新日本出版社、6分冊、213-214ページ参照。))なので、マルクスのつもりとしては、本文は第27章に続いている)。