「朝日新聞」が、西松建設違法献金問題で公設第一秘書が起訴された民主党・小沢一郎代表の「続投」について、世論調査を実施。
86%が「説明は不十分」と回答。63%が「代表を辞める方がよい」と答えています。政党支持率や総選挙で投票する政党では、民主党の支持率が下がり、自民党は微増。
おりから、29日投票の千葉県知事選挙では自民党の森田健作氏が当選。自民党にしてみれば、小沢代表が辞任せずに、民主党内でゴタゴタが続いてくれるのが一番好都合なはず。5月解散に向けた流れが強まるかも知れません。
小沢代表「辞任を」63% 朝日新聞世論調査(朝日新聞)
世論調査―質問と回答〈3月28、29日実施〉(朝日新聞)
選挙:千葉県知事選 森田氏、初当選 民主系候補に大差(毎日新聞)
厳しい民意、小沢氏に痛手=なお世論注視?民主(時事通信)
小沢代表「辞任を」63% 朝日新聞世論調査
[asahi.com 2009年3月29日22時30分]
民主党・小沢代表の公設秘書が違法献金問題で起訴されたことを受けて、朝日新聞社が28、29の両日に実施した全国緊急世論調査(電話)によると、小沢氏が「代表を辞める方がよい」との意見は63%で、秘書の逮捕直後に実施した前回調査(7、8日)の57%より増えた。「続ける方がよい」は24%。これまで民主が大きくリードしていた衆院比例区の投票先では、民主31%、自民27%と接近した。
民主支持層の中でも「辞める方がよい」は51%おり、「続ける方がよい」の44%を上回った。前回調査では40%対49%で続投支持が多数派だったが、逆転した。
「いま投票するとしたら」として聞いた衆院比例区の投票先は、秘書逮捕前の2月中旬に実施した前々回調査では、民主42%対自民22%と大差がついていたが、前回は36%対24%に縮まっていた。
また政党支持率も、前回は自民と民主が22%で並んでいたが、今回は自民27%、民主20%と差がついた。
西松建設の違法献金問題で、小沢氏の説明が「不十分だ」とみる意見は86%と圧倒的で、「十分だ」は7%しかない。小沢氏が「前例のない形での逮捕・起訴は納得いかない」などと主張している検察への批判に「納得できる」は22%、「納得できない」は65%。民主支持層でも44%対47%と意見が分かれる。
一方、麻生内閣の支持率は22%で、前回の14%から上昇した。自民支持層の中の内閣支持率が前々回調査では40%しかなかったが、前回48%、今回56%と持ち直している。
首相にふさわしいのは麻生氏か小沢氏かの質問では、麻生氏が30%、小沢氏が26%。前回は22%対32%だったが、逆転した。麻生氏が小沢氏を上回るのは昨年11月(49%対23%)以来だ。
世論調査―質問と回答〈3月28、29日実施〉
[asahi.com 2009年3月29日22時43分]
(数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。◆は全員への質問。◇は枝分かれ質問で該当する回答者の中での比率。〈 〉内の数字は全体に対する比率。丸カッコ内の数字は、7、8日の前回調査の結果)
◆麻生内閣を支持しますか。支持しませんか。
支持する 22(14)
支持しない 64(70)◇それはどうしてですか。(選択肢から一つ選ぶ。上は「支持する」22%、下は「支持しない」64%の理由)
首相が麻生さん 12〈3〉 13〈8〉
自民党中心の内閣 43〈9〉 26〈16〉
政策の面 26〈6〉 51〈33〉
閣僚の顔ぶれ 8〈2〉 7〈5〉◆いま、どの政党を支持していますか。
自民党27(22)▽民主党20(22)▽公明党2(3)▽共産党3(3)▽社民党1(1)▽国民新党0(0)▽改革クラブ0(0)▽新党日本0(0)▽他の政党0(0)▽支持政党なし41(41)▽答えない・分からない6(8)◆できるだけ早く衆議院を解散して、総選挙を実施すべきだと思いますか。急ぐ必要はないと思いますか。
できるだけ早く実施すべきだ 53(57)
急ぐ必要はない 36(32)◆仮に、いま、総選挙の投票をするとしたら、比例区ではどの政党に投票したいと思いますか。
自民党27(24)▽民主党31(36)▽公明党3(4)▽共産党5(5)▽社民党2(2)▽国民新党0(0)▽改革クラブ0(0)▽新党日本0(0)▽他の政党1(1)▽答えない・分からない31(28)◆今後も、自民党を中心とした政権が続くのがよいと思いますか。民主党を中心とした政権に代わるのがよいと思いますか。
自民党中心の政権 29(24)
民主党中心の政権 42(45)◆麻生首相と民主党の小沢代表とでは、どちらが首相にふさわしいと思いますか。
麻生さん 30(22)
小沢さん 26(32)◆民主党の小沢代表の秘書が、西松建設の違法な企業献金問題で逮捕・起訴されました。小沢さんはこの問題について十分に説明をしていると思いますか。説明は不十分だと思いますか。
十分だ 7
不十分だ 86◆小沢さんは、民主党の代表を続ける方がよいと思いますか。辞める方がよいと思いますか。
続ける方がよい 24(26)
辞める方がよい 63(57)◆小沢代表の政治献金をめぐる問題で、あなたの民主党に対する印象は、よくなりましたか。悪くなりましたか。変わりませんか。
よくなった 1(1)
悪くなった 46(40)
変わらない 50(56)◆小沢さんは、「衆議院選挙が迫っているこの時期に、前例のない形で秘書が逮捕・起訴されたのは納得がいかない」として、検察の捜査を批判しています。小沢さんのこの主張に納得できますか。
納得できる 22
納得できない 65◇
〈調査方法〉 28、29の両日、全国の有権者を対象にコンピューターで無作為に電話番号を作る「朝日RDD」方式で調査した。対象者の選び方は無作為3段抽出法。有効回答は1102人、回答率は62%。
選挙:千葉県知事選 森田氏、初当選 民主系候補に大差
[毎日新聞 2009年3月30日 東京朝刊]
千葉県知事選は29日投開票され、元衆院議員の森田健作氏(59)が、民主など野党4党が推薦する吉田平氏(49)ら4氏を破り、初当選した。投票率は45・56%(前回43・28%)。秘書が起訴された民主党の小沢一郎代表が続投を表明後、初の知事選。推薦候補の敗北で、小沢氏の進退問題が再燃する可能性もある。
2期8年務めた堂本暁子知事(76)は今期限りでの引退を表明。選挙戦は、前回の知事選(05年)で堂本氏に6086票差で惜敗した森田氏と、野党の推す吉田氏の事実上の一騎打ちとなった。自民党県連は自主投票とし、森田氏など3陣営に分裂した。推薦候補ではなかったものの一部が支援した森田氏当選を県連内部では「勝利」とする見方もある。一方、民主党にとっては衆院選に向けはずみをつける結果にはならなかった。
森田氏は前回、自民党県連の支援を受けた。今回は自民党県議の過半数の支援を受けながらも、街頭演説は1人で回るなど、政党色を消した「完全無所属」を演出。際立つ争点がない中で「知事によるトップセールスの展開」を訴え、俳優としての知名度を生かし、自民支持層に加え無党派層の支持も集めた。
堂本知事が後継指名した吉田氏は、「千葉から政権交代」を訴えたが、出馬表明の遅れや、森田氏に比べ、知名度の低さが響いた。
関西大教授の白石真澄氏(50)は、自民党県連の一部と公明党県本部の支援を受けたが伸び悩んだ。社会福祉法人理事長の八田英之氏(64)は、共産党支持層以外に浸透しきれず、前県議の西尾憲一氏(58)は支持が広がらなかった。【神足俊輔】●千葉知事選確定得票数●
当 1,015,978 森田健作=無新
636,991 吉田平 =無新[民][社][国][日]
346,002 白石真澄=無新
136,551 八田英之=無新[共]
95,228 西尾憲一=無新
厳しい民意、小沢氏に痛手=なお世論注視?民主
[時事通信 2009/03/30-00:51]
29日の千葉県知事選で民主党推薦の吉田平氏は大差で敗れたものの、事前に苦戦が伝えられていたこともあり、同党では小沢一郎代表の進退に直結するような事態にはならないとの見方が広がっている。しかし、公設秘書の逮捕・起訴後、与野党が対決した初の大型選挙で示された民意だけに小沢氏にとって痛手で、今後の世論の動向などによっては辞任論が強まる可能性もある。
鳩山由紀夫幹事長は談話を発表し、「短期決戦の中で、(森田健作氏との)圧倒的な知名度の差を跳ね返すまでの後押しができなかった」と敗因を分析。今後の対応に関しては「一致結束してさらに信頼される党へと成長し、政権交代を成し遂げる」と強調した。
参院幹部は取材に対し「負けは織り込み済みだ。代表の進退とは何の関係もない」と小沢氏を擁護。小沢氏周辺も「これを代表の進退、責任論に結びつけるのは無理筋だ」と辞任論をけん制した。
一方、小沢氏と距離を置く議員の間でも「(候補擁立の遅れなど)地元の事情もあるので、これですぐに進退がどうこうということはない」「むしろ今後の世論調査が重要」との声が漏れる。
ただ、先の代議士会で小沢氏に辞任を迫った小宮山洋子衆院議員は「選挙はまさに国民の声だ。そういうことも踏まえ代表が総合的に判断してくれると思っている」と改めて小沢氏の進退に言及。「衆院選直前に代表が代われば支持率が回復するという楽観論があるなら、甘い」(幹部)との声もあり、党内の火種はいつ発火してもおかしくない状況だ。
同党は、告示日に鳩山氏、最終日に菅直人代表代行を選挙区に投入するなどテコ入れを図った。しかし、小沢氏自身は最終日に吉田氏の事務所を激励に訪れただけで、街頭でマイクを握る場面はなかった。
千葉県知事選に関し、小沢氏は17日の記者会見で「私自身の今後のこととイコールではない。質の違う話だ」として、進退判断への影響を否定していた。(了)