今日は東フィルの演奏会で、渋谷のオーチャードホールへ。
- ショスタコーヴィチ:ジャズ・オーケストラのための組曲第1番
- ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 op.26
- レスピーギ:交響詩「ローマの祭」
1曲目は、ショスタコーヴィチが1934年に「ジャズ音楽の地位向上」のためのコンクール用に作曲した作品だとか。舞台には、ヴァイオリン、コントラバス、サクソフォンが3台(ソプラノ、アルト、テナー)、トランペット、トロンボーン、ピアノ、シロフォン、ドラムなどのほかに、バンジョーとハワイアン・ギターが並びます。
ごく少数の編成だからでしょうか、エッティンガーは、客席がほんとに静まるまで振ろうとしませんでした。第2曲の始まりでは、客席から音がして、振り上げた指揮棒をいったん下ろしてしまったほどの気の使いよう。
でも曲そのものは、そんな深刻になるようなものではなく、7分間程度の小品。ジャズというよりも、洋物のポップス、ところどころハワイアン風? なイージーリスニングという感じです。(^^;) しかし、ところどころ、ショスタコーヴィチらしい響きもあったりして、なかなか面白い作品でした。
2曲目は、ヴァイオリン協奏曲として超有名な曲。オケの方は、エッティンガー氏の指揮で、ダイナミックでメリハリのきいた演奏でしたが、ヴァイオリン・ソロの方が少々おとなしかったのではないでしょうか。奏者の“思い入れ”がもっと伝わってきてもよかったと思います。(ソリストは、東フィルのコンサートマスターの三浦章広氏)。
3曲目は、レスピーギの「ローマ三部作」の1つですが、正直言って、これまであまりいい演奏を聴いたこともなく、ただ騒がしいだけの曲という印象だったのですが、今日はまったく違っていました。弦は対抗配置で左奥にコントラバスが陣取り、それと対称的に、右奥に金管楽器を配置し、さらに舞台の一番奥、一番高いところにファンファーレ担当のトランペット3台を並べて、音が非常に立体的に聴こえました。さらに、それが奥行きのあるオーチャードの舞台後ろの壁や、ホールの天上などに反響して、余韻たっぷりな響きが伝わってきました。
指揮のダン・エッティンガーは、指揮台のうえで、腰をくねらせたり、飛んだり跳ねたり、と、熱のこもった指揮ぶり。そこから、メリハリのきいたダイナミックな音楽が生まれてくるように思いました。
【演奏会情報】 東京フィルハーモニー交響楽団第769回オーチャード定期演奏会
指揮:ダン・エッティンガー/ヴァイオリン:三浦章広/コンサートマスター:荒井英治/会場:オーチャードホール/開演:2009年4月26日 午後3時