東京の地形はどうやってできたか? 『江戸・東京地形学散歩』

松田磐余『江戸・東京地形学散歩』(之潮)

松田磐余『江戸・東京地形学散歩』(之潮)。某書店では、日本史(近世史)のコーナーに置いてありましたが、どちらかと言えば地形学の本じゃないのかな〜

とくに第1章「武蔵野台地と東京低地の形成」は、東京の地形がどうやってできたかというお話ですが、話は、およそ12〜13万年前の最終間氷期から、江戸時代以降の人間による埋め立て、戦後の地盤沈下まで、なかなか長大なスケールです。

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「社会変革をめざした先輩 マルクス、エンゲルス」をアップしました

昨年9?10月に、「民青新聞」に連載した「社会変革をめざした先輩 マルクス、エンゲルス」(全3回)をアップしました。

「民青新聞」編集部から、『蟹工船』ブームや「派遣切り」などで「この世の中、ちょっとおかしいぞ」と声を上げ始めた若い世代の人たちに、「マルクスってどんな人?」というのを紹介してください、ということで依頼されて、締め切りに追われつつ書いたものです。

社会変革をめざした先輩 マルクス、エンゲルス – PukiWiki

マルクスの熱意が伝わってくる『理論劇画 マルクス資本論』

『理論劇画 マルクス資本論』(かもがわ出版)

すでにあちこちで話題になっている『理論劇画 マルクス資本論』(かもがわ出版)。私もようやく手に入れました。(^_^)v

このマンガは、もともと門井文雄さんという方が1982年に描かれたもの(大陸書房刊)ですが、それを今回は、マンガ評論家の紙屋高雪氏が一部再構成して再刊(新刊?)されたものです。また、新しく10項目の「解説」がつけ加わり、いまの金融危機や派遣労働の問題をとりあげ、より現代的に仕上げられています。

この『理論劇画 マルクス資本論』の最大の魅力は、紙屋氏も解説で指摘されていますが、ドレス工場での女性労働者の「たんなる過労死」やシーニアの「1時間」など、マルクスが当時の労働者がどんな状況に置かれていたかを告発した部分を、ページを割いて、しっかり描き込んであることでしょう。「ここがロドス島だ、ここで跳べ」のところも、わざわざイソップ童話の話までマンガに描かれています。マルクスが『資本論』で何を明らかにしようとしたか、たんに理論にとどまらない迫力、面白さが伝わってきます。

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相沢幸悦『恐慌論入門』

相沢幸悦『恐慌論入門』(NHKブックス)

金融論がご専門の埼玉大学・相沢幸悦氏の最新著。アメリカのサブプライムローン問題に端を発した現下の金融危機、経済危機をとりあげた本です。しかし、それにもかかわらず、タイトルが『恐慌論入門』となっているところがミソ。

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自公政権と対決する立場がないと、こうまで追い込まれるものか…

民主党が、自民党に対して、補正予算の成立と引き替えに「話し合い解散」を打診していたことが明らかに。

民主党は、昨年も、「何でも賛成するから、ただちに解散せよ」という奇妙奇天烈、奇々怪々、常人には理解不能な対応をしたが、まったく懲りてないようだ。「政権交代」をめざすのであれば、麻生自公政権に対して堂々と論陣を張って、解散・総選挙に追い込むのが筋。しかし、自民党政治に対決する立場がないものだから、何度も、「解散をお願いする」路線に落ち込むのだ。

西松建設違法献金問題で、小沢・民主党はジリ貧状態。「民主党の支持率があまり下がらないうちに、解散してほしい」ということなのだろうか? それでは自民党に足元を見られるだけなのだが、それにも気づかないとしたら、民主党はよっぽど追い込まれているのかも知れない。

民主が自民に話し合い解散打診、自民は拒否 | 日テレNEWS24
民主・山岡氏が自民に「話し合い解散」提案 – MSN産経ニュース

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不破哲三『古典への招待』紹介

不破さんの『古典への招待』(新日本出版社)の上巻と中巻について、雑誌『経済』に執筆した「読書ノート」をアップしました。それぞれ、同誌2008年6月号と2009年4月号に書いたものです。

『古典への招待』を読もうという方のご参考になればと思います。

不破哲三『古典への招待』紹介 – PukiWiki

西松建設問題で民主党↓ おかげで内閣支持率は↑

NHKと毎日新聞の世論調査で、いずれも麻生内閣の支持率が上向いた。と言っても、「支持」対「不支持」の割合は、30対60(NHK)あるいは24対56(毎日)で、依然としてダブルスコアなのだが。その理由は2つ考えられる。

NHK世調 内閣支持率30%(NHKニュース)
NHK世論調査 各党の支持率(NHKニュース)
毎日新聞世論調査:「小沢氏辞任を」72% 内閣支持率は上昇24%(毎日新聞)

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「幕末明治期にこうしたことを考えて書いていたことに驚いた」

今朝の「産経新聞」に『超訳「資本論」』の紹介がでていました。面白いと思ったのは、その中で紹介されていた、担当編集者の言葉です。

「まず自分で読みたかった」。実際に読んでみたら「幕末から明治期に、こうしたことを考えて、書かれていたことに驚いた」。そして、「イデオロギーの本ではなく、社会学の本だと分かった」

そうなのです。『資本論』というのは、実際に読んでみると、けっしてイデオロギッシュな本ではなく、資本主義の仕組みを解き明かした本だということが分かります。(^_^)v

【話題の本】「超訳『資本論』全3巻」的場昭弘著(MSN産経ニュース)

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「ミサイルだ」と言ってはみても…

政府が北朝鮮の飛ばしたものは「ミサイル」であるとする立場を表明。

しかし、河村官房長官が記者会見して説明した理由は、次の2つ。

  1. 人工衛星が軌道を周回しているとは思わない。
  2. 国会決議が「ミサイル」だと言っている。

しかし、「人工衛星が軌道を周回しているとは思わない」というのは、それだけでは「人工衛星ではなくミサイルである」と断定する理由とするのにはちょいと欠ける。人工衛星の打ち上げに失敗したかも知れないからだ。そして、国会決議についていえば、前回指摘したとおり、国会決議そのものには「ミサイル」と断定できる根拠は何も示されていない。

ということで、結局、河村官房長官が説明した限りでは、「人工衛星ではなくミサイルである」と断定したことを裏づける根拠は、何も示されていない、ということになる。これでは、国際社会にたいして説得力を持たない。それで外交がうまくすすむのか、もう少し冷静に考える必要があるのではないだろうか。

北の飛翔体は「ミサイル」…政府が表現替える(読売新聞)

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肝心の問題について何も明らかにしない不可解な解説記事

北朝鮮のロケット発射問題で、昨日の「読売新聞」が「不可解な対応」と題する解説記事を載せている。衆議院決議に、共産党が反対し、社民党が棄権したことを「不可解な対応」と批判している。

その理由として、「読売新聞」があげているのは、「国民の安全を最優先に考えるべき時、両党の対応は不可解と言わざるを得ない」「国内で足並みが乱れては、国際社会の分断を狙う北朝鮮に誤ったメッセージを送りかねない」ということぐらいだ。

しかし、社民党はいざ知らず、共産党は、決議に反対する理由を明らかにしている。

  1. 「ミサイル発射」と断定しているが、政府でさえ「ミサイルと断定していない」と言っており、国会が根拠なしに「ミサイル」と断定すべきでない。
  2. 「ミサイル」と決めつけて、それを前提に国連決議に「明白に違反」と断定することはできない。
  3. 「独自の制裁強化」は、「これ以上状況を悪化させる行動をとらない」という6カ国協議での合意から逸脱するものだ。

「読売新聞」は、なぜか、この第1の問題にまったく触れていない。なるほど「読売新聞」は、どの記事を見ても、「北朝鮮が『人工衛星』だと主張して弾道ミサイルを発射した」などと書いて、北朝鮮が発射したものは「弾道ミサイル」であると断定している。それは見事に徹底しているが、しかし、どの記事を見ても、読売新聞社として「弾道ミサイル」と断定した根拠は書かれていない。もし「読売新聞」が共産党の態度を「不可解な対応」と批判するのであれば、まず弾道ミサイルと断定した根拠を自ら示す必要があるだろう。それ抜きに共産党を「不可解な態度」と非難する「読売新聞」のやり方こそ、「不可解」といわざるを得ない。

問題は外交である。外交の場では、根拠なく相手国を非難してみても何の効果もない。「国民の安全」にかかわる問題だからこそ、国際社会をきちんと納得させられるだけの根拠をもって、日本の立場を主張しなければならない。そこに知恵をつくす必要がある。

今日の「毎日新聞」には次のような記事が出ていたが、「弾道ミサイル」だと断定することは難しいというのが実際のところではないか。

北朝鮮ミサイル:人工衛星?物証なく確認難航 日米が分析(毎日新聞)

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暑い…

太陽ギラギラ…

今日は雲一つない晴天。外を歩いていると、日差しがまぶしいだけでなく、暑くさえあります。

写真は、側溝の蓋に反射する太陽のギラギラ感を出したかったのですが…。

立ち上がる非正規労働者、そしてそれを支える人たち

『議会と自治体』2009年4月号

共産党が発行している雑誌『議会と自治体』2009年4月号。巻頭2論文や特集「雇用・地域経済と自治体」で、各地での「派遣切り」とのたたかいをとりあげている。

なかでも、福島県、三重県、広島・福山市の3人の議員さんの手記は、「非正規切り」で文字どおり仕事と同時に住むところも失いつつある労働者たちを励まし支え、労働組合づくりを支援しているとりくみが紹介されていて、読み応えがあった。

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今日も今日とて新宿御苑 (^_^;)

イチヨウ(2009年4月8日昼撮影)

風が吹くと桜吹雪にもなる新宿御苑ですが、八重桜などはまだまだこれからです。八重桜では、いまはイチヨウ↑がかなり開いたところです。

で、もう1つ、見ものなのが、花が緑色という変わり種の桜。(^_^;) まずこれ↓がウコンという品種の桜。名前の通り、開いた花は鬱金色です。

ウコン(2009年4月8日昼撮影)

そして、もっと変わり種なのが、この↓ギョイコウ(御衣黄)という桜。ただし、花が開いていたのはこの一房だけ。あとはまだ蕾でした。

ギョイコウ(2009年4月8日昼撮影)

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三菱UFJ、みずほ、三井住友そろって赤字転落

三菱UFJ、みずほ、三井住友の3メガバンクが、そろって赤字決算になることが明らかに。

というのだけれど、みずほフィナンシャルグループは昨年1月に米メリルリンチに1300億円を出資して800億円の欠損、三井住友グループも同6月に英バークレーに1000億円を出資して600億円の欠損を出している。なんと、欠損率60%!!

しかし、すでに2007年後半にはサブプライムローンの破綻は明らかになっていたのだから、損するのは分かっていたはず。みすみす金をドブに捨てに行ったようなもの。

こんなデタラメなことをやっておきながら、赤字を口実に貸し渋り・貸し剥がしをやられたのでは、たまったもんではない。公的資金投入など論外だろう。

3メガ銀、赤字転落へ 前期最終損益(NIKKEI NET)
3メガバンク:三菱UFJ・みずほ・三井住友、最終赤字転落――3月期見通し(毎日新聞)
3メガバンク赤字転落へ 株下落と不良債権増加で(共同通信)

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支持者以上に支持を広げる党、支持者しか支持しない党

各種世論調査で、麻生内閣の支持率が若干回復。といっても、依然として20%台だが、小沢一郎代表の西松建設違法献金問題で民主党の支持率が下がっていることの反映。

おもしろいのは読売新聞の世論調査。公明党は、政党支持率で3.3%、そして「仮に今、衆議院選挙が行われるとしたら、そのうちの比例代表選挙では、どの政党に投票しようと思いますか」の質問でもやっぱり3.3%で、まったく延びしろながない。自民党も27.2%と27.5%で、もはやコアな自民党支持者しか自民党に投票する気がない、ということだろう。

対照的に共産党は、政党支持率では2.4%と公明党より下だが、投票先としては約1.7倍の4.1%の支持を集めている。いまの“共産党の勢い”が伺われる数字だ。

内閣支持率、26.3%に回復(TBS News-i)
小沢氏続投「納得せず」66%、内閣支持率は微増…読売調査(読売新聞)
内閣・政党支持と関連問題 2009年4月電話全国世論調査(読売新聞)
日本テレビ世論調査 内閣支持率2割台回復 | 日テレNEWS24

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新宿御苑はソメイヨシノだけじゃありません (^^;)

今日も昼休みに新宿御苑に行ってきました。ソメイヨシノは満開をすぎていよいよ散り始めましたが、御苑の中はまだまだいろんな種類のサクラが、これから満開をむかえるものもあります。

その代表が、こちら↓。イチヨウという八重桜です。蕾が開き始めたばかりですが、八重なので満開になるとゴージャスな感じがします。(画像をクリックすると大きく表示します)

イチヨウ(桜園地、2009年4月6日撮影)

それから、これ↓はヤエベニシダレという枝垂れ桜。ツツジヤマを降りてゆくと、中の池のほとりに咲いています。

ヤエベニシダレ(2009年4月6日撮影)

こちら↓は、オオシマザクラ。真っ白で、花と同時に葉っぱが出ます。ソメイヨシノとほぼ同じ頃に咲きますが、まだまだ満開です。

オオシマザクラ(2009年4月6日撮影)

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