井村喜代子『「資本論」の理論的展開』(1)

少し前から、井村喜代子さんの『「資本論」の理論的展開』(有斐閣、1987年)を読んでいます。

井村氏は一つ一つ厳密に考察をすすめているので、とても勉強になります。『資本論』でマルクスが問題をどう解明、展開しているか、ということと、マルクスが解明・展開しなかった問題をどう考えたらよいかということとを厳密に区別し、本書ではマルクスが『資本論』で分析・解明の対象とした問題はなになのかを明確にするとともに、それをふまえて後者の問題にも取り組んでいます。

井村氏は、『資本論』は、いろいろありつつも、基本的には「資本一般」という分析の枠組みに規定されているとしているところがポイント。

第1章「『資本論』の対象領域と残された課題」

『資本論』第3部でも、「競争の現実の運動」はそれ自体としては分析対象とはならない。(6ページ)

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ベルサイユの子 フランスという国の奥深さを考えた

ベルサイユの子

憲法集会と銀座パレードのあと、Cine Switch銀座で、公開されたばかりの映画「ベルサイユの子」を見てきました。(今年4本目)

幼い息子エンゾを連れて、夜のパリの街を寝場所を探して歩く若い母親。ホームレスの支援施設で一夜を過ごした後、ベルサイユ宮殿の森の中で、社会から離れて暮らすダミアンに出会う。翌朝、ダミアンが目覚めると、母親は姿を消していた。残されたエンゾとダミアンは…。

先日、予告編を見たときには、ダミアンの暮らす掘っ立て小屋が火事になったり、ダミアンが病気になりエンゾが助けを求めにベルサイユ宮殿に走っていったり、ということで、捨てられたエンゾとダミアンの交流の話かと思っていたのですが、実際に見てみると、それだけではありませんでした。(^^;)

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今週の「九条の会」(5月4日まで)

全国各地の「九条の会」の草の根での活動を紹介するニュースを、インターネットのなかから拾い集めています。憲法記念日にあわせて、全国各地でさまざまな取り組みがおこなわれました。ここに集めたのは、ほんのその一部だと思います。

ノーベル賞の益川敏英さんは、3日に東京で開かれた憲法集会でも講演されましたが、その前日2日も京都で瀬戸内寂聴さんとともに講演されています。「九条の会」呼びかけ人で作家の大江健三郎氏は長野で、澤地久枝さんは栃木で講演。長野では、講演に先だって、高校生が大江さんと交流しています。うらやましいですねぇ。(^^;)

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憲法記念日 地方紙の社説を読む

憲法記念日の地方紙の社説を眺めてみました。愛媛新聞や信濃毎日新聞などが連続社説を掲載している。

愛媛新聞は、5/2付では「9条 いま捨てるのはもったいない」と題して、「9条の歴史は、政府による苦しい解釈と歪曲(わいきょく)の変遷である」と政府の動きを批判し、世界に「日本国憲法の9条精神を評価する動きが広がっている」ことに注目して、「憲法前文に掲げた『崇高な理想』こそ海外に伝え、『平和のうちに生存する権利』を追求していく努力」を呼びかけているのが注目される。河北新報は、北朝鮮のミサイル発射に触れながら、「憲法の前文(「平和のうちに生存する権利」)や9条に表される『平和的生存権』にこだわらないわけにはいかない」と述べている。

ほかにも、「派遣切り」の動きなどにふれて、「健康で文化的な」生活をおくる権利を定めた第25条の実現を求める社説が目立つ。

北海道新聞は、9条と25条に注目して、「人として生き、平和を守る手段としてこの憲法を活用したい」「貧困にむしばまれた社会を憲法の理念に沿って立て直すときだ」と訴えている。神奈川新聞は、小林多喜二の『蟹工船』にも触れながら、人権や豊かな生活の保障は、戦前来の労働者などのたたかいによってかちとられたものであるとしている。中国新聞は、「貧困の原因は社会の経済制度そのものの中にあり、手当ては国の責務―という姿勢が明快だ」と指摘している。高知新聞は「生存権の危機」は「特別な人」だけの問題ではない、と主張している。

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