共産党の志位和夫委員長は、4月28日、オバマ米大統領の核兵器廃絶演説(4月5日、プラハ)に注目して大統領に書簡を送っていましたが、オバマ大統領からの返書が、16日、日本共産党に届いたことが明らかにされました。
共産党にオバマさんの手紙、志位委員長「公式ルート開けた」(読売新聞)
志位さんの記者会見の様子は、こちら↓で見ることができます。
「核廃絶」書簡に対する米政府からの返書について/志位委員長(09.05.19) : JCPムービー
共産党にオバマさんの手紙、志位委員長「公式ルート開けた」
[2009年5月19日21時30分 読売新聞]
共産党の志位委員長は19日の記者会見で、将来的な核廃絶を提唱したオバマ米大統領のプラハ演説を評価して志位氏が送った書簡に対し、米国務省から返書が届いたことを明らかにした。
返書には大統領の謝意が示されている。米国から書簡が届いたのは結党以来初めてといい、志位氏は「共産党と米国の間に公式ルートが開けた」と語った。
志位委員長のオバマ大統領の書簡はこちら↓。
核兵器廃絶問題でのオバマ米大統領への書簡 : しんぶん赤旗
書簡を送ったことを発表したときの記者会見は、こちら↓。
オバマ米大統領への書簡の発表にあたって/志位委員長の会見 : しんぶん赤旗
こんどの書簡は、オバマ大統領が4月5日にプラハでおこなった演説のなかで、「米国は核兵器のない、平和で安全な世界を追求していくことを明確に宣言する」、「核兵器を使用したことのある唯一の核兵器保有国として、米国は行動する道義的責任がある」と述べたことに注目して、「核兵器廃絶のための国際条約の締結をめざして、国際交渉を開始する」こと、2010年のNPT条約再検討会議において、「核兵器廃絶への『明確な約束』」を「再確認」することを求めています。
【追記】
5月20日付の「しんぶん赤旗」に、日本共産党に送られてきた書簡の翻訳が載っています。志位さんの記者会見によれば、この書簡は、グリン・T・デイビス国務次官補(代理)がオバマ大統領の指示にもとづいて書いたものです。
米国政府の返書全文
[しんぶん赤旗 2009年5月20日付]
志位委員長の書簡に対する米国政府の返書全文は以下の通りです。
親愛な志位様
あなたの4月28日付の書簡で、オバマ大統領のプラハ演説についての感想と、どうすれば私たちが最良の方法で核兵器のない世界を実現できるかについての考えを伝えていただきました。大統領は、その書簡に感謝する返書を、大統領に代わってしたためるよう、私に指示しました。
この問題にたいするあなたの情熱をうれしく思うとともに、私たちは、この目標に向かって具体的な前進をつくりだすために、日本政府との協力を望んでいます。世界の国々が核不拡散条約の強化と、核兵器用の核分裂性物質生産禁止条約交渉の速やかな開始、包括的核実験禁止条約の発効を確約するならば、私たちは認識を変え、核兵器のない世界に向けて新たな機運をつくることができます。
思慮に富んだあなたの書簡に重ねてお礼を申し上げます。敬具