読売新聞 『マルクスは生きている』を評す

書評:不破哲三著『マルクスは生きている』(読売新聞2009年6月21日付)

昨日の「読売新聞」書評欄(本よみうり堂)で、不破さんの『マルクスは生きている』(平凡社新書)が取り上げられました。一般新聞の書評欄では初めて。

読売新聞特別編集委員の橋本五郎氏が、「これほど平易に書かれたマルクス主義指南書も珍しい」「説明の一つ一つがわかりやすく、説得力がある」と評価しています。

マルクスは生きている : 書評(読売新聞)

もちろん、後半で、「ならなぜ、共産主義が世界の主流にならないのか」と、不破さんの本の“艶消し”をはかってますが、ここらあたりは読売新聞の“バランス感覚”。それでも、結論は「マルクスの原典に挑戦してみたい気持ちにさせられる」ということなのだから、よしとしましょう。

「朝日新聞」なんぞは、不破さんの本を取り上げる勇気もないんですから。(^^;)

不破哲三著『マルクスは生きている』

[2009年6月22日 読売新聞]

 何度も死亡宣告されながら、生き返る。偉大な思想家の宿命であり、証しである。金融危機や地球環境破壊を背景にしたマルクス「蘇生(そせい)の書」であり、これほど平易に書かれたマルクス主義指南書も珍しい。
 不破氏らしい明晰(めいせき)さで、マルクスの現代的意味を「唯物論の思想家」「資本主義の病理学者」「未来社会の開拓者」の3つの側面から解説する。ノーベル賞の小林・益川理論も駆使した説明の一つ一つがわかりやすく、説得力がある。
 不破氏の論法に引き込まれながら、ならばなぜ、共産主義が世界の主流にならないのかという疑問に逢着(ほうちゃく)、60年前の小泉信三『共産主義批判の常識』を改めて読んでみる。
 そこには史的唯物論、労働価値説、恐慌論など、マルクス主義の根幹にかかわる問題点が実に平易に描かれている。両書を読むと、マルクスの原典に挑戦してみたい気持ちにさせられる。(平凡社新書、720円)

評・橋本五郎(本社特別編集委員)

ぜひとも、橋本氏には「有言実行」、マルクスの原典に挑戦していただきたいと思います。

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