自転車がバンクしてしまったので駅前の自転車屋さんで修理してもらいました。待ち時間のあいだに、近くの書店で見つけた月刊『言語』(太修館書店)8月号。手話については、前から、一番身近にある「外国語」として興味があったので、さっそく買い込んで、近くの喫茶店でぱらぱら読んでみました。(^^;)
特集のタイトルは「手話学の現在」。手話そのものではなくて、言語研究の対象としての手話「学」の特集です。
神田和幸:手話のおもしろさ
原 大介:手話言語における音韻論研究とは
神田和幸:手話の文法
武居 渡:手話獲得の心理学
坊農真弓:手話会話分析をはじめるために
大杉 豊:日本手話言語地図の作成に向けて
長嶋祐二:手話研究への情報工学的アプローチ
日本手話というのは、日本の聾者のみなさんが独自に発展させてきた言語で、日本語とは全く違う語彙・文法をもつ、独自の言語です。それにたいして、日本手話の単語を日本語と一対一に対応させながら並べたものが「日本語対応手話」です。
で、視覚言語である手話の場合も、子どもが言語を獲得する場合、音声言語と同じようなプロセスをへるのだそうです。赤ん坊が日本語を獲得するときには、「まんま」「わんわん」「にゃんにゃん」など、いわゆる「喃語」から始まりますが、手話にも同じような「喃語」があるそうです。
手話にも、言語を構成する最小単位である「音素」にあたる要素(手の形、手の位置、手の動き)があるということや、手話では主語や目的語が動詞に内在していて、動詞と同時的に語られる、など、いろいろ新しく勉強したこともあります。
しかし、注にあげられた文献を見ると、論文についてはいくつか日本語のものがあるものの、今のところ、手話を言語学的に研究した単行本(もちろん日本語で読めるもの)はなさそう…。う〜む、まだまだ難しいなぁ。
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