日フィル インキネン主席客演指揮者就任披露演奏会

日フィル第613回東京定期演奏会

暑い(熱い?)夏のたたかいが終了して、金曜日は久しぶりのコンサート。新しく日フィルの主席客演指揮者に就任したピエタリ・インキネンの就任披露演奏会(第613回定期演奏会、サントリーホール)へ行ってきました。

 ショスタコーヴィチ:祝典序曲 作品96
 シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
   (休憩)
 ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 作品47

インキネンは、フィンランド出身のバイオリニストで指揮者。1980年生まれというから、まだ29歳!! プログラムに載っていたポートレートは、首にマフラーなんぞ巻いて、なんだこのにやけた男は?!と思ったりもしましたが、いざ実際に振ってみると、表面的な派手さはないものの堅実な指揮ぶりで、なかなか充実した演奏でした。

前半の2曲を聴いたときの印象は、率直に言って、地味だなぁ?、というもの。しかし、後半、ショスタコーヴィチの交響曲第5番を聴いたあたりから、一見すると地味なんだけれども、日フィルの弦を見事にまとめて、しっかり響かせながら、アンサンブルを組み立てていることが分かってきました。そう思って聴き始めると、これがなかなかうまくて、すっかり引き込まれてしまいました。

プログラムには、相変わらず、ヴォルコフの『証言』なども引きながら、ショスタコーヴィチの“二重言語”的な解説が書かれていましたが、インキネンの演奏を聴いていると、そういう「解説」さえ超越してしまって、もっと奥深いところでショスタコーヴィチがこの曲にこめたものが浮かび上がってくるようで、あらためて、この曲の凄さを感じました。

これからの活躍に期待したいと思います。

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【演奏会情報】 日本フィルハーモニー交響楽団第613回東京定期演奏会
指揮:ピエタリ・インキネン(日フィル主席客演指揮者)/ヴァイオリン:樫本大進/コンサートマスター:扇谷泰朋/ソロ・チェロ:菊地知也/会場:サントリーホール/開演:2009年9月4日(金) 午後7時から

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