アメリカが国連安保理に、「核兵器のない世界」を目指すとする決議案を提出したそうです。
この決議案は、今月24日に開かれる「核不拡散と核軍縮に関する安保理首脳級会合」での採択を目指すもの。オバマ米大統領は、今年4月のプラハ演説で、「核兵器のない世界を目指す」と宣言しました。
この演説をうけて、志位委員長は、オバマ大統領に書簡を送りましたが、その中で志位委員長が提起した問題の1つが「核兵器廃絶を正面からの主題としての交渉」を開始することでした。それが実現に向かって動き始めたということでしょうか。
「核なき世界を創造」国連安保理が決議へ : 読売新聞
米、「核のない世界」決議案を配布 : TBS News-i
「核兵器なき世界」目指す/米政府 安保理会合に決議案/24日に首脳級が協議 : しんぶん赤旗
鳩山代表、核密約調査公表を明言 新政権発足後に実施、見解変更も : 共同通信
こうなれば、ますます日本が「核密約」にもとづいてアメリカの「核の傘」にしがみついているのが滑稽になってきます。24日の首脳級会議には、民主党の鳩山代表が出席する予定。「核密約」問題の究明を含め、新政権が自民党政治の転換になるのかどうか、まず核問題が中心的課題になってきたようです。
「核なき世界を創造」国連安保理が決議へ
[2009年9月12日14時33分 読売新聞]
【ニューヨーク=吉形祐司】国連安全保障理事会の議長国である米国は11日、今月24日に開かれる「核不拡散と核軍縮に関する安保理首脳級会合」で採択を目指す決議案を各理事国に配布した。
本紙が入手した決議案は、「核兵器のない世界を創造するための条件作り」を目指す決意を表明し、国連全加盟国に爆発を伴う核実験の自制や、米国と中国が未批准の核実験全面禁止条約(CTBT)の発効に向けて、同条約への加盟を求めた。
会合は米国が開催を提唱し、米大統領が初めて安保理議長を務める。非常任理事国の日本は、民主党の鳩山代表が新首相として出席する予定だ。決議案が採択されれば、オバマ米大統領が提唱する「核なき世界」への重要な道標となる。
宇宙空間や大気圏、水中、地下を含むすべての核実験を禁止するCTBTを巡っては、米国が批准していないことから中国も様子見を続けている。このため、米中など核を保有する常任理事5か国を含めた安保理15か国が一致して、拘束力を持つ決議の中で条約加盟を求める意義は大きい。
また、来年5月に予定される核拡散防止条約(NPT)の再検討会議を成功に導くための協力を加盟国に要請する一方、NPT未加盟国の条約参加や、北朝鮮のNPT脱退宣言を教訓とした脱退条項の明確化も求めた。核を使用したテロの脅威には「深い憂慮」を示している。
北朝鮮とイラン問題では、過去の安保理決議を「再確認する」と表明。核不拡散体制への「重大な挑戦」を嘆き、「関係当事者」に決議の順守を要求している。
米、「核のない世界」決議案を配布
[TBS News-i : 最終更新:2009年9月13日(日) 1時44分]
国連安全保障理事会の議長国アメリカは、11日、核のない世界を目指す決意を示した決議案を各国に配布しました。今月24日に開かれる安保理首脳会合での採択を目指す方針です。
アメリカが配布した決議案は、「核のない世界」を目指す決意を示した上で、爆発を伴う核実験の自制を求めると共に、CTBT=包括的核実験禁止条約の発効に向け、全ての国連加盟国が条約に加盟することを求めています。
CTBTは、核保有国であり安保理の常任理事国でもあるアメリカや中国が加盟しておらず、安保理が拘束力のある決議の中で条約加盟を求める意義は大きいといえます。
また、来年5月のNPT=核拡散防止条約の会合に向け各国に協力を呼び掛ける一方で、名指しこそ避けたものの、北朝鮮やイランについて「国際社会の平和と安全の脅威となりうる重大な挑戦は嘆かわしい」として、今ある安保理決議を順守するよう求めています。
アメリカはこの決議案を、オバマ大統領がアメリカの大統領として初めて議長役を務める24日の安保理首脳会合で採択したい考えです。(12日23:54)
「核兵器なき世界」目指す 米政府 安保理会合に決議案/24日に首脳級が協議
[2009年9月13日(日)「しんぶん赤旗」]
【ワシントン=小林俊哉】米国は11日、国連安保理で24日に開催する核軍縮特別会合で「核兵器のない世界」を目指す決議案を各理事国に配布しました。本紙が入手した決議案によると、核不拡散条約(NPT)第6条に従って、「核軍備の縮小に関する効果的な措置につき、並びに厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約について、誠実な交渉を行うことを約束するよう要求し、他の諸国に対してこの努力に加わるよう要求する」としています。
オバマ大統領は、プラハ演説で加盟国によるNPTの責任ある実践を提起していましたが、この決議案では具体的に「全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約」の交渉の開始を提起しています。こうして、オバマ政権が今までないがしろにされてきたNPT条約に規定された核保有国としての責任と義務を果たそうという立場を、国連安保理決議として打ち出したことはきわめて重要で、注目されるところです。
同安保理会合は、オバマ米大統領が議長を務める首脳級会合となります。NPT体制の強化や核兵器廃絶に向けた交渉を求めることで、来年5月のNPT再検討会議の成功に向けた国際社会の決意を示すことにもなります。日本からは新首相として民主党の鳩山由紀夫代表が出席する予定です。
同案文は、NPTに加盟していないインド、パキスタン、さらに核保有の有無を表明していないイスラエルも対象に、NPTに加盟するよう求めています。
また、同案は北朝鮮やイランの核問題を念頭に、「核不拡散体制にとって脅威だと安保理が決定した重大問題は遺憾だ」と指摘しています。
同案は、兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ)条約創設の呼びかけや包括的核実験禁止条約(CTBT)への各国の加入、国際原子力機関(IAEA)による査察体制の実効性確保などを求めるとしています。
鳩山代表、核密約調査公表を明言 新政権発足後に実施、見解変更も
[2009/09/10 22:12 共同通信]
民主党の鳩山由紀夫代表は10日夜、米軍の核搭載艦船の日本通過・寄港を黙認していた日米両政府の「核密約」問題について、新政権発足後に実態解明に向け調査を実施し、結果を公表する考えを表明した。
鳩山氏は党本部で記者団に「核密約に関し、いろいろと疑惑が出ている。真相を国民に明らかにしたい。調査する。結果が出た段階で国民にお知らせする」と明言した。
新政権発足後、外務省の事務当局に調査を指示、米国にも調査への協力を求める考え。ニューヨークでの国連総会に合わせ、今月23日を軸に調整中の日米首脳会談で、オバマ米大統領にそうした考えを伝える方向だ。
外務省は「密約は存在しない」との見解を崩していないが、衆院選で政権交代が決まったのを受け「新しい政権になったときに指示を仰ぎながら必要な対応を取る」(藪中三十二事務次官)と調査に協力する姿勢を示している。調査の進展によっては政府見解が変更される可能性も出てきた。
これに先立ち鳩山氏は外相に内定している岡田克也幹事長とともに、共産党の志位和夫委員長と国会内で会談。核密約の調査を求めた志位氏に「真相究明は何よりも大事だ」と強調。岡田氏も「私も(真相を)明らかにすべきだとの立場だ」と表明した。
志位氏は「核密約を調査し、日本に持ち込ませないよう取り組むとした、これまでの鳩山氏の発言を評価する」と述べ、米政府が過去に公開しながら現在は非公開扱いにしている関連資料を鳩山氏らに提供した。
核密約は、1960年改定の日米安保条約で定めた「事前協議」の対象に、核を搭載した米軍の艦船と飛行機の日本への通過・寄港、飛来は含めないとした秘密合意。共同通信の取材に対し、事務次官経験者4人が関連文書の存在などを認め、官僚側の判断で一部の首相、外相には説明していたと証言した。