自民党総裁は谷垣氏に

野党になった自民党の総裁選で、谷垣禎一氏が総裁に選出された。

得票を見ると、河野太郎氏は知名度もあるので、地方票はそこそこ集めたものの、国会議員の間ではすこぶる任期が悪い。西村康稔氏を下回ったのは、正直、ショックだろう。その西村氏は知名度がないので、地方票もとれなかった。

自民総裁に谷垣氏「政権奪回の先頭に」 得票6割超 : NIKKEI NET

自民総裁に谷垣氏「政権奪回の先頭に」 得票6割超

[NIKKEI NET 2009/09/28 21:03]

 自民党は28日投開票の総裁選で、谷垣禎一氏(64)を第24代総裁に選出した。投票総数499票の6割超を獲得した谷垣氏は総裁就任の記者会見で「政権奪回の先頭に立つ」と決意を示し、29日中にも幹事長など党役員人事を決める考えを明らかにした。
 総裁選は党所属国会議員の199票と、党員・党友投票を反映する地方票の300票を争った。谷垣氏は議員票120票、地方票180票の合計300票を獲得。河野太郎氏の144票、西村康稔氏の54票を大きく引き離した。新総裁の任期は2012年9月までの3年。
 党役員人事について谷垣氏は「国会論戦を考えなければいけないし(10月25日投開票の)参院補欠選挙が目前に迫っている」として早急に決める考えを表明。党再建策を議論する総裁直属の「政権構想会議」や、あらかじめ各分野の政策責任者を決めておく影の内閣(シャドーキャビネット)を検討する考えを示した。

で、得票結果はこちら。データソースは時事の記事。議員票に無効が1票あったらしい。

自民総裁選開票結果 : 時事通信

自民党総裁選開票結果
谷垣禎一 河野太郎 西村康稔
議員票 120 35 43
地方票 180 109 11
合計 300 144 54

ところで、昨日(9/27)午後、オーチャードに東フィルの定期を聴きに行こうと思って、渋谷駅を降りたら、ちょうどハチ公前で、西村氏が街頭演説をやっていた。で、交差点で待っていたら、井ノ頭通りを西武百貨店の方向から「自由労働組合」(つまり失業者のみなさん)のデモ行進がやって来て、シュプレヒコールを上げながらスクランブル交差点を左折して、JRガード方面へ向かっていった。さらに、そのJRガード方向からは右翼の街宣車が交差点方向へ、大音量を上げながらやって来た。

これまでなら、自民党の幹部がやって来て演説をやっていたら、警察に規制されて、その近くをデモ隊が通ったり、右翼の街宣車が接近することなど不可能だっただろう。それが、デモ隊にくっついた規制の警官隊までがマイクでがなって、西村氏の演説はろくに聞こえないほど…。政権をすべりおちると無残なものです。

それにしても、西村氏の演説は、声を一調子張り上げて、ぶつけるように喋ってくる。右翼の演説でよくお目にかかるパターン。“断固たる指導者ぶり”を発揮したいのだろうが、そういう「強いリーダーシップ」というスタイルそのものが、国民からノーを突きつけられたことに気づいてないのだろうか? (と思ったら、総裁選の推薦者には、例の安倍ちゃんがいた)

しかも、そうやって「若手のリーダー」気取りで喋ってる中味はといえば、「これからの日本をどうしたらよいのか、徹底的に研究して方向を明らかにしていく」とか「若手が声をあげていかなければならない」などなど、まったく内容がない。それどころか、「自民党も野党になったのだから、それを機会に脱官僚をはかる」などと言っているのだから、思わず失笑してしまった。

そんな中で、唯一、西村氏がはっきり言っていたのは、インド洋での自衛隊の給油活動を打ち切ったら、「日本は世界から孤立する」という話。う〜む、こいつ、まだこんなことを言ってんのか。自民党がなぜ総選挙であれだけの大敗をしたか、どうやらまったく分かってないようだ。

自民党的に言えば、西村氏は今回総裁選に立候補したことでいわば「名前を売った」かっこうになるのだろうが、こんな奴に「名前」を売らせてはならない。

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